浜辺美波『金の国 水の国』でヒロインの声を熱演!声優として難しさを感じる部分って?

“優しさ”に心温まる映画『金の国 水の国』が早くも話題♡ 作品への思いをヒロイン・浜辺美波さんにASK!

『「このマンガがすごい! 2017」オンナ編』で第1位を獲得した『金の国 水の国』が満を持して映像化。おっとりした性格で、食べるのが大好きな“金の国”の王女・サーラを演じるのは、映画やドラマに引っ張りだこの浜辺美波さん。作品やキャラクターたちへの思いを愛情たっぷりに語ってくれました♡

ナランバヤルに私の理想像が詰まっています

『金の国 水の国』の脚本を初めて読んだときの感想を教えてください。

「まず、ストーリーがすごく面白いと感じました。お姫さまや国の話だと、戦いの要素や少年漫画っぽい毛色が強くなることが多いと思うのですが、女性らしさややわらかさを含んだ政治の話で、見たことのない展開に引き込まれました」

浜辺さんが声を演じる“金の国”の王女・サーラはどんな人物ですか?

「サーラは一見何もしていないように見えるので、周囲からも自分自身でも評価の高くないお姫さまだと思うんです。けれど、ひとつの動作や発言で色々なものを動かせてしまう立場でありながら、何もしないことを選択して常にニコニコしている強さを持った女性だと私は思っていて。何もできないところから一人前になっていくのではなく、実はサーラは最初から一人前だと思うんです。だけど本人にはその自覚がなく、周囲に引け目を感じているサーラが、“水の国”の青年・ナランバヤルに出逢って変わっていく。違う強さを持ったふたりが惹かれ合い、助け合っていく様子がなんとも愛おしいんです」

浜辺さん自身が発言する際に気をつけていることはありますか?

「私は早口かつ言葉たらずなので、お家に帰ってから『あのときあれを付け加えればよかった〜!』などと後悔することがよくあります。なんだか時間に追われている気になってしまって、ひと言飛ばしてしまったりとか。本を読むのも言葉そのものも好きなのですが、話すときは少し焦り癖があるんです。なので、書いたり打ったりするほうが得意で、話すときの文章の組み立てにはいつも苦労しています(笑)」

声優としては3作目ということですが、難しさを感じる部分は?

「全部って言いたいくらい、俳優業とはまったく違う職業だと思います。普段は喋り出すタイミングまでカウントダウンされて、話すスピードや息づかいまで決まっていることが多いのですが、画の表情に合わせて声を出すのが本当に難しいです。プロの声優さんを目の当たりにすると、技術者のようだなと感動します。もっと場数を踏まないといけないですし、本当は声優さんの学校に通いたいくらいです」

では、逆に楽しさを感じる部分は?

「掛け合いのシーンはすごく楽しいです。ナランバヤルの声を演じられた賀来賢人さんが、役を作り上げてから現場に入ってくださったんです。賀来さんがナランバヤルとしてひと言目を発した瞬間に、『あ、この世界が固まった』と感じました。それまでははいているスカートの足元が見えないような状態だったのが、しっかりと地に足をつけて立っているみたいな。いらっしゃるだけで心強くて、安心感がありました」

ナランバヤルの印象は?

「頭がよくて口が達者で、適切な言葉を選ぶ力もあるけれど、本当に素敵だなと思うのはそれをひけらかさないところです。いざ誰かを守るとなったときに本気を出すのが、彼の強さだなと思います」

ナランバヤルのような人が現実にいたらいかがですか?

「最高だと思います。私、自分の素を出しても受け入れてくれる人が理想なんです。例えば、すっぴんになったときに大きなデキモノができていても、全然大丈夫じゃんって笑ってくれる人であったり、言葉選びに配慮のある人が素敵だなと思います。同じことを伝える場合でも、チクチクした言葉を選ぶ人と優しい言葉を選ぶ人だと、一緒にいるときの心の穏やかさが全然違うんだろうなと思うので、言葉選びは大切だなと。改めて考えてみると、本当にナランバヤルに当てはまりますね(笑)。恋人というより、家族になったほうが素敵そう! ふたりがいつまでも幸せに暮らすことを心から願っています」

浜辺美波さんにQuestion!

最近のマイブームは?

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』を観返す会をひとりで開催しています(笑)。好きなものを何度も繰り返し観るタイプです。

これならいくらでも食べられる! ってものは?

ユッケ! 生ものが好きなのですが、中でもユッケが大好きです。ユッケメインで焼き肉に行きますし、ごはんのお供にも最高です。

好きなお酒は?

ビールと日本酒。誕生日に父からお酒が贈られてきたのですが、まだ一度も一緒に飲んだことがないのでいつか飲めたらいいなと思っています。

『金の国 水の国』

配給:ワーナー・ブラザース映画/1月27日(金)全国ロードショー
『「このマンガがすごい!」オンナ編』で史上初2連覇を達成した岩本ナオ氏原作のマンガを映画化。100年断絶している2つの国、〝金の国〟のおっとり王女・サーラと〝水の国〟の貧しい建築士・ナランバヤル。敵国同士の身でありながら、国の思惑に巻き込まれたふたりは〝偽りの夫婦〟を演じることに。真実を言い出せない不器用なふたりの〈優しい嘘〉は、国の未来を変えるのか−。
©岩本ナオ/小学館 ©2023「金の国 水の国」製作委員会 
浜辺美波
2000年8月29日生まれ、石川県出身。凛とした美貌と優れた演技力で、話題作に多数出演する。今後は、ヒロインを演じるNHK 2023年度前期 連続テレビ小説『らんまん』、映画『シン•仮面ライダー』など注目作への出演が控えている。

「誰かを守るときに本気を出す人こそ本当に強い人だなと思います」と映画への思いとともに語ってくれました。浜辺さんの理想像が詰まったナランバヤルと浜辺さん演じるサーラに会いに、映画館に急いで♡

CanCam2023年3月号より 撮影/谷口 巧(Pygmy Company) スタイリスト/瀬川結美子 ヘア&メイク/進藤郁子(資生堂) デザイン/岩見夏美(Beeworks) 構成/大下杏子 WEB構成/久保 葵