仲のいい相手と突然距離を取りたくなってしまう心理的理由
それまで仲よくしていたのに、何かをきっかけに急に冷めてしまうことってありますよね。場合によっては、相手は何も悪くないのに突然距離を取りたくなることも。そこにはどんな心理が隠されているのでしょうか。そこで今回は、「仲のいい相手と突然距離を取りたくなってしまう心理的理由」をご紹介いたします。
■距離感にギャップを覚えたとき
お互い仲よしだったとしても、時間の経過や関係性によっては、その好意の度合いにギャップが生じてくる場合も少なくありません。特に、相手があなたのことを好きすぎる=重たい場合は、めんどくさくなる可能性が高いと言えます。なぜなら、そこに“返報性の原理”が働いてしまうからです。これは好意を表現された側が、自然と同じ程度の好意をお返ししなくてはならないと感じてしまう心理現象です。これこそが、仲のいい相手に対して「ちょっと重い」と感じてしまう原因です。なるべく好意にはギャップが無い方がいいのです。
■“同族嫌悪の心理”を感じたとき
親しい関わり合いというのは、人間関係の中でもかなり“密な距離感”を維持することだと言えます。最初は似た者同士だから好感を抱いていたとしても、その似た部分が不快になってくることも少なくありません。これを“同族嫌悪の心理”と言います。特に、自分が嫌いな自分の要素、例えば、こだわりが強かったり、ちゃっかりしているところを相手にも見つけてしまうと、それが元でめんどくさくなることが多いとされます。どんなに似ていても、自分と他者とは別の存在だという意識を持つようにしましょう。
■過ぎた親切が過干渉と思える
友達から好かれているのは嬉しいことですが、その気持ちの表現があなたの自由を制限するくらい過干渉であった場合、相手と距離を取りたいと感じるでしょう。人は自由を制限されると、ますます自由に執着したくなります。なぜなら、自分で物事を決定したと言う欲求があるからです。そのため、禁止や干渉をされることを非常に不快に感じる結果に。これを“心理的リアクタンス”と言います。制限されると反発したくなる…… だから離れたい気持ちになのですね。
■話すと聞くアクションにアンバランスがある
人間関係はお互いのパワーバランスが極端であると、維持しにくいものになってしまいます。これを“バランス理論”と言います。この理論からすると、人はバランスが取れた状態を好むものだと考えられます。そのため、何かのバランスが崩れて不均衡が生じると、人はどうにかしてその状態を解決しようと試みるとされるのです。特に、コミュニケーションにおいて、それは顕著に現れると言えます。例えば、相手が自慢話や自分語りをしてばかりで、あなたの話を聞いてくれないケースがこれに当たります。逆もまた然りですが、会話は話すと聞くアクションのちょうどよさが崩れると、居心地が悪くなってしまうのです。
おわりに
親しい人と急に距離を取りたくなったときには、一気に関係を断たずにジワジワフェードアウトしてみることをお勧めします。その原因は、ただ自分の心が疲れているだけだったり、相手の意外な一面が見えて驚いているだけの場合も少なくありません。急に離れられたら、相手も理由が分からず戸惑ってしまうことも。自分の心が穏やかになるのを待って、再び接してみるとまた違う受け止め方ができるかもしれませんよ。(脇田尚揮)
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。