夫婦のマネー事情を徹底調査
生きていく上で必要不可欠なお金。だからこそ、夫婦であっても金銭面でのトラブルは起こりやすいですよね。コロナの影響で収入が厳しくなったり、お金の使い方を改めて見直したりと、ここ最近はお金について話す機会が増えた夫婦も多いと思いますが、例えばへそくりなど、お互い知らない情報はまだまだあるはず。
そこで今回は、スパークス・アセット・マネジメント株式会社が全国の20歳以上の既婚男女1000人を対象に行ったアンケートを元に「2021年の夫婦のマネー事情」についてご紹介します。夫婦の貯金、おこづかい、へそくり…など金銭にまつわるあれこれ、さっそく見ていきましょう。
半数の夫婦が「貯金の管理は妻が主導」
まずはじめに「夫婦の貯金の管理はどちらが主導で行っていますか? 」と聞いてみたところ、「妻が主導で行っている」が50%で最も多く、また「夫が主導で行っている」は23.8%、「夫婦別々に管理している」は26.2%となりました。
家庭内での性別役割は薄くなりつつある時代ですが、半数の夫婦が「貯金管理は妻が主導」であるようです。次は、夫婦のおこづかい事情を見てみましょう。
月のおこづかいは「平均3万円」
貯金の主導は妻という家庭が多いようですが、おこづかいに関してはどうなのでしょうか? ということで、次は「おこづかい額の決定権はどちらが強いですか?」と聞いたところ、「妻の方が強い」は33.7%、「夫の方が強い」は22.0%、「どちらも同じくらい」は44.3%という結果に。
おこづかい額は、お互いが納得できる形で決めている夫婦が多いようですね。これも夫婦円満の秘訣のひとつと言えそうです。
また、毎月のおこづかい額についても聞いたところ、以下のような結果に。
「1万円~3万円未満」(38.7%)に最も多くの回答が集まったほか、「3万円~5万円未満」(21.5%)にも多くの回答が見られ、平均は30,804円でした。
昨年の調査結果と比較すると、おこづかい額の平均は2,806円の増加となっています。男女・年代別に見ると、男性30代では6,660円の増加、女性30代でも6,660円の増加と、男女とも30代での増加幅が最も大きくなりました。給与や生活が安定してくる年代であることも影響していそうです。
加えて、現在のおこづかい額に満足しているか聞いたところ、43.4%が「満足している」、26.1%が「満足していない」、30.5%が「どちらともいえない」と回答。コロナ禍であっても意外と満足している人が多いようですね。
こちらも男女・年代別に見ると、現在のおこづかい額に満足している人の割合は男性と比べて女性の方が軒並み高く、20代(男性34.0%、女性51.0%)と40代(男性29.0%、女性46.0%)では男女間で17ポイントもの差が開きました。男女でここまでの差があるのは驚きですね! 理由を詳しく探ってみたいものです。次は、貯金額について見てみましょう。
夫婦の預貯金の残高「平均は約800万円」
おこづかい事情が見えてきたところで、次は「夫婦の預貯金の残高」を聞いてみました。結果はこちら。
「100万円未満」(17.8%)、「100万円~300万円未満」(19.3%)、「500万円~1,000万円未満」(17.5%)、「1,000万円~2,000万円未満」(12.6%)など、回答が様々に分かれましたが、平均は799万円となりました。もちろん年代によって大きく変わりますが、約800万円の預貯金がある夫婦が多いようです。
昨年の調査結果と比較すると、夫婦の預貯金の残高の平均は65万円の増加となっています。コロナ禍により、外出の頻度が減ったことや貯金への意識が高まったことも関連していそうですね。次は、へそくり事情を見てみましょう。
夫・妻の約半数が「へそくりをしている」
預貯金額は昨年より増えた夫婦が多いようですが、パートナーに隠して蓄えているお金(へそくり)についても気になりますよね。ということで、ここでは「へそくりをしているかどうか」聞いてみました。結果はこちら。
へそくりをしている人の割合は、全体では46.7%となり、男女別では男性43%、女性50%でした。夫よりも妻の方が割合は高いですが、どちらも半数近くがへそくりをしていることが分かりました。
また、「へそくりをしている」と回答した467人に、へそくり額を聞いたところ以下のような結果に。
平均は155万円で、男女別では男性123万円、女性183万円となりました。
昨年の調査結果と比較すると、へそくり額は平均、そして男女の全てで減少傾向に。コロナ禍で夫婦一緒に過ごす時間が増え、お互いのお財布事情を知る機会も自然と増えたことが減少の要因のひとつになっていると言えそうです。次は、老後のためのお金について見てみましょう。
7割以上の夫婦が「老後の資金を毎月貯蓄できている」
貯金やへそくりなど、お金を蓄えることに対する意識が高い夫婦が多いことが見えてきましたね。それもそのはず、人生100年時代と言われる現在、将来的な金銭不安を抱いている人が増えています。では実際に、老後のための貯蓄は十分にできているのでしょうか?
全員に「夫婦の老後に備えるためのお金を毎月確保できていますか? 」と聞いたところ、確保できている人の割合は75.7%という結果に。かなり高いですね。やはり老後のことを意識している夫婦は多いようです。
また、「老後に備えるためのお金を毎月確保できている」と回答した757人に、ひと月あたりにいくらくらい確保できているか聞いたところ、「1万円~3万円未満」(36.9%)に最も多くの回答が集まったほか、「3万円~5万円未満」(20.7%)や「5万円~10万円未満」(20.5%)にも回答が集まり、平均は47,491円でした。昨年と比較すると、2,629円の増加となっています。
次は、夫婦のお互いのマネー事情をどのくらい把握しているか探ってみました。
夫の7割以上が「妻の娯楽費・交際費を把握していない」ことが判明
夫婦の貯蓄事情が大体分かってきたところで、ここからは夫婦でも知らない金銭事情を探っていきます。配偶者が働いている人(725人)に、「配偶者の給料を把握していますか? 」と聞いたところ、66.1%が「把握している」、33.9%が「把握していない」と回答しました。
男女別に見ると、男性では「把握している」は50.8%、「把握していない」は49.2%、女性では「把握している」は76.5%、「把握していない」は23.5%という結果に。やはり、貯金の管理を主導することが多い女性の方が把握率が高いようです。
また、「配偶者の娯楽費・交際費を把握していますか? 」と聞いたところ、「把握している」は36%、「把握していない」は64%となりました。娯楽・交際費になると、意外と把握していない夫婦が多いと判明…!
男女別に見ると、男性では「把握している」は23.6%、「把握していない」は76.4%、女性では「把握している」は48.4%、「把握していない」は51.6%となり、夫の大半が妻の娯楽費・交際費の支出状況を知らないという実状が明らかとなりました。確かに、縛られすぎるとストレスにもなるので、使い道に問題がなければある程度自由な方がお互いのためにも良いのかもしれないですね。
次は、夫婦の金銭トラブルについて見てみましょう。
夫婦の3組に1組が「1年に1回はお金が原因の喧嘩をしている」
お互いの収入・支出の全てを把握している夫婦は意外と少ないことが分かりましたね。では、そういった曖昧性の積み重なりが喧嘩に発展することはどのくらいあるのでしょうか? ということで、ここでは「お金が原因の夫婦喧嘩を1年間でどのくらいしていますか? 」と聞いてみました。結果はこちら。
「0回」が64.8%で最も多かった一方、「1回以上と回答した人の割合」は35.2%となり、平均は1.7回でした。お金が原因の夫婦喧嘩は少なくないことが分かります。
また、「お金のことが原因で、離婚の危機をこれまでに何回くらい迎えましたか? 」と聞いたところ、以下のような結果に。
「0回」が84.3%で最も多く、「離婚危機1回以上と回答した人の割合」は15.7%で、平均は0.5回でした。
そして、お金のことで喧嘩をする夫婦(352人)について見ると、「お金のことが原因で離婚の危機を迎えたことがある夫婦の割合」は40.6%となりました。喧嘩から離婚危機にまで発展した夫婦、けっこう多いことが分かりますね…。そうなってしまわないよう、疑問や不満はその都度解消しておくことが大切です。
次は、コロナ禍での金銭感覚のすれ違いについて見てみましょう。
コロナ禍では、食費や趣味・娯楽費ですれ違いを感じた夫婦が多いと判明
お金が原因の夫婦喧嘩も少なくないことが分かりました。コロナ禍では、お互いが一緒に家で過ごす時間が長くなり、また、外食や旅行がしづらくなったストレスも相まって、金銭感覚のズレがより浮き彫りになった夫婦も多いのではないでしょうか?
そこで「コロナ禍で、パートナーと金銭感覚の違いを感じることがありましたか? 」と聞いてみると、「あった」は38.0%、「なかった」は62.0%という結果に。男女・年代別に見ると、金銭感覚の違いを感じることがあった人の割合は、30代男性(53.0%)が最も高く、半数を超えました。
また、パートナーと金銭感覚の違いを感じることがあった人(380人)に、「違いを感じたのはどのようなことですか? 」と聞いたところ以下のような結果に。
「食費」(32.4%)が最も高くなり、続いて「趣味・娯楽費」(30.3%)、「おこづかい」(25.3%)、「水道光熱費」(20.8%)、「貯蓄」(19.2%)と並んでいます。やはり、家で料理をする機会が増えたり、外食ではなくテイクアウトが増えたことなどから、日々の食事に対する価値観にズレが生じてしまった夫婦が多いようですね…。最後は、直近1年間の家計状況を見てみましょう。
夫婦の9組に1組が「家計状況が良くなった」
様々な視点からの夫婦のマネー事情が分かったところで、最後は直近1年間の家計状況を調査。まず「自分たち夫婦の家計状況は、昨年と比べて良くなりましたか? 、それとも悪くなりましたか? 」と聞いてみました。結果はこちら。
「非常に良くなった」が1.6%、「やや良くなった」が9.5%で、合計した「良くなった」は11.1%、「非常に悪くなった」が6.6%、「やや悪くなった」が17.6%で、合計した「悪くなった」は24.2%となりました。年代別に見ると、家計状況が良くなったと感じている人の割合は、20代(23.0%)が最も高い結果に。
悪くなったと感じている人の方が多いですが、コロナ禍であっても、良くなっていると感じる人も少なからずいるようです。
ちなみに、自分たち夫婦の家計状況が昨年と比べて良くなった人(111人)に、良くなった理由を聞いたところ以下のような結果に。
「無駄づかいをしないようになった」(41.4%)が最も高くなりました。続いて「外出機会が減った」(36.9%)、「自分や配偶者の給料が増えた」(34.2%)、「家計を見直した(固定費の見直しなど)」(27.0%)、「臨時収入があった」(17.1%)と並んでいます。
コロナ禍を機に、お金の使い方を見直した結果が反映されていると言えそうですね。
以上「2021年の夫婦のマネー事情」を紹介しました。具体的なおこづかい額や預貯金額、へそくり額が出てきましたが、どの年代も将来のための貯蓄を意識していることが見えてきました。また、コロナ禍で経済的に苦しい人も多いながらも、これを機に家計を見直して上手いやり繰りに繋げている人も多いようです。金銭感覚のズレから夫婦喧嘩に発展してしまう前に、気になることは早めに話し合っておくことが大切ですね♡(澤夏花)
あわせて読みたい