母の日の起源、知ってる?
毎年5月の第2日曜日は母の日。「今年は何をあげようかな」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。母の日=赤いカーネーションというイメージがありますが、なぜ母の日にカーネーションを贈る習慣が広まったのかご存じですか? 毎年プレゼントを贈ってはいるけれど、母の日の起源を知らない人も多いはず。
そこで今回は、母の日のはじまりと、世界各地の母の日についてご紹介します!
■母の日の起源とは?
諸説ありますが、広く知られているのは母の日のはじまりは1907年のアメリカの女性・アンナ・ジャービスによるものとする説。彼女が亡くなった母をしのぶために、母が教師をしていた教会で記念イベントを開催。そして、母を讃える日を作ろうと呼びかけたものが今日に至っているということだそう。
そんなアンリの母はどんな人だったのかというと、ボランティア団体をつくり、地域の医療や衛生環境の向上のために尽力した人でした。南北戦争のときには、どちらの軍の兵士かに関係なく懸命に看護したと言われています。また、戦後には教会で子供たちに勉強を教えるなど、地域のために障害尽力したそうです。
これが多くの人の共感を呼び、ウエストバージニア州で母の日制定が認められたのを皮切りに全米規模に拡大、1914年にはアメリカ連邦議会によって5月の第2日曜日を「母の日」と定める法律が可決。翌1915年から施行され、私たちが知っている「母の日」の誕生となりました。
母の日は、母を思う娘の気持ちが生んだ記念日だったんですね!
■日本ではいつから始まった?
日本では、1937年に森永製菓が「第1回森永母の日大会」を開催したことで全国的に広まったとされています。これをきっかけに、自分のお母さんをテーマにした絵や作文の大会がおこなわれるようになったそうです。今でもシーズンが近づくとスーパーやショッピングモールなどで「お母さんの似顔絵」が展示されている光景をよく見かけますよね。
なお、日本ではアメリカにならって5月の第2月曜日で定着していますが、他の国では日付が違ったり、風習が違っていたりするようです。母の日の風習と言えば、真っ先に思いつくのがカーネーションですよね。
■なんでカーネーションを贈るの?
なぜ母の日にカーネーションを贈るのか、考えたことはありますか?
小さい頃からなんとなくそういうものだと思っていたという人がほとんどではないでしょうか。実はこれにも、ジャービス親子が関連しているんです!
キリスト教では、カーネーションは聖母マリアが落とした涙のあとに咲いた花と伝えられており、深い母性愛をあらわす花とされてきました。クリスチャンだった母・アンは、そんな由来を持つカーネーションが好きだったため、1907年の母をしのぶ会でアンリは白いカーネーションを母に送ったそうです。
そして、翌1908年に行われた最初の「母の日」のお祝いで、アンナは参列者に白いカーネーションを手渡し、これがカーネーション広がりのきっかけだとされています。
ちなみに、カーネーションの花言葉は赤が「愛を信じる」、白が「私の愛は生きている」という意味。アンナに習い、母親を亡くした子は白いカーネーションを、母親がいる子は赤いカーネーションを胸に飾るようになったそうですが、「母がいる子といない子で区別をするのはどうなのか」という声から、日本では赤いカーネーションに統一されましたそうです。
カーネーションだけじゃない! 世界各地の「母の日」
日本とアメリカでは、子どもから母親へカーネーションを贈るのが一般的ですが、世界ではカーネーション以外の花を贈る国も。母親に花を贈り、感謝をするという点では共通している世界の「母の日」ですが、日付や贈る花の種類は国や地域によって異なっているようです。
例えば、タイの母の日はシリキット王妃の誕生日である8月12日。アメリカや日本とはまったく違いますね!
王妃と縁の深い水色の服を着て、母や王妃への感謝の意を表すんだとか。贈る花はジャスミンが好まれているようです。
また、フィンランドは日本と同じく5月の第2日曜日が母の日。ただ、バラと「ヴォッコ」という白い花を送るのが一般的とのこと。
オーストラリアも5月の第2日曜日ですが、贈るのは菊の花が一般的とのこと! 法事のイメージが有る日本人にとってはちょっと変わった母の日の風景に見えるかもしれませんね。
以上、「母の日」の起源やカーネーションを贈る理由、そして世界各地の「母の日」をご紹介しました。今年はジャービス親子に思いを馳せつつ、お母さんに感謝を伝えてみてくださいね♡(平田真碧)
出典:デジタル大辞泉