世界中で注目のフードアーティスト諏訪綾子展で記憶の珍味をあじわう体験を♡

話題の『記憶の珍味』諏訪綾子展で記憶をあじわう不思議体験はいかが?


資生堂ギャラリーで開催中のフードアーティスト、諏訪綾子さんの個展『記憶の珍味』展は無料で記憶をあじわう不思議な体験ができると話題です! 「ここでだけあじわうことができる珍味とは?」と気になったので、今回は実際に『記憶の珍味』展の様子をリポートでお届けします♡

記憶の珍味をあじわう


この『記憶の珍味』展は誰もが個人的にもっている記憶がテーマ。

何かの拍子にふと思い出して様々な気持ちが呼び起こされる記憶ってありますよね。恥ずかしい記憶を思い出してまた恥ずかしくなったり、それが後に微笑ましく思える記憶になったり。子供の頃は苦手だった珍味が大人になると美味しく感じるように、記憶もまたあじわいが変わっていく珍味なのだと伺いました。それは嬉しいものだったりもするけれど、珍味にくせがあるように、苦かったり恥ずかしかったり、でも何度も時折思い出してしまう。そんな記憶が「記憶の珍味」なのだそうです。

会場内には「ある記憶の匂い」が8種類、ガラスドームの中に閉じ込められています。この香りは諏訪さんの個人的な記憶に基づいて作られているそう。

ひとつひとつ香りを確かめて、自分の中の記憶が呼び起こされたものをひとつ選びます。良い香りや好きな香りではなく、どこか懐かしい気持ちになったり、もう一度確かめたくなったり、何か自分の記憶とリンクするものを選ぶのがポイント。あまり深く考えずに直感で選ぶのがおすすめです。

ひとつ選んでスタッフに知らせると、記憶の珍味をあじわうための「チケット」がもらえます。チケットにはそれぞれの香りに紐づいた言葉が書かれています。私のチケットはこちら。諏訪さんの記憶のかけらだったはずの言葉が、自分の記憶ともリンクしていて不思議な気持ちに。

 

その先はひとりでじっくり記憶の珍味をあじわいながら自分の記憶と向き合う空間が設けられています。記憶の珍味を口にしながら、さらに深く記憶の中に。まるで走馬灯のように、夢のように、忘れていた記憶と一緒にその時の気持ちや温度を思い出しました。私の幸せで泣きたくなるような記憶の珍味は、誰かにとってはおかしかったり、恥ずかしかったり、腹が立ったりするのかも。

記憶の珍味をあじわうかどうかも、それが本当に「記憶の珍味」となるのかも体験するあなた次第。会期中はいつでもこの記憶の珍味をあじわう体験ができるので、ぜひ訪れてみてくださいね。

 

記憶の珍味をあじわうリチュアル


会期中は、不定期にギャラリー内で、諏訪さん自身が自らの記憶をゲストとともにあじわい、その感覚を共有する参加型のパフォーマンスを実施! 諏訪さん自身がその場でもてなす生の「記憶の珍味」をあじわうことができます。

こちらのブースで諏訪さんと、4名の参加者とでできたての記憶の珍味をあじわいます。

先ほどは自分自身の記憶と向き合う体験だったのに対し、こちらは諏訪さんとその場ではじめて会った参加者と記憶を共有する体験。まるで茶道のような諏訪さんの所作と糸がぴんと張り詰めたような空間に、自然と背筋が伸びる思いに。そうしているうちにだんだん光や音や香りに対して感覚が研ぎ澄まされていきます。

水の波紋がきらきらと諏訪さんに映り、まるで水鏡を通して記憶を覗いているよう。そうしてその中からすくい上げたできたての記憶の珍味がふるまわれます。

実際に口にしてみると諏訪さんの記憶をあじわっているのか、自分の記憶をあじわっているのか、それとも他の誰かの記憶なのかわからなくなる感覚に。体験後は不思議な一体感で、一度も言葉を交わしていない他の参加者の方々と話が弾みました。

諏訪さんにもお話を伺ったところ、その日の参加者の香りをかいだ反応をみて、どの「記憶の珍味」をふるまうか決めているとのこと。言葉ではなく、感覚にダイレクトに語りかける香りや味を通して記憶を共有する体験は新鮮なものでした。このパフォーマンスは週に1日ほど不定期で開催予定。開催情報は資生堂ギャラリーのWebサイトでお知らせしています。

 

気になった人はぜひ『記憶の珍味』諏訪綾子展であなたの記憶の珍味をあじわってみてくださいね。3月22日(日)までの開催なので早めのチェックがおすすめです。

諏訪綾子(すわあやこ)

Photo:桐島ローランド

アーティスト・food creation 主宰

石川県生まれ。金沢美術工芸大学卒業後、2006年よりfood creationの活動を開始、主宰を務める。欲望、好奇心、進化をテーマにした食に関する作品をパフォーミングアート、インスタレーション、ダイニングエクスペリエンスなどの手法で数多く発表。本能的な無意識の感覚に訴えることのできる表現の媒体として「食」を扱い、感情、記憶などの内在する感覚を「あじわい」で伝えることで、体験者に新たな問いや発見をもたらす作品が特徴。

構成/久保 葵

 

情報提供元/資生堂ギャラリー

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