■時短&簡単!野菜のプロに聞いた、ダイエットに効く&満足して美味しいサラダのコツ
「ダイエットをして、キレイな体になりたい」というのは、女子たちの永遠の願望ですよね。
でも、いわゆるダイエット用の低カロリーな食事って、正直満足感がなかったり、すぐお腹が空いて反動で食べちゃったり……と、なかなか難しい。
そんな方にかなりおすすめしたいのが、ファッション&ライフスタイルプロデューサー、そして野菜ソムリエプロと漢方養生指導士初級の資格を持つ、いわば「本当に野菜のプロ」のAtsushiさんが出版したレシピ本『#モデルがこっそり食べている 3日で2kgやせるごちそうサラダ』。
私自身もこれに掲載されているサラダをよく作るのですが、体にいいし、お肉やお魚がしっかり入っているので満足するし、美味しい。
これから3回にわたって、Atsushiさんに「ダイエットや体づくりを考えた食事」についてうかがった内容をお届けします!
Q.今回の「サラダレシピ本」はどんな本か教えてください。
一般的に皆さんが想像するような「ダイエット中に食べる料理」って、味が薄かったり、食材がシンプルすぎて物足りない……とか、そんなイメージがありますよね。
でも、低カロリーであることを重視しすぎて栄養バランスが偏ったり気持ちが満足しないと、結局食べてもまた食べたくなってしまって、余計に何か食べてしまったりストレスになったりする。それじゃあ意味がないので、スパイスなどを使いながらしっかり味があって美味しくて、ボリュームがあっておなかにたまるサラダレシピを多数載せています。そしてすべて手軽で簡単、10分前後で作れます。
さらにボリュームはあるけれど、作る工程と材料はシンプル。基本的にどこのスーパーでも手に入る材料を使い、肉や魚、豆などのたんぱく質を絶対に入れています。ダイエット中はカロリーが高いからとお肉を避けてしまう方も多いですが、たんぱく質は体の細胞を作る、絶対に欠かせない栄養素ですし、不足すると筋肉量が落ちてしまい代謝が下がるため、意識してたんぱく質を摂れるようなレシピにしています。
Q.今回の「ごちそうサラダ本」には、44のサラダレシピが掲載されていますが、レシピはどのように考えられているのでしょうか?
僕のレシピは「体にいい食材」を組み合わせて作っていきます。野菜ソムリエプロと、漢方養生指導士初級の資格を持っているので、栄養のことや味のバランス、食べ合わせを頭の中で考えます。たとえば豚肉や鶏肉に含まれているコラーゲンは、ビタミンCと一緒に摂るとより吸収されるので、ビタミンCが多く含まれる野菜を意識的に使う。そういったことを考えながら、あとはひらめきです。
Q.レシピにすべて栄養豆知識が書いてあり、それがとても役に立ちます。その部分についての考えを教えてください。
僕自身が他の方のレシピ本を読むときに、「ここにどういう栄養があるかが書いてあればいいのになぁ」と思いながら自分で調べていたので、レシピ本を出すときは絶対に簡単に栄養価を書きたかったんです。
前回のスープレシピ本もそうですが、今回のサラダ本もすべてレシピと一緒に「この野菜はむくみに効く」「トマトのリコピンは油と一緒に摂ると吸収率アップ」など、お料理しながら簡単に覚えられるような一言豆知識を添えています。
普段、どの食材にどんな栄養が含まれているか、そしてその栄養が何に効果があるかをそこまで気にしない方や、一から勉強するのは面倒という方でも、一言何か書いてあったらぱっと見ちゃうじゃないですか。だから、作っていくうちにどんどん食材の知識も入ってくる。食材の栄養をわかって食べるのと、わからないで食べるのでは効果がまったく違ってきます。
漢方では「未病」という、病気になる前の予防を重視する考えがあるのですが、どの食材が何に効くかを知って食べるのは、まさにこの漢方の考え方です。たとえばかぼちゃやさつまいもなど、黄色い食材は糖分を多く含んでいて疲労回復に効果があるので、疲れたら意識的に食べる。そんな風に、そのときの体調から食べるものを選んだり、薬のように食材を活用していけるようになります。まさに医食同源です。
Q.改めて「サラダの長所」を教えてください。
生野菜の良さは、なによりもビタミンCと酵素を体にとりいれられること。酵素は食べたものの消化・吸収を助け、新陳代謝を良くし、免疫力を高めてくれます。
葉野菜の場合、ビタミンCも酵素もどちらも熱に弱く、熱すると栄養価がどうしても減ってしまうので、前回のスープレシピ本ではあまり使っていません。そのぶん、今回のサラダ本では、葉野菜をふんだんに使っています。
あと、季節を感じられるのもいいところですよね。サラダには旬のものをどんどん入れてください。旬のものは、たいていはスーパーの青果物コーナーでいちばん目立つところに置いてあります。栄養価が高くて美味しくて、そして安い(笑)。そしてその季節に合った効果効能があります。たとえば夏野菜のトマトやきゅうり、なすなどは余分な熱を取ってくれる。季節の野菜をどんどん取り入れてください。
Q.サラダをお弁当に持っていきたいのですが……。
今回紹介しているサラダレシピに関しては、お弁当や作り置きはおすすめしていません。夏は暑いので衛生的な問題もありますが、さらに今回のレシピは全部調味料と具材をボウルで「あえる」サラダです。塩分が入っているため、野菜からどんどん水が出てしまい、食感も失われます。このサラダレシピに関しては、作りたてをすぐに食べるのがいちばんですね。もし僕のレシピをお弁当に持っていきたい……ということであれば、前回出版させていただいたスープのレシピを、スープジャーに入れて持っていくことをおすすめします。
Q.料理のコツを教えてください!
いくつかお伝えしますね。
(1)野菜はよく洗い、皮つきで使ったほうが栄養価が高い。
野菜は基本、皮つきのまま使ってください。にんじんやだいこん、ごぼうにさつまいも……基本的に僕は皮をむかずに使います。
知っている方も多いかもしれませんが、皮はいちばん栄養価が高く、抗酸化作用が含まれています。なぜかというと、外敵が来たら人間や動物は走って逃げられますが、植物はその環境から逃げられません。植物がどうやって外敵や、激しい太陽や、根菜なら土の中の雑菌から身を守るかというと、「皮」なんですよ。だから皮に抗酸化作用が最も含まれているんです。特に国産の野菜や果物は、しっかり洗えば取れるくらいの農薬しか使えないと決まっているので、水で洗えば気にすることはありません(海外のものは国産品より気を配ったほうがいいかもしれません)。
皮つきのままのほうが、ゴミも出ないし、栄養価も高い。何より皮をむくのって地味に面倒じゃないですか、皮つきのほうがラクです(笑)。一石何鳥にもなります。
(2)温野菜にするならレンジで、最小限の時間で。
基本的にサラダレシピは生野菜をおすすめしていますが、温野菜を食べたい、というときは、ゆでるよりも電子レンジであたためてもらったほうが栄養が逃げにくいので、レンジ調理をおすすめします。たとえばほうれん草やブロッコリーのビタミンCは、先ほどお伝えした通り熱にも弱いんですが、水溶性なので水に溶け出しやすくもある。つまり、普通にゆでると熱と水のWパンチでビタミンCがぐっと減ってしまいます。熱に弱い野菜は「熱が入ったかな」くらいの、食感が残るくらいの最小限の時間レンジにかけることをおすすめします。ブロッコリーなら30秒~1分くらい。栄養も逃げないし時短にもなるし、「レンジ調理」はあなどれません。
(3)油分は避けがちだけど、むしろ栄養の吸収を高めてくれる
特にダイエット中は「油分」をすべて避けてしまいがちですが、油と一緒に摂ることでより吸収率が上がるものもあるので、むしろ良質なオイルをほどよく摂ることは重要です。賢く使っていきましょう。
たとえばトマトのリコピンは油分と一緒に摂ると吸収率が上がります。トマトをサラダにするならエクストラバージンオリーブオイルをドレッシングの材料にするなど、油分と一緒に摂ることを意識しましょう。他にも疲労回復に効果があるビタミンB1を多く含む豚肉も、油と一緒に摂ることでビタミンの吸収率が上がります。冷しゃぶをノンオイルドレッシングでいただくよりは、ごま油などを足したほうがいいですね。
Q.Atsushiさんの「食」に関する考えを教えてください。
何を食べるかで、1年後の肌や体、健康状態はまったく変わってくると言っても過言ではありません。
もしこれを読んでいる方が20代だとしましょう。僕自身が40代になって感じるのは、20代って、何もしなくてもキレイなんです。食べるものが適当でも特に変わらない。
でもそれを続けていると、30歳になった頃くらいから、それまで努力を積み重ねてきた人とはまったく変わってくるんです。やっぱり、老けたな、と思ってしまうと、テンションも落ちます。
年を重ねてもいつまでも若々しくキレイでいたいのであれば、スキンケアやコスメももちろんですが、何よりも「食べるもの」に気を配ることが重要です。しっかりと毎日、野菜、フルーツ、たんぱく質を食べることを積み重ねていけば、1年後2年後3年後、どんどん変わっていきます。細胞レベルで老けないですから(笑)。
そしてもし、今日食べるもののレシピに悩んだら、是非このレシピ本を使ってください(笑)。本当にこのレシピ通り作れば美味しくできますし、全部10分くらいあれば完成します。面倒な手順もなく、だいたい野菜を切って、お魚やお肉をレンジでチンしたりさっと炒めたりして、調味料とあえるだけ。ツナ缶やしらすを使うものならさらに工程は減ります。
仕事から帰ってきて疲れていてもさっと作れて、栄養があって体に良くて、カロリーも高くない。そんなレシピが詰まっています。多くの方の強い味方になると思いますので、是非手に取っていただけたら本当に嬉しいです。
さらにお話を聞いていると「食べるものは特別なものじゃなくていいんです。コンビニで売っているものでも、身近にあるものでいちばんいいものを毎日食べることが重要です」と語るAtsushiさん。
次回、すぐマネしたくなるAtsushiさんの美容&健康を保つ食事法や、コンビニでも買える冷蔵庫のマスト食材チームなどをご紹介します。お楽しみに!
『#モデルがこっそり食べている 3日で2kgやせるごちそうサラダ』
Atsushi/著
1300円+税 宝島社
Atsushi
Fashion&Life style producer
ディーゼル、D&G、ヴェルサーチのPRを経て、フリーランスとして独立。
野菜ソムリエプロ、漢方養生指導士初級の資格を習得。
現在もPRコンサルタントとしてさまざまなブランドに携わり、ファッション&ライフスタイルプロデューサーとしても数多くのプロデュースアイテムを発表し、TV、ラジオ、イベント、雑誌などでも活躍中。ナチュラルスキンケアブランド「abotanical」をプロデュース。
2013年8月初の著書「人生の9割は自信があればうまくいく」(KADOKAWA)、2017年12月「#モデルがこっそり飲んでいる3日で2㎏やせる魔法のスープ」、2018年6月「#モデルがこっそり食べている3日で2㎏やせるごちそうサラダ」(共に宝島社)を出版。
Instagram @atsushi_416
ブログ https://ameblo.jp/official-atsushi/
構成/後藤香織