フラワーアレンジメント講師やヨガインストラクター、アロマセラピスト……。一生使える専門スキルを身につけたり、昔から好きなことを仕事にする、というのは一度は憧れますよね。けれど、夢から現実になると、それが楽ではない道なのも確か。「手に職」派の転職のリアル、ご紹介します。
「キャリアアップしたい」編はコチラ→ 30歳からの「転職」を成功させる方法~「キャリアアップしたい!」編
「時間・精神のゆとりが欲しい」編はコチラ→ 30歳からの「転職」を成功させる方法~「時間・精神にゆとりが欲しい…」編
【1】向いていなかった場合、つぶしがきかなくなる可能性あり。
資格として人気な医療事務でさえ、一般企業の事務と比べても求人は少なく、給与など待遇も決して高くはありません。「長く働きたい」という希望を持って「手に職」ルートを選ぶ人は多いですが、「思っていたのと違う!」という事態になった場合つぶしがきかなくなってしまうことも。「資格を生かして働きたい」場合、経理系のものなど、どんな企業にもある汎用性の高い職種に目を向けてみるのも一案です。
【2】何も決まっていない状態で、今の会社を辞めるのはNG。
資格職の場合、資格はたいてい年に1回しか試験がないので、万が一落ちてしまうと1年間無職状態に。しかも、向き不向きがあるので、やる前は自分にぴったりと思っていたけれど、やってみたら合っていなかった……という事例もたくさんあります。もし向いていなかったときでも、仕事をしていればあきらめもつきますが、辞めてしまっていると向いていないのにしがみついてしまう危険性があるので要注意です。
【3】今の収入よりダウンは覚悟。
「手に職」も「趣味を仕事に」も、ほとんどの場合、今までのキャリアと決別したゼロからのスタートになるので、雇用条件は不安定になり、今のお給料からは下がる場合がほとんど。ある程度貯金をして備えましょう。経済的なリスクがとても高いので、定期収入を確保した上で始めるのがベスト。例えばエステサロンを開業したいなら、平日は会社勤め、土日だけ完全予約制でサロンワークをやり、固定客をキープできるようになったら本格的に1本化する、など。ネットの普及で個人でも宣伝がしやすくなっているので、まずは週末から始めてみるのも手です。
【4】「夢の職業」の現実はしっかり調べ抜くべし。
実際にやっている人が周りに少ないと、なかなか情報収集が難しいということもありますが、できるだけ知り合いをつくって実態を聞くのがおすすめ。例えば人気のフラワーアレンジメントの資格でも、「朝すごく早いし、とにかく手荒れがひどい」などの理由で会社勤めに戻るという人もいます。好きなだけでは続けていけないので、実態を聞いた上でそれでも挑戦したいと思えるか、自分の意志を再確認しましょう。
夢を抱いている分、厳しい現実に直面すると「こんなはずじゃなかった!」となりがちなのが手に職ルート。「好きだからなんとなくやりたい」だけではなく、様々な角度から、自分の現実としてそのルートを歩んでいけるかを検討するのが必須です。
ここまで3回にわたり、Over30歳の女性の転職のリアルをお伝えしてきました。「キャリアアップしたい」「時間・精神にゆとりが欲しい」「手に職・趣味を仕事にしたい」の3パターンすべてに共通しているのは、「勢いにまかせず、きちんと転職後のことを考え抜くこと」。本当にその未来を選んで幸せになれるのかしっかり考えて、よい転職をしましょう!(後藤香織)
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