賢者に聞く、現代のモテ論
なんで稼いでいる女性がモテるようになったの? 「市場調査」「ライフプラン」の専門家が、様々な角度から今のモテを分析しました!
教えてくれたのは…
工藤彩乃さん(マッチ・グループ リサーチディレクター )
マッチングアプリ「ペアーズ」親会社のマ ッチ・グループに所属し、世界16か国を対象に恋愛・結婚やマッチングアプリなどに関する消費者調査・市場調査を推進。
価値観の一致が、より求められる時代!
だからこそ自立と自律を大切に
コロナ禍を経てマッチングアプリの利用が一般化し、最近増えているのが「NGなし検索」。 以前はお相手を探すときに自分の理想をすべて入力して検索する傾向がありましたが、今は譲れない最低限の項目だけを設定してはじく形が増えています。
その上で、価値観が一致する方を見極めている傾向が。長い人生を共に過ごすにあたって、「テンションがあがる相手」よりも「お互いに息切れせず〝じんわり〟いられる相手」を求めているように感じます。
また様々なデータを見る限り、不景気が続く中、自身のキャリアを築き、経済的に自立していることをパートナーに求める男性は増えています。ただし重要なのは、互いに歩み寄り、人生の苦楽を共にしながら支え合える関係を求めている点。そのため、経済的な自立だけでなく、精神的・ 生活時間的な自立・自律も重視されています。
また、共に過ごす時間以上に、自分自身の時間(趣味や好きなこと、自己投資など)も大事にしたいと考える男性が増加。どちらの時間もバランスを取れる相手や、必要なら話し合い、話し合わなくても価値観がピッタリ一致する相手を求める傾向もあります。
価値観が合うという点では、働くもの同士だからこそわかり合えるということもあるはず。マッチングアプリでは、相手の価値観を多角的に見極めることが可能です。20代の働く女性のみなさんには、表面的なスペックのみにとらわれず、自立・自律に向けてその人が築いてきた価値観の一致を大切にしながら素敵な相手を探してほしいです。
教えてくれたのは…
飯村久美さん(ファイナンシャルプランナー)
起業20年以上の凄腕ファイナンシャルプランナー。女性のライフプランにも詳しく、メディアでも大活躍中。著書『貯蓄1000万円の壁』(KADOKAWA)が好評発売中。
ライフイベントを共に乗り越えられる女性は、男性にとってミューズ
結婚したら家を買い、子供を育てて老後に貯える。ひと昔前に当たり前にみんなが信じられた未来が描きにくくなった今の時代。例えば現在、子供1人の教育費は800万以上かかるといわれ、私立などを志望した場合はその倍以上かかる…といわれています。それに生活費もかかるのですから、夫婦にかかる金銭負担は相当なもの。
また、近年の共働き夫婦は7割以上。先が見えない時代だからこそ、夫婦が共に働き支え合っていくのが当たり前となってきました。こういった流れの中で、男性が求めるのは、より対等で、より支え合え、一緒にいることでリスクヘッジになる相手なはず。意欲的に働き、きちんと自立している女性がモテるようになるのは当たり前かもしれませんね。
20代の働く女性のみなさんに覚えていてほしいのは〝お金〟を稼ぐことは、様々な選択肢を増やすということ。キャリアや住まいを変えるときにも貯蓄は必要ですし、パートナーにどんな人を選ぶかの選択肢だって広がります。
もちろん、結婚後もそう。万が一上手くいかずパートナー関係を解消したい…となったときも、自分の力で稼いでいれば離婚の道を選択できます。お金を稼ぎ、社会とつながることは可能性を増やすこと。結婚するしないにかかわら ず、自立して輝く女性は多くの人から愛されるはずです。
イラスト/ARAKI 構成/衛藤理絵