新卒で入社した職場で働き出して数年。仕事に慣れてきたこのタイミングで「本当にここが自分に合った環境なのかな?」「このままこの仕事を続けていくべきなのかな?」とキャリアへの不安を感じることもありますよね。第二新卒での転職はそんなモヤモヤを解消し、新しい可能性を広げるチャンスでもあるんです。
ということで今回は、株式会社エミリスが第二新卒で転職した経験がある男女158人を対象におこなったアンケートをもとに「第二新卒で転職したきっかけ」「第二新卒での転職のメリット」についてご紹介!
第二新卒で転職した理由ランキング
1位:仕事が合わない
「入社当初は専門的なスキルを活かした業務ができると思っていたが、実際にはルーチンワークが多く、成長を感じられない日々が続いたため」(30代 男性)
「選んだ業種が自分の期待と異なると感じたため」(20代 女性)
「想像していた仕事よりも雑務作業が多かったから」(20代 女性)
「新卒で入った会社が自分のやりたい分野の業種ではなかったので、希望外の勤務地に配属されたのをきっかけに退社した」(20代 男性)
「仕事内容が自分に向いていなかったから」(30代 男性)
第二新卒の転職理由で最も多かったのが「仕事が合わなかったから」。そして寄せられたコメントを見ると、大きく3つのパターンに分けられました。
①「思っていたような仕事ではなかった」など、入社前に想像していた仕事内容と実際の仕事内容が異なった
②「希望していない部署に配属された」「雑用ばかりさせられる」など、やりたいと思っていた仕事に携われなかった
③希望していた仕事に就いたものの、実際に働いてみると自分には向いていないことがわかった
このように、理想と現実のギャップを感じたことが転職のきっかけになることが多いようです。仕事内容や自分の強みとのマッチ度は実際に働いてみてから見えてくる部分もありますもんね。
2位:過重労働や休日出勤
「思っていたよりも残業や休日出勤が多く辛かったから」(20代 女性)
「勤務時間や労働内容が過酷で体調を崩してしまい、心身ともに疲弊してしまったから」(20代 男性)
「激務で未来が見えなかったため。体力的に厳しいと思った」(20代 女性)
「激務すぎる」「残業が多い」「休みの日にも頻繁に仕事が入る」など、労働時間が長いことがきっかけで転職に踏み切った人も。なかには「サービス残業ばかりだった」「体調を崩してしまった」など辛抱して続けるべきではないケースもみられました。心身の健康は何物にも変えられないので、元気に働ける環境へ移ろうとするのは真っ当な選択でしょう。
3位:収入への不満
「思っていたよりも給与が良くなかったから」(20代 女性)
「給与が低く生活が成り立たなかったから」(30代 女性)
「ボーナスについて入社前に聞いていた内容と違う部分があり、結果的に想定年収が大幅に下がってしまったため」(20代 女性)
「思っていたよりも給与が少なかった」と、収入への不満が転職のきっかけになった人も。新卒入社だと初任給やボーナスが低く設定されることが一般的ですが、「入社時に聞いていた給料よりも少ない」となると話は別。支出を減らしても生活がままならない場合は、収入を増やす必要がありますよね。また、業界や企業によって給与には大きな差があり「友人や知人と比べて自分の給料は少ない」と不満を募らせるケースも少なくありません。
4位:職場の人間関係
「人間関係が悪く、考えるだけで精神的に辛かったから」(20代 女性)
「上司との相性が悪かったから」(20代 女性)
「パワハラがすごく、事務所内に怒号が飛び交っていたりしていたので、精神衛生上良くないと思った」(20代 女性)
会社にはいろんな考えを持った人がいるわけで、気の合う人ばかりに囲まれて働けるとは限らないもの。とはいえ人間関係があまりにも悪いと、仕事への意欲が低下したり、会社にいる時間が苦痛になったりすることもあります。そして実際に、「職場の人間関係」が転職のきっかけになったと答えた人の4割以上が、パワハラなどのハラスメントを受けた経験があるようです…。単なる相性の問題だけでなく深刻な要因が潜んでいることがわかりますね。
5位:スキルアップしたい
「営業として慣れてきたタイミングで、さらに難しい業界や媒体の営業に挑戦したいと感じ行動した」(20代 男性)
「新しい環境で挑戦し、自分のスキルを活かしたいと思った」(20代 男性)
「業務を通じて得られる成長や経験が思っていたよりも限定的で、自分がもっと成長できる環境を求めるようになった」(20代 女性)
「もっと成長したい」「より難易度の高い仕事に挑戦したい」など、さらなるスキルの習得や自己成長の機会を求めて転職を決意した人も。とくに「今の環境や仕事内容ではスキルアップが難しいために転職を決意した」という声が目立ちました。第二新卒の段階でスキルアップのために行動できるのは、素晴らしいことですね!
第二新卒で転職したほうがいいと思う人、8割超え!
第二新卒での転職を「したほうがいい」との回答は86.7%。多くの人が実際にメリットを感じているようです。では、その理由とは……?
第二新卒で転職したほうがいい理由ランキング
1位:第二新卒は需要が高い
「社会人としてのマナーはある程度ありつつ、若くて伸び代がある第二新卒は需要があり、希望の企業に転職しやすいと感じるから」(30代 女性)
「年齢を武器として使える転職時期が、第二新卒だから」(20代 男性)
「若いというのが何より武器になって、ポテンシャル採用で結構大手とかも狙えるので」(20代 男性)
最も多かったのがこちら。転職経験者が実感しているとおり第二新卒を歓迎する企業は多く、次の3つの理由が挙げられます。
①基本的なビジネスマナーが身についており、教育コストがかかりにくい
②若いため、将来の成長を期待できる「ポテンシャル採用」が可能
③社会人経験が浅く前職の慣習に染まっていないため、新しい環境や仕事に柔軟に対応できる
社会人としてのマナーが備わっていながら、職務経験が長いわけでもないので柔軟性やポテンシャルが高いことがメリット。また最近では、企業が新卒の必要採用数を確保できなかったり、早期退職する新卒者が多いことから、第二新卒の採用を積極的に行っているケースも少なくありません。
2位:合わない職場に居続ける必要はない
「我慢して仕事を続けるよりも思い切って環境を変えたほうが良いと思うから」(30代 男性)
「人生は1度きり、不満を抱いたままで会社にとどまるのは損をしている」(40代 男性)
「嫌なことをずっと耐えて日々生活するのであれば、すぐに見切りをつけて自分の輝ける場を新たに探したほうがよい」(50代以上 男性)
今は転職がデメリットになりにくい時代。働き方やキャリアプランが多様化し、自分に合った働きどころを見つけるために転職を重ねる人もいますよね。実際に「つらい状況や納得いかない状況に耐えて、新卒で入った会社にしがみつく必要はない」というようなコメントが多く寄せられました。
3位:早めに転職するほうがメリットが多い
「違うなと思ったら行動は早いほうがよい。ダラダラと残ると辞めにくくなってしまうから」(30代 女性)
「自分に合わないと感じたり、続けていく自信が無くなったら早めに決断して次に進んだほうがいい」(30代 男性)
「新しいことを始めたいなら早い方がいいので」(30代 女性)
ダメだと思ったら、覚悟を持ってすぐ別の道に進んだほうがいいと考える人も。社会人生活が長くなるほど即戦力としての経験やスキルを問われることも多くなります。でも、第二新卒の時期であれば意欲や将来性を評価される「ポテンシャル採用」があるので、未経験の分野にもチャレンジしやすいでしょう。すばやい決断と行動力は新しい人生を切り開くもの!
4位:ストレスを減らせる
「結果的にいい会社に就職できれば精神的ストレスがなくなる」(20代 女性)
「仕事内容や人間関係などが明らかに自分と合わないなと思ったらそのまま働き続けるのはストレスになるだけで自分のためにはならないと思うから。それなら若いうちに早めに見切りを付けて自分に合う会社を見つける方がいいと思う」(20代 男性)
「向いてないものを頑張って続けて精神を病んでしまう方も多いのではないかと思う。そうなるとこれからの人生、生きづらくなってしまいます。長く続けることばかりが大切ではなく、身体を壊さずに無理なくやっていけることが重要だと思う」(30代 女性)
自分の健康は何よりも優先すべきこと。心身を壊してまで新卒の就職先に居続ける必要はないと考える人も増えています。自分に向いていない仕事を続けたり、人間関係の悪い職場にいることはつらいもの。「適性にあった仕事」や「良好な人間関係を築ける職場」に転職することで、ストレスを十分に減らすことができますよね。
5位:キャリアの再構築がしやすい
「早期に軌道修正することでその後のキャリアの満足度を高めることができるから」(20代 女性)
「早いうちに転職してデメリットはほとんどない。これからは自分でキャリアを作っていく時代だから、納得いく職が見つかるまで転職していいと思う」(20代 女性)
「まだ若いのでもし他に行って違うなと思った時に修正しやすいから」(40代 女性)
第二新卒の時期は、キャリアの方向転換をするには比較的いいタイミング。特定の職種や業種・仕事内容などにこだわりをもっていないケースも多く、新しい道を選びやすい傾向にあります。もし「この業界は自分に合っていない」「このままだと将来が不安」「心機一転頑張りたい」といった思いがあるなら、キャリアプランの見直しが人生の大きな転機になる可能性だってありますよ。
5位(同率):経験を積み視野を広げられる
「何に向いているかを知るには様々な経験が必要だと思う」(30代 女性)
「失敗できるうちに色々な業種を試しておいた方が、その後、自分にとって良い選択を選び取りやすくなるため」(20代 女性)
「一つの場所にとどまる必要はないと思うから。経験は多い方がいい」(30代 女性)
自分にどんな仕事が向いているかを知るには、いろいろな経験をして視野を広げてみるのも策。新卒からの会社に自分が適応していくのか、それとも自分が適応できる会社を見つけに行くのか…働き方への価値観は二極化しそうです。ひとつの会社で働くと職人が育ち、いろんな会社で働くと経験が育つ。失敗が大きな痛手にならない若いうちにチャレンジすることが、今後のキャリア選択に役立つことだってありますもんね!
現職に不満がある第二新卒の方は、自分に合った環境を見つけるために転職を検討するのもありでしょう。経験者のリアルな声を参考のひとつにしてみてくださいね。(Mai)