【秋バテ診断】なんかだるい…それ「秋バテ」かも?秋を元気に過ごす3つのポイント

なんかだるい…それ、秋バテかも?10のチェックリスト&予防法を医師が解説!

今年は10月まで残暑が続きましたが、ようやく秋の涼しさを感じるようになりましたね。朝晩の冷え込みも増し、気温の変化が大きいこの時期。「なんか身体がだるい」「疲れが取れない」といった身体の不調を感じていませんか? もしかするとその症状、「秋バテ」かもしれません。

そこで今回は、医師の石原新菜先生の協力のもと、今の時期に注意したい「秋バテ」のチェックリストと予防法をご紹介します。

教えていただいたのは…

医師・イシハラクリニック副院長
石原 新菜先生

2006年3月卒業後、大学病院で2年間の研修医を経て、現在は父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。著書は 13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない蒸し生姜健康法』をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』、『研修医ニーナの731日』等30冊を数え、韓国、香港、台湾、ベトナムでも翻訳され出版されている。テレビ東京「主治医が見つかる診療所」レギュラー出演中。

そもそも秋バテの原因って何?

夏から秋への季節の変わり目に生じる身体のさまざまな不調は、一般的に「秋バテ」と言われています。この「秋バテ」の主な原因として、石原先生は次のように説明します。

「秋バテの原因は、寒暖差による自律神経の乱れと、寒暖差による冷え、そして夏の冷えをひきずっていることです。夏の冷えの原因は、冷房や冷たい飲食で内臓が冷えているために起こる内臓冷え。内臓が冷えることで、胃もたれや食欲不振、胃痛、便秘・下痢などの胃腸の不調、むくみやすさ、生理痛・生理不順などの原因になります。

つまり、過酷な夏を乗り越えたことで身体に「冷え」や「疲れ」が蓄積し、秋バテになりやすくなるようです。

4つ以上当てはまったら要注意!秋バテチェックリスト

疲れやだるさが続いている人は「もしかして秋バテかも…?」と、気になっているはず。そこで、以下の「秋バテチェックリスト」から、自身に秋バテの可能性がないか診断してみましょう。

  1. 冷たい飲み物が好き
  2. 食欲がない
  3. 入浴はシャワーだけの場合が多い
  4. 胃腸が弱い
  5. 疲れやすい
  6. 麺類などの炭水化物やファストフードを食べることが多い
  7. 暑い日は冷房が効いている部屋でよく過ごす
  8. トロピカルフルーツが好き
  9. 暑さ、寒さの弱い
  10. 朝スッキリ起きれないことが多い

いくつ当てはまりましたか? 項目のうち4つ以上チェックがついた人は、秋バテの可能性アリ。

 

それぞれの項目について、石原先生に解説と予防法を教えていただきました。

1.冷たい飲み物が好き

冷たい飲み物の摂り過ぎはNG。冷たい物をたくさん飲んで身体が冷えてしまうと、“だるさ”などの不調が起きやすくなります。特に女性は、男性に比べて熱をつくってくれる筋肉が少ないため、冷え性になりやすいので要注意。

冷えによる秋バテを防ぐためには、身体を温める効果のある食べ物・飲み物を摂ることが大切です。

2.食欲がない

涼しくなりはじめた時期から“食欲が低下する”ことは、秋バテによく見られる症状。秋バテ予防にピッタリな旬の食材で栄養を摂り、胃腸を整えましょう。

3.入浴はシャワーだけの場合が多い

忙しかったり面倒だったりして、毎日シャワーだけで済ませる人も多いですよね。しかし、シャワーだけではなかなか身体の芯まで温まらず、“疲れ”などの不調が出やすくなってしまいます。

就寝前の入浴はシャワーだけで済ませず、40℃程度の湯船に浸かるようにしましょう。お湯に浸かることで副交感神経が優位になり、しっかりと身体を休める準備ができます。

4.胃腸が弱い

もともと胃腸が弱い人は、気温が高くなる梅雨ごろから身体がだるくなり、秋にかけてしばらく不調が続いてしまうことも。

まずは睡眠や食事をしっかりとって、疲れを溜めないよう心がけてみてください。

5.疲れやすい

ようやく涼しくなってきたのにもかかわらず、“疲れやすい”などの身体の不調が続くのは、秋バテの特徴。秋は朝昼夜の寒暖差が大きい上、長期的な雨によって低気圧の日が多いので、気候の影響から自律神経が乱れてしまうこともあります。

日々の基本的な生活習慣を整えながら、一日の中でリラックスできる時間を取り入れて、自律神経のバランスを保ちましょう。

6.麺類などの炭水化物やファストフードを食べることが多い

夏の暑い時期に、そうめんや冷麦などの偏った食生活を送っていませんでしたか? 日頃から炭水化物の摂取量が多い人は、栄養不足が原因で秋バテに陥ることも少なくありません。

不足しやすいたんぱく質やビタミン、ミネラルを意識的に摂り、また冷たい飲み物は控え、常温か温かい飲み物を摂るようにしましょう。

7.暑い日は冷房が効いている部屋でよく過ごす

今年の夏も猛暑が続き、冷房の効いた室内で長時間過ごした人も多いのではないでしょうか。冷房による「身体の冷え」や「外気温との温度差」は、疲れやだるさが起こる要因となります。

オフィスや電車内など空調温度が決められている場合は、カーディガンや上着で温度差を調節することが大切です。

8.トロピカルフルーツが好き

暑い地域で収穫されるパイナップルやマンゴーなどのトロピカルフルーツは、身体を冷やす作用があるので注意。逆に、寒い地域で収穫される果物は、身体を温める作用があります。

果物を食べたいのであれば、りんご・ぶどう・さくらんぼ・オレンジなど、身体を温めやすい果物を摂るほうがいいでしょう。

9.暑さ、寒さに弱い

暑さや寒さに弱い人は、冷房や暖房をつける機会が多いため、体温を調節する自律神経の働きが乱れやすい傾向があります。そして、自律神経の乱れによって、疲れやだるさといった症状が出やすくなります。

ビタミンやたんぱく質などの栄養を摂り、日ごろから運動をして汗をかくなど、健康を意識した身体づくりが大切。

10.朝スッキリ起きれないことが多い

“朝スッキリ起きれない”“寝不足だと感じる”というのも、秋バテの症状のひとつ。特に秋は、日中に比べて夜の気温がぐんと下がるので、身体が冷えて体調を崩しやすくなります。

就寝時には長袖のパジャマを着る、掛け布団を用意するなど、身体を冷やさないよう心がけましょう。

コレ大事!秋バテ予防の「3つのポイント」

最後に、石原先生が「効果的な秋バテ予防法」として挙げる3つのポイントを教えてくれました。チェックリストで秋バテの可能性が高かった方も、そうでない方も、これから心地よく秋を過ごすために以下のことを生活に取り入れてみて。

①適度な運動をする

人間の体温の約40%は「筋肉」からつくられるため、継続的に運動をすることで平熱が上がります。体温が上がると全身の血行がよくなり、冷え性の改善、冷えからくる身体の不調(疲れ、だるさ、肩こり、むくみなど)の改善につながります。

また、運動をすることでストレス発散にもなり、自律神経が整うといった嬉しい効果も。自律神経のバランスが保たれることで、気分の落ち込みや不眠などの症状も和らぎます。運動によって心地よく身体が疲れると、夜もよく眠れるようになります。

【適度な運動の例】

・ウォーキングなどの有酸素運動30分
・スクワット30回

②「40℃のお湯に10分」湯船に浸かる

シャワーだけで済ませる人も少なくないですが、秋バテ予防には湯船に浸かることが重要。湯船に浸かって身体の芯から温まると、全身の血行がよくなり、冷え性や冷えからくる症状の改善につながります。

また、ゆっくりと湯船に浸かると筋肉がほぐれて疲れが取れるので、自律神経が整い、夜もぐっすり眠れるでしょう。内臓の働きもよくなるため、胃腸の不調やむくみ改善の効果も◎。

【秋バテに効果的な入浴方法】

・40℃のお湯に10分浸かる
・ぷつぷつと汗がでてきたら、十分に温まった証拠!
・お風呂に入る前にスクワットを30回ほどしておくと、より早く身体が温まるのでオススメ

③身体を温める食材を摂る

薬味やスパイスは、胃腸の働きをよくして消化吸収を助けるほか、全身の血行がよくなることで身体がぽかぽかと温まる優れもの。「うどんにしょうがやネギをたっぷり乗せ、お好みで七味唐辛子を振りかける」など、普段の食事も薬味やスパイスを使えば、簡単に身体を温めるメニューに早変わり。身体を冷やすとされるコーヒーも、「シナモンパウダーを振りかける」だけで、身体を冷やす作用を緩和できます。

【身体を温めるオススメ食材】

・薬味、スパイス(例:しょうが、ネギ、七味唐辛子、胡椒、シナモン)
・冬が旬の食材、寒い地域で採れる食材(例:にんじん、玉ねぎ、ゴボウ、山芋などの根菜、りんご)

◆石原先生のコメント

「適度な運動、毎日必ず湯船につかる、温かいものを食べたり飲んだりすることを意識していけば、不調も改善されていきます。また、これらを行うことで自律神経が整えば、質のよい睡眠へとつながり、気分の落ち込みなども軽減していきます」


夏の冷えを引きずり、自律神経が乱れることで起こりやすいとされる「秋バテ」。これを予防するには、適度な運動や湯船に浸かる、温かい食事をとるなど「身体を温める」ことがカギ。この3つのポイントを意識して、体調を整えながら秋を楽しみましょう♡

情報提供元/リンナイ株式会社 写真/(c)Shutterstock.com 構成/Mai