作家・よしもとばなな初の新聞連載小説として2003年11月から2004年5月まで読売新聞にて連載されていた『海のふた』が映画化。自身が毎年夏に家族で訪れていた西伊豆を舞台に、かき氷の店を営むために帰郷した“まり”と、大切な人をなくした“はじめちゃん”の心の交流を描いた、ひと夏の物語。
主人公“まり”を演じる菊池亜希子さん、“はじめちゃん”を演じる三根梓さんにインタビューを行いました! 前編では、撮影の裏話などをお話ししてくださいました。今回は、その後編をお届けします!
★前編はコチラ→ 意外!菊池亜希子も三根梓も「実は●●が苦手」【インタビュー前編】
Woman Insight編集部(以下、WI) おふたりが演じられた “まり”と“はじめちゃん” についてお聞きしたいんですが、このふたりって友達でもないし、姉妹でもない……でもどこか繋がっていると思わせるとても不思議な関係だな、と思ったのですが “まり”と“はじめちゃん”について、おふたりはどう思いますか?
菊池亜希子さん(以下、菊池) 原作を読むと、(ふたりの関係性が)もっと浮き彫りになっていて、なんだかちょっと恋愛感情を思い起こさせるような描写とかもあったりして……。この作品のふたりって、年齢的には20歳過ぎてるけど、子供でいられるギリギリ最後の守られるべき年齢。最後の思春期の女性ふたりという感じがします。そういう時に出会ったふたりだから、ありえるかなって思いました。女の子同士だと(実際に)あるんですよ! 特別仲が良かったわけでも長い付き合いがあったわけでもないのに、ある期間にすごく深く仲良くなって多くを語らなくてもわかり合える関係が。はじめちゃんの「彼女の考えていることは簡単に理解できる」っていうセリフみたいに 。それって男友達には絶対できないし、恋愛感情が混ざっていてもそれは違って、変な意味ではない特別な同性の関係というか……。だから私は、まりとはじめちゃんみたいな関係性ってすごくわかるなと思います。
WI 三根さんはいかがですか?
三根梓さん(以下、三根) 私も演じていて言葉では言い表せないような特別な関係だなって思うことがすごく多くて。まりちゃんとはじめちゃんって一見、体育会系のまりちゃんと、すごく繊細そうなはじめちゃんで、正反対みたいに見えるんですけど……。でも、お互いを勘ぐったりせずに、ありのままを見て接するという部分は共通していると思っていて。そういうふたりだったからこそ心の深いところで繋がり合えたんだな、と思っています。そういうすごく不思議で特別な関係だなって。その距離感が私はとっても心地よかったです。