ひと工夫で変わる!コミュニケーションで好印象を与えるための心理テクニック

コミュニケーションで好印象を与えるための心理テクニック

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人との会話は、その人自身の印象を大きく決定づけるアクション。そこでどのようなイメージを持たれるかによっては、その後の関係性が大きく変わる場合も少なくありません。一体どうすれば、相手に好感触ある話し方ができるのでしょうか。そこで今回は、「コミュニケーションで好印象を与えるための心理テクニック」をご紹介いたします。

■短所の前に長所から話すようにする

心理学者ソロモン・アッシュの実験によると、人の注意と集中力は必ずしも均質でなく、同じ事柄の性質であっても、長所から伝えた場合と短所から伝えた場合では、そのものに対して抱く印象が異なると結論づけられました。人は最初に入ってきた印象を正しいものとして認識し、その後に矛盾する情報が入ってきたとしても、都合の悪い情報は排除してしまうのです。そのため、まずはどうであっても“長所から話す”ようにしましょう。その後に悪い点を話すといった会話の流れにして、ネガティブな部分を包み込みましょう。それだけで印象がいいものに変わるはず。

■語尾を同意しやすいフレーズに置き換える

相手と会話する中でポロッと不適切な発言をしてしまった場合、会話の流れに逆らうことなく自分の意見を伝えつつ、相手の意見を自分の意見に近づくように誘導すればカドが立ちません。なおかつその中で、相手に好感触を植えつけることができれば理想的ですよね。そんな離れ技を可能にするのが“同意心理”というテクニックです。やり方は簡単で、相手に肯定させたい意見の最後に「~ですよね?」とひと言加えるだけ。それだけで、相手に余計なことを考えさせる隙を与えることなく、好意を持たせることが可能に。

■相づちは「いいね」や「なるほど」といった受容的なものが◎

コミュニケーションで重要なのは、自分が話す内容ももちろんですが、意外と見落とされがちなのは、相手のメッセージに対する反応です。ノースキャロライナ大学のチェスター博士は、話し手の心理としてどのような“相づち”が好意的に感じるかを調べました。すると、「うん」「ふーん」といった気のない返事よりも、「なるほど」「すごいですね!」「面白い!」といった変化に富んだ肯定的な相づちを返したほうが、好印象を持たれることがわかりました。そのため、会話のやりとりでは、相手からのメッセージに対する相づちを受容的なものにすることが大事なのです。

■断る際には婉曲(えんきょく)的な伝え方を

仕事においても恋愛でも、ときには相手から無理難題を言われることもありますよね。しかし、ただ感情的に言葉に出して断ってしまっては、相手に不快な感情を与えてしまいます。そうならないために適切な断り方を身につけましょう。必要なのは、謝罪に加えて代替案を提示することと理由を述べること。また、理由としては仕事や家族など、自分以外が原因である外的な理由を伝えると相手の納得も得やすいでしょう。このように婉曲的な姿勢をとりつつ、はっきりと自分の主張を伝えることを心理学では“主張的反応”と言います。これを心がけると、印象をいいものに変えていけるでしょう。

おわりに

心理学では無意識の行動に注目することがあります。例えば、言い間違いなどを心理学では“錯誤行為”と呼びますが、この錯誤行為には自分でも意識していない願望や衝動が表れているという研究結果があるのです。あなたの中のネガティブな本音が、大事なシーンで出てきたとすればかなり怖いですよね。こうした錯誤行為は、興奮しているときや慌てているとき、緊張している時のように、注意が他に向いている場合に起きがちです。そのため、ワンクッション置いてリラックスしてから話すように心がけましょう。それだけで、印象はいいものになるはずです。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出書房新社)。