女性の社会進出が進む時代。「30歳」は、なぜ節目といわれるのか?
3月8日は国際女性デー。国際女性デーとは、世界中の女性の権利を守り、女性の活躍を支援するために世界中で祝われている記念日を意味します。そんな記念日を前に、SHE株式会社は仕事と結婚、妊娠といった人生のターニングポイントで揺れるアラサー女性967人を対象に「30歳までに」という年齢の節目に関する意識調査を実施しました。実際に30歳が節目と感じるのか。年齢の節目と周囲の声は関係しているのか。気になる調査結果を見ていきましょう!
■「30歳」という年齢を節目として意識したことはありますか?
はじめに、967名のアラサー女性に「30歳」という節目を意識したことがあるか、そしてどのようなタイミングで意識するのかを調査。
その結果は、「30歳」という節目を意識したことがある人は92.5%となり、非常に多くの人が節目と感じていることがわかりました。また、「結婚は30歳までに」と考えている人が最も多く、「仕事・キャリア」「出産・妊娠」が僅差で続き、「美容・ファッション」と答えた方は23.3%でした。それぞれの回答理由について、様々な意見が寄せられました。
【結婚について】
・恋愛や結婚に関して「遅い」と考えてしまう。結婚願望がないのに世間体的に30の節目は怖いものがいくつもある。
・婚活イベントは29歳までの年齢制限があり、「20代の市場価値」を痛感します。
20代前半から結婚について考えていても、20代後半~30歳になったときに同期が結婚するとなると非常に不安になるという人が多いようです。また、実際に婚活イベントで年齢制限があることも、「30歳までに結婚」といった考えが根付くきっかけとなっているようです。
【妊娠・出産について】
・中高時代の学校で習ったほんのわずかなことしか婦人科系の知識がないことが不安。
・子どもがいない既婚者について、子どもがいる友人からなんで?みたいに見られる。30までにはと言われても。
・20代後半から30歳まで妊娠、流産、出産を繰り返したため、キャリアなどは後回しに。そのため、体力回復と社会復帰がとても大変だった。
キャリア形成において大きな影響を及ぼすのが、妊娠・出産。最近では育児休暇などの制度が改善されてきてはいますが、長期間職場を離れることによる不安感や妊娠・出産に関する知識不足、そして「子どもを産むなら早い方がいい」といった風潮に圧迫感を感じている人が多く見られました。
【キャリアについて】
・自分の望むキャリアで楽しく仕事できているか。
・仕事と結婚・出産のタイミングをうまく調節し両立することが難しい。どちらかを諦めないとできない気がする。
・キャリアを楽しんで築きたいのに、子どもは早い方が良いと聞き、焦り迷います。30歳までは、仕事を頑張ろうという、30歳という年齢を目処にしてしまってます。
仕事と育児の両立の難しさから、30歳までは育児(仕事)、30歳からは仕事(育児)と分けざるをえず、節目と捉えてしまうという声が数多く上げられました。
【美容・ファッションについて】
・30を境に、老化が一気に進むような気がしている(肌のハリ、シワ、シミ、たるみなど)
・30代にもなってピンクの服や小物を身につけて良いのか。
「20歳で成長が止まる」というのは学校の授業で耳にした人が多いと思いますが、似たような形で、「30歳から老化が始まる」そんなイメージが根強くついていることようです。
そのほかにも、「年齢やステータスがイコールでステレオタイプに結びつけられることに違和感を感じる」といった声などが挙げられました。
■キャリアアップについて
次に、「これからキャリアアップをしたいか、その際に不安に感じること」について質問。その結果がコチラ。
これからもキャリアアップしたい…90%
どちらとも言えない…8.2%
キャリアアップはしたくない…1.8%
90%と多くの人がキャリアアップを希望していることがわかりました。一方で、キャリアアップを続ける中でも「お金」と「家庭・育児・介護」については半数以上の女性が不安を感じており、新たな選択をするさいの資金とプライベートとの両立に悩む女性の姿が垣間見えました。
■パートナーについて
調査対象の女性の方に「パートナーに求める条件」について質問したところ、以下のような結果になりました。
パートナーに求める条件として90.4%が「価値観の合致」を選択しており、次いで「性格」が85.4%という結果となりました。容姿を求める条件に入れた方は約3割にとどまり、パートナーに求める条件として内面重視の傾向が高まっていることが分かりました。また、34.4%の女性がパートナーとのセックスレスを感じていることも分かりました。
■結婚について
結婚の節目とされる30歳を前にして、結婚したいと考えている人はどのくらいいるのでしょうか。また、何歳までに結婚したいと考えているのか、回答を見ていきましょう。
結婚したい…46%
すでに婚姻関係にある…30.4%
結婚はしてもしなくてもいい…20.7%
結婚したくない…2.9%
結婚については約半数が前向きに捉えており、結婚をしたくない女性はわずか2.9%にとどまりました。また、「何歳までに結婚したいか?」という質問については、他の年齢と比べて「30歳」という回答が最も多いことがわかりました。前述の結果の通り「30歳」=「結婚」と捉えている女性が多いようです。
■妊娠・出産について
妊娠・出産したい…57.2%
どちらでもない…21.1%
すでに子育てをしている…12.5%
妊娠・出産したくない…9.2%
妊娠・出産については、過半数以上の女性が望んでいるにも関わらず、仕事との両立に不安を感じる女性は72%以上にのぼることが分かりました。
日本において、働く男性の非正規雇用の割合は16.8%であるのに対して、働く女性のうち非正規雇用は48.5%と3倍近い割合となっており、女性が結婚や出産などのライフイベントを経て正社員としての復職が難しい社会の現状を反映している結果となりました。雇用形態が女性のライフスタイルを決断する大きな要因となっており、まだまだ制度の改善が求められているようです。
■周囲の声について
最後に、周囲の声が「30歳までに」という考え方にどの程度影響しているでしょうか。調査結果はコチラです。
周囲から「30歳までに××しなよ」といわれたことは?
ある…57.1%
ない…42.9%
周囲から30歳までに××しなよといわれたことがある人がおよそ60%に上り、約半数の人が「××しなよ」といわれた経験があることがわかりました。そのタイミングとしては「結婚」が最も多いという結果に。周囲の声に関するエピソードとして、「結婚を早くして欲しいと親から言われる」や「キャリアチェンジは30歳までに、といわれる」といった声が挙げられました。
SDGsでも明記されている多様性尊重の促進に伴って「30歳までに」といったステレオタイプが解消され、年齢の「あるべき論」にとらわれず、一人一人がありたい姿で生きられる世の中が少しでも早く訪れることが切望される結果になりました。結婚などのライフイベントはタイミングと言われますが、早いうちから考えておくことも大切。最後まで読んでくださった方に、この記事がキャリアプランを考えるきっかけにしてもらえたら嬉しいです♡(大嶋美穂)
情報提供元:SHE株式会社