世界的ブームを巻き起こした『アリス・イン・ワンダーランド』から6年。この夏、アリスの新たな物語が動き出します。
それは、『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』。アリスが“時間”と戦い、マッドハッターを救うために過去へと旅に出る……!
アリスの旅とともに本作の見どころとなっているのが、ワンダーランドの住人たちの“禁断の秘密”。アリスが時間をさかのぼり冒険をするなかで、さまざまな過去も明かされていくのですが、そこには想像もしていなかった事実が待ち受けています。
ワンダーランドを支配していたかつての暴君・赤の女王。今作では、妹である白の女王との幼いころに起こった“ある出来事”も、この物語の大きなカギを握っています。
そんな“白の女王”の日本語版声優を務めるのは、前作に続き、深田恭子さん。実は彼女も妹と二人姉妹。赤の女王と白の女王、二人の関係にもいろいろ思うことがある様子。
Woman Insight編集部(以下、WI) 本作は、新たに「タイム」という“時間を操る番人”が登場し、時間という概念をテーマにした内容になっています。深田さんは、ホリプロスカウトキャラバンを受けてから、今年で20年になりますが、芸能生活を振り返ると、どんな20年でしたか?
深田恭子さん(以下、深田) 20年は長かったですね(笑)。いっぱい一生懸命働いたなって感じです。もちろん、いろんな経験をさせていただいたなというのはありますけど、人生で言うと、芸能界に入ってからのほうが長いので、あっという間だったという感じはないかも。でも、前作から6年も経ったの?って、そこはあっという間だったなという感覚はありますね。
WI 『アリス・イン・ワンダーランド』に続き、今作でも、白の女王(ミラーナ)の声を担当されることになりましたが、演じるにあたって、心がけたことはありますか?
深田 前回、白の女王を担当させていただいたときは6年前なので、その間に、白の女王がどう変化したか、時が流れた経過をどう演じ分けたらいいかというのを吹き替え監督さんに確認したら、「ワンダーランドの住人は、時が経過せず止まっているので、白の女王も変わらずに」とおっしゃっていただいたんです。それでちょっとホッとした一面もありながら、自分が6年間、さまざまなお仕事で経験させていただいたものが少しでも生かせたらなって。それに、自分にとって声のお仕事は、ほぼ経験がないといってもいいほどなので、観ているみなさんが違和感を感じないように演じなくちゃという気持ちもありました。
WI 今作では、赤の女王と白の女王の小さいころのエピソードも登場し、赤の女王がなぜあのようなビジュアルや性格になったかということも描かれていますが、深田さんも二人姉妹なんですよね?
深田 はい、妹がいます。前作は、赤の女王と白の女王が姉妹という感じがあまりしなかったのですが、今作は重要なシーンも盛り込まれていますよね。姉妹の話は、個人的にすごく共感してしまいます。姉としては、姉の言い分があるんですけど、妹も妹として生きてきた人生があるわけじゃないですか。姉は比較的、「しっかりしなくちゃ、強くいなくちゃ」という気持ちがあって、我慢したり、抑圧して生きている部分は多いと思うんです。妹は無邪気に、何の気なしにしていたことが、姉にとっては気持ちを抑えていた部分だったりして。だから、赤の女王を見ていて「あ、わかるわかる!」って(笑)。前作では、ただただ怖い人という印象でしたが、それにはちゃんと理由があったんだというのがわかって、なんだかちょっと安心しました。
WI 深田さんが声を担当していたのは、妹である白の女王ですが、私生活では姉という立場で逆。白の女王を演じながら、心の中では、姉の目線で彼女を見ていた感じですか?
深田 そうですね……「ああ、妹はたしかにこういうところがあるな」って思ってました。正直に言ってしまうと、「ちょっとズルい」みたいな(笑)。基本は白の女王の目線で物語を観ていたのですが、ところどころ赤の女王に感情移入して見てしまうことも多かったです。
WI ちなみに、記憶に残っている姉妹のエピソードを教えてもらうことはできますか?
深田 妹が産まれるまでは、“私だけの”お父さんとお母さんだったのに、妹と“ふたりの”お父さんとお母さんになって、妹が産まれて嬉しい反面、いろんなことが変わり、子どもながらにうまく受け入れられなったときもありました。私と妹は6つも離れているので、たとえば妹が何かを壊したり、お片づけをしていないということもすべて連帯責任で、ふたり一緒に怒られちゃう。でも、6歳も離れていると「私じゃないのに」と、なかなか言えない。だから、劇中、幼いころの赤の女王が、「私じゃない」と言えなかったあのシーンには、心から共感を覚えましたね。
WI 赤の女王と白の女王の過去もそうですが、ワンダーランドの秘密がいくつか明らかになりますよね。深田さんが気になったシーンはありますか?
深田 私は、チェシャ猫って、ちょっと意地悪な笑い方をするキャラクターだなって思っていたんですけど、物語の佳境で、少し切ない笑い方をするシーンがあるんです。そこがすごく印象的でした。「チェシャ猫って、こんな笑い方もするの?」って。あと、最初のシーンで、卵のキャラクターがテーブルから落ちてしまうシーンは衝撃的でした。楽しく観ていたら、「ああ!」って思わず声が出てしまいそうになって(笑)、随所にそんな遊び心を感じる作品になっていると思います。前作に比べると、登場人物それぞれが人間味あふれるキャラクターに描かれているような気がします。ワンダーランドの住人は、不思議の国にいる、人間ではないキャラクターというイメージだったけど、それぞれが過去のいろいろな出来事を経ていまがあるというのがわかって、より親近感が生まれるんじゃないかなって。
WI アリスのどこか男勝りな生き方は、現代女性に通じるものが少なからずあると感じたのですが、深田さんから見て、アリスのような生き方には共感できますか?
深田 アリスほど、自分はまっとうに生きられていないかも……。正義感があって、まっすぐで。私、アリスよりはマッドハッターのほうに近いんじゃないかな(笑)。今作では、マッドハッターの弱さも出ていると思うのですが、私も、困難や窮地に面したら、マッドハッターのように誰かに頼ったり、つい逃げ出してしまうかもしれないです(笑)。
WI では、アリスはマッドハッターの“救世主”ですが、深田さんにとっての救世主は?
深田 ひとりではなく、そのときどきによって、私に言葉を与えてくれた人はたくさんいます。それは、ある作品に携わったときのあの人、という場合もありますが、ファンのみなさんの言葉がいちばんの助けになっています。自分を必要としてくれている人たちの言葉が励みになるし、お仕事を続けてきてよかったと思う瞬間です。そして、自分に新しい役割を与えてくださる仕事関係のみなさんやスタッフも、もちろん。だから、私にとっての救世主はひとつではないですね。
WI ワンダーランドの住人、特に、赤の女王が幼いころのある出来事がきっかけで、その後の人生を大きく左右してしまいますが、深田さんにも人生を変えてしまうようなターニングポイントはありましたか?
深田 たくさんありすぎて、大きなターニングポイントとして挙げるのが難しいんです。それに、私のターニングポイントは、周りのみなさんが作ってくださっている気がします。常にどの役を演じるときも、「これが新しい自分になれるきっかけになるはず。だから絶対に逃げずに前に進もう」と常に思っています。今回も、白の女王をまた演じることができると夢にも思っていなかったので、この機会もまた私にとってはターニングポイントなっていると思います。
『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』は、本日7月1日(金)から全国公開。アリスが冒険するなかで明らかになっていく、ワンダーランドの住人たちの禁断の秘密。そして、家族や仲間たちとの関係に思わずグッとくるシーンも満載です。この映画、ただのファンタジー・アドベンチャーではない! ぜひ劇場で!(さとうのりこ)
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