芸歴1年目、吉村卓也さんと伊藤直人さんからなるお笑いユニット“伊村製作所”。
前回、ふたりの“逆転人生”とも言うべき生い立ちをクローズアップしましたが、今回はふたりが出逢った事務所のオーディションのこと、伊村製作所を結成したいきさつ、そして“人生の分岐点”について聞いてみました。
さらに、単独ライブに向けて稽古中のふたりの姿もキャッチ!
★前半→伊村製作所の共通点は“逆転人生”?吉村、「小学4年で女子の厳しさを経験した」
┃伊村製作所のふたりが、俳優から“お笑い”を目指すことになった理由
Woman Insight編集部(以下、WI) おふたりは、事務所のオーディションに向かう新幹線が初対面のようですが、お互いの第一印象はどうでした?
吉村卓也さん(以下、吉村) この人、チャラッチャラしたヤンキーでした。名古屋から乗ってきた、茶髪でツンツンの髪型にサングラスしたイケイケのやつが隣に座るんですよ。最初ちょっと観察してました。新幹線に乗って10分ぐらい、サングラスかけっぱなしでしたからね。
伊藤直人さん(以下、伊藤) 眩しいしね、新幹線の中。
吉村 格好もそうだったし、態度も含め、尖ってるっていうかそれよりも……。
伊藤 “イタイ”。
吉村 そう、そっちなんですよ。
伊藤 地元でもそんな感じでしたね。いま考えると、イカれたやつですよ(笑)。最初に話すきっかけは、僕がラジオで特集してもらったりしていたので、吉村がラジオを聞いてたみたいなんです。それで、「あれ、ひょっとして……」って感じで話しかけてくれて。
吉村 それじゃまるで、ミーハーじゃん。僕から話しかけてた?
伊藤 そうそう。「『SCHOOL OF LOCK!』の番組に出てた方ですよね」って。話しかけられて、自分ちょっと尖ってたんで、俺だけど?って感じで「ああ……」みたいな返事して。でも当時から話すのがうまかったんですよ、この人。だからずっと話していられたし、いまだに一緒にやっていられるっていうか。第一印象から変わってない。処世術がうまい。
吉村 それあんまり聞こえよくないじゃん(笑)。
伊藤 いやいいことだよ、それ。
吉村 僕から話したことは覚えてないですけど、恐らくミーハーだったんですよ、そのときの僕。でも直人のイメージは、その日、二転三転したんです。最初は「チャラそうな変なやつ」と思ってたのに、ずっと“敬語”なんです。学年はたしかに僕がひとつ上ですけど、誕生日は2か月しか違わないのに、ずっと敬語。なんなら3年ぐらい前までずっと敬語だったよね。実は礼儀正しくて、男気もある。ただひとつ言っておくけど、オーディション前日、「どっちの部屋だったか覚えてない」って言ってたけど、あれ俺の部屋だからね。
伊藤 ウソ、そうだった?
吉村 こいつは話すことが得意じゃなくて、話しだしたら長いんです。いまはそんなことないんですけど、当時、話し始めたら全然終わらないし、聞いてないことまで話し出すんです。「彼女いるの?」って話から、「前の彼女は……」みたいな(笑)。
伊藤 全然覚えてないわ、それ(笑)。僕かなり、やっちゃってますね(笑)。
吉村 次の日オーディションだし、朝早かったのに、けっこう長居してさ。
伊藤 そっか。次の日、すっごい眠かったのは記憶にあるんだけど、そのせいか。
吉村 いまだに覚えているんですけど、帰ってほしいなと思ったので「俺、ちょっとシャワー浴びるからさ……」って言ったら、「わかりました! 待ってます!」って言うんですよ。バカじゃねーの! 帰れよ!って(笑)。「明日も早いから寝たほうがいいんじゃない」とか促して、やっと帰ってもらったんですけどね。なんか面白いやつと出逢っちゃったな~っていう印象でした(笑)。
伊藤 全然覚えてないわ……。
吉村 たしかにオーディションでも、いちばんインパクトはありました。当時はずっとしゃべってるイメージ。最近はうまくまとめて、簡潔に話せるようになりましたけど。
WI “伊村製作所”を結成するきっかけは、何だったんですか?
吉村 僕が台本を書いてみたいなって思ったのと、書いたいたものをカタチにしたいと思ったんです。ひとりじゃできないので、まず事務所内で人を探しました。先輩は気を遣うので、同期がいいな……同期でいちばん暇そうにしてるの誰かいないかなって考えて、パッと思い浮かんだのがこいつ。
伊藤 誰が暇人だよ(笑)。
吉村 声をかける前に、『方舟』という舞台を彼がやってたので、それを観に行きました。観たら、芝居も上手かったんです。それで「芝居上手くて暇なら完璧じゃん」と。
伊藤 アハハハ。ありがとうございます。そうだとしたらそれは確かに完璧だわ(笑)。アミューズに入ってからも、2回ほど同じ舞台に出ていたり、たまにメシも食べに行ってたので、途切れることなくつながりはあったんですよ。
吉村 僕に誘われて光栄だった?
伊藤 それ、どんな関係だよ(笑)。でも、物を書く人がいて、それが近くにいるのは面白いなって。自分もお笑いが好きで、こんなお笑いが好きだとか、いろんな話をしてみて……うん、なんだろうな……やっぱり光栄だったかな(笑)。役者業も楽しいけど、どこに勝ち負けがあるんだろうって考えるんです。お笑いって、笑いの量で勝ち負けがはっきりしているじゃないですか。だからお笑いの世界で勝負してみるのも面白いかなって思えたんです。僕、負けず嫌いなんですよ。
吉村 でも、伊村製作所を始めて9か月ぐらいですけど、めちゃくちゃ難しいです。どの芸人さんに会っても、みなさん貪欲にお笑いのことしか考えてなくて、そういう部分が気持ちいいというか。それに本当にいい人ばかりなんです。この世界で挑戦していくんだなって嬉しい気持ちもありますね。
WI 俳優からお笑いをやるというのは珍しいパターンかと思いますが、ふたりの人生の分岐点は?
伊藤 自分はやっぱり小学5年生かな。やせたタイミングは、かなり大きかったですね。性格も変わりましたから。完全に調子にのり始めたので(笑)。あとは、オーディションで賞をいただいた高校2年生のとき。僕の人生でこの2回が、かなりのターニングポイントでしたね。
吉村 オーディションはそうだよね。僕もオーディションを受けたころは、こういう仕事に就くと思っていなかったので大きな分岐点です。あとは、ラブレターズの塚本さんとの出逢いで、お笑いをやろうと決心したので、それも自分の中で大きかったですね。一昨年、あるきっかけでラブレターズさんの単独公演を観に行ったら、めちゃくちゃ面白くて。そのころすでに僕はネタを書いていて、でもそれを人に言うのは恥ずかしいと思っていたけど、自分のネタで人を笑わせることにすごく魅力を感じたんです。ライブ後、塚本さんに自分がネタを書いていてお笑いをやりたいことを伝えたら、「自分がやりたいことは絶対やったほうがいいし、芸人としては俺が先輩だからなんでも相談にのるよ」って言ってくれたので、こんなに心が広い先輩がいるお笑いの世界に飛び込んでみたいと思ったんです。
WI 最後に、1月9日から単独公演が控えていますが、どんな内容になりそうですか?
吉村 1月の単独は映像も使ったりして、コントじゃない部分でも楽しめると思います。
伊藤 前回の単独でも、公演をやりながら観客のみなさんの反応をみて内容を変えたりしたので、今回もそういうふうになるのかな、と。3日間で5公演あるので、その変化も含め、面白く観ていただけたらいいですね。
初対面のとき、自分がしたことはあまり覚えていないのに、相手のことはよく覚えているふたり。それだけ、お互いの存在は印象的だったのかもしれません。
伊村製作所のふたりは、1月9日から、劇場hope(中野)で単独ライブを開催。前売りはすでに完売! 当日券の販売を予定しているのでSNSなどで確認を!(さとうのりこ)
\伊村製作所が単独ライブ開催/
2016年1月9日(土)~11日(月)
単独ライブ「伊村製作所 Vol.4」@劇場hope
*伊村製作所Twitter @imurafactory
【あわせて読みたい】
※ブレイク街道まっしぐらの芸人・ピスタチオ伊地知の“嵐時代”とは!?
※元アナでミスター慶応!よしもと男前芸人、ブレイク寸前の陰に“人妻”あり!?
※「付き合いたい男」と「結婚したい男」はココが違う!【ハダカの劇プレ】