2015年現在、全国で約360店舗を展開する回転寿司チェーン「くら寿司」。今でこそ当たり前になった格安寿司を広めた立役者とも呼べるお店です。Woman Insightではそんな「くら寿司」を大特集! 今回が最終回となります。
お寿司はもちろんですが、何かと話題になっているのが、CMなどでもおなじみのサイドメニューたち。最近だと、お寿司に使用するシャリを使った「すしやのシャリカレー」が注目を集めています。
ということで今回はサイドメニューを特集! ただ変わり種というだけでなく、そこには驚きのこだわりが詰まっているのです……。
◆商品開発担当者に元寿司職人はゼロ!だからこそ実現できるこだわりとは
「回転寿司の競合は、回転寿司ばかりではありません。たとえばカフェ、レストランなど、その中でどれだけのお客さまに来店していただけるかが大切なのです。それこそコンビニだって競合になります。たとえば、グループで食事をする場所を選んでいるとき、生ものを食べられない方がひとりいたとします。すると普通、寿司屋は選択肢からなくなってしまいますよね。そこでサイドメニューを充実させ、生ものが苦手という方にはうどんやラーメン、丼ものなどをご用意し、さまざまな方に楽しんでいただけるようになったのです」(辻さん)
2012年11月からメニューに加わった「7種の魚介醤油ラーメン」は、商品開発担当マネージャー・松島由剛さん開発の大ヒット商品。構想から商品化までなんと約10年!
「その間食べたラーメンは700食以上。最後は『汗からラーメンの匂いがする』とまで言われました」(松島さん)
こだわり抜いた結果、今ではラーメンだけを食べて帰るお客さんもいるのだとか。当初は“寿司に合う”をコンセプトにつくられていましたが、魚介豚骨や旨辛などバリエーションを増やし、ラーメンだけでも十分満足できるようになっているのです。
ちなみに「すしやのシャリカレー」開発時にも、レトルトの商品はすべて食べ尽くしたというこだわりよう。今年7月に登場したこちらのカレーですが、食べた瞬間フルーツの甘さを感じつつ後味が辛め。
私は辛いカレーが苦手で困っていたのですが、なんと9月には甘口が登場! もともとカレーに入っているマンゴーを、甘みの強いアルフォンソマンゴーに変えているのだそう。11月からは「特製とんかつ」「4種のチーズ」「ふわとろ玉子」「特製玉子だれ」といったトッピングも登場しています。
◆「食後のひとときもくら寿司で」それを実現するコーヒーとスイーツが絶品すぎる
2013年12月に登場したのが、プレミアコーヒー「KULA CAFE」シリーズ。ホット・アイスそれぞれで異なる3種類の最高級豆をブレンドし、挽き方にもこだわり、なんとスイスの高級エスプレッソマシンまで導入しています……。注文を受けてから1杯ずつ豆から挽いて抽出し、できたてをオーダーレーンで届けてくれるのです。
「昔は試験販売でコーヒーのドリップバッグとカップをセットにしてレーンに流したこともあったんです。でも、まったく売れなかった。なぜだと思いますか? おいしくなかったからなんです」(辻さん)
そこから寿司を食べたあとに合う味にこだわって開発したそうですが、ラーメン同様、今ではコーヒーだけでも成立するおいしさとなっています。ちなみにテイクアウト可能なので、食事を終えてそのまま持って出てもOK。食後にコーヒーを買って職場などに戻る方いますよね。それが同じお店で完結できるんです。
さらに、「KULA CAFE」ブランドのスイーツも登場。たとえばこちらのフォンダンムース(写真は宇治抹茶フォンダンムース。定番メニューにフォンダン・ショコラムースもあり)は、中から濃厚ソースがとろけ出す絶品!
フォンダンショコラの場合、熱さで中のチョコレートが溶けだす構造になっていますが、そのコントロールがどうしても難しいのです。そこで中にソースを入れたムースを開発し、中からとろりと溶けだす構造を実現しています。
「アフォガード(冷たいバニラアイスに熱いコーヒーをかけるスイーツ)のように、熱いものと冷たいものを組み合わせたスイーツをつくりたかったんです」と辻さんが語るのは、こちらの「揚げたて豆乳ドーナツ」。
名前のとおり、注文を受けてからドーナツを揚げているんです! その食感は、外がカリカリ、中がふわっ……とした絶品。のっているアイスが豆乳アイスなので濃厚なのにさっぱりと感じられ、小豆とカラメルソースが絶妙なアクセントになっています。
ちなみに、千葉県のららぽーと TOKYO-BAY店ではテイクアウト専用カウンターと限定メニューを用意。ソフトクリームやポテト、豆乳ドーナツパフェ、じゃこ天串など、ショッピングモールならではのメニューが取りそろえられています。
商品開発担当の松島さんは、「回転寿司をコース料理のように楽しんでもらえるよう意識してメニュー開発を行っています」と語ります。味噌汁やうどん、ラーメンなどの汁ものとお寿司を食べ、デザートを楽しみ、最後にコーヒーで締める……。「くら寿司だけで完結してもらえるようになりたい」というのが願いなのです。
そのため商品開発担当の方々は、注文履歴のデータなどからの解析はもちろんのこと、インターネットで食のトレンドのチェックをし、とにかく実際に足を運び、食べ比べをし、開発をしているのだそう。彼らは仕事のためというだけでなく、純粋に“食”が大好きなのです。だからこそ、お寿司もサイドメニューもしっかりと質の高いものが、非常に安価に実現できているわけです。
安かろう悪かろうの時代はもう終わり。家族と、友人と、気軽に楽しめるお店は、こんなにもこだわりに抜かれた質の高いものになっています。ぜひ皆さんもくら寿司で楽しいひとときをお過ごしください!(鈴木 梢)
無添くら寿司
http://www.kura-corpo.co.jp/
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