あっという間にお正月は終わり、気がつけばもう1月も終わりですね! 早すぎる……けど、残されたのは正月太りのこのからだ……。
それでも、新しい年だし新しいことを、からだを引き締められることを、と意気込んで「ランニング」を始めた方、もしくは始めた経験がある方は少なからずいると思うのです。でもその習慣、今もまだ続いていますか?
大手スポーツメーカーであるデサントの調査によると、なんとランニングを始めた約7割のランナーが半年以内に挫折し、やめてしまっていることが判明! どうやらランニングは、続かない人が多いようなのです。
Woman Insightではそんな、意気込んでランニングを始めたもののすぐに続かなくなってしまった、いわば燃え尽きてしまった“燃え尽きランナー”な方々を応援する連載を開始!
健康総合企業のタニタ、タワーレコードなど、ランニングを継続するヒントを知っていそうなあらゆる専門家にたっぷりお話を聞いてきました。
編集部スタッフとともに取材に同行してくれるのは、モデル・女優として活動しながら、数々のマラソン大会で記録を残している、高山都さん。
第1回の今回は、そんな高山さんと、『週1回のランニングでマラソンは完走できる!』の著者で、ランニングアドバイザーの真鍋未央さんに、ランニングを継続するコツについて話していただきます。
Woman Insight編集部(以下、WI) まずズバリ聞いてしまいますが、ランニングが続かない人って、何が理由なのでしょうか。
真鍋未央さん(以下、真鍋) 走ること自体が目的になってしまっている場合が多いですね。どんなランニングをするかとか、どれだけの距離を走るかとか、“とにかくランニングを続ける”ということだけを考えていて、“続けるためにどうするか”を考えていないんですよね。やっぱり、運動に慣れていない人が急にストイックになって、義務感にとらわれて続けようとすると、続きづらいと思います。
高山都さん(以下、高山) 視野が狭くなりすぎると、楽しみを見つけようとか、そもそもランニングを楽しもうとか、そういったことを考えられなくなってしまうと思います。たとえばこれは“ランニングを始めた人あるある”なんですけど、走り込みすぎて膝を痛めて、それでモチベーションが一気に下がってやめてしまったというケース。いわば熱い気持ちでランニングを始めたものの、一気に熱くなりすぎて“燃え尽きた”という感じです。それはもったいない。ランニングって極論、走りやすい靴と服さえあれば、家から一歩出るだけでできてしまう。たとえばスポーツジムは営業時間が限られているけれど、ランニングはそういった時間の制限もありません。思い立ったときにすぐできる、気軽なスポーツなんです。
真鍋 デング熱の流行で都内の公園が閉鎖されたとき、「いつも○○公園のコースを走っているから、(ほかのコースを知らないし)走れません」という方がいたのですが、そのようにルール化したがったり、視野が狭かったりする人というのは、そういった言い訳をしがちです。公園がいくら閉鎖されようと、家の周りや街を走ってくればいいのに! なんて思いました(笑)。理由をつけて走らなくなってしまうなんて、もったいないです。いつもと違うコースを走ることで、新たな発見があるかもしれないですからね。
WI 言い訳をしてしまうランナーは、始めたときからそういった傾向があるのですか?
真鍋 始めたばかりのころは気持ち良く走っていたのに、気がついたら義務感にとらわれてしまっていた……なんてケースもよくあります。走ったらこの目標を達成しなくちゃいけない、ということに縛られすぎている。“must” ではなく、 “can” くらいでいいと思うんですけどね。
高山 そうそう。たとえば冬は寒くて早く起きるのが億劫だけど、「寒いけど早く起きなくちゃ」ではなく「寒いのに早く起きられた!」って思ったほうが楽しくなると思うんです。だからランニングも「走らなくちゃ」ではなくて「今日は走れた! 私偉い!」くらいに思って、自分を甘やかしてあげたほうがいいと思います。
WI 自分を甘やかすということに関して詳しくうかがいたいのですが、ランニングをした自分へのご褒美になることって、何かありますか?
高山 ギア(ランニング時に使うアイテム)を充実させて、おしゃれを楽しむのは良いと思います。普段ひとりで家の近くをランニングする格好にはあまり気を使わなくても、友だちとランニングするときはおしゃれをすると決めておく。友だち同士でギアの話をすると「今度一緒にギア買いに行こうよ!」なんて、盛りあがって楽しいです。ご褒美というか、ギアをきっかけにモチベーションを高めたり、保ったりという感じですね。
真鍋 最近ではカラーランやスイーツラン、給水がすいかになる「すいかラン」なんてイベントもあるくらいファンラン(タイムを競わず楽しむランニングイベント)が充実してきているので、おすすめですよ。
WI ランニングと一緒に楽しめることが、たくさんあるほうが良いのでしょうか。
高山 そうだと思います。たとえば友だちとランニングをしたあとに食事をしたら、いつもよりおいしくて、楽しかった。そんなふうに思えたら、その場で次の約束をする! その予定を楽しみにすることで、ランニングを続けるモチベーションになると思います。
はじめから、“とにかくランニングを続ける”ということばかりで頭がいっぱいになり、“続けるためにどうするか”を考えていないから挫折してしまう。そう指摘する真鍋さん。
そして、そもそもランニングはストイックに打ち込むものではなく、ほかの楽しみと組み合わせたり、無理なく生活に取り入れたりできる、気軽で楽しいスポーツだと語る高山さん。
次回はそんなおふたりの意見をさらに掘り下げて、なぜか恋愛に絡めて語っていただきます! ランニングと恋愛、はたしてどんな関係性があるのでしょうか。次回をお楽しみに!(鈴木梢)
【プロフィール】
高山都(たかやま・みやこ)
ファッション誌のビューティーモデルとして活躍。その後、役者としてドラマ『ガリレオ』や『ROOKIES』、映画『容疑者Xの献身』などにも出演。その他にもTOKYO FMにてラジオパーソナリティーを務めるなどマルチに活動。
真鍋未央(まなべ・みお)
実業団ランナーとして活動後、現在はランニングコーチとして、ランニングイベントやクリニックを市民ランナー向けに行う。女性向けのランニンググループ「miobiyori」を設立し、定期的にランニングセミナーを開催中。
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