【20代から始めるiDeCoとNISA】リスクはある?何年でどのくらい貯まる?投資の疑問にアンサー!

20代から活用すべし!お金を増やしたいならiDeCoとNISAを知ろう!


iDeCoやNISAで賢くお金を増やしたい。でも毎月の投資金額は? 口座はどこで開設すべきなの? 何年でどのくらい貯まる? 疑問は増えるばかりですよね。今回は、iDeCoやNISAにまつわる疑問にアンサー! 働く全女子に知ってほしいお金の増やし方を、お金のプロが教えます。

 

Q. iDeCoやNISAで損をすることはない?

A. リスクはあります。でもリスクとは減るかもしれないし増えるかもしれないという意味!

「投資をして資産が3分の1を下回る可能性は約2.3%くらいあるので、この辺りを最悪と考えておきましょう。逆に同じくらいの確率で資産が4割以上増えることもある。つまり大きな範囲で変動するけれど、平均すると金利5%くらい増えると考えておくといい」(by山崎先生)

■webでカンタン! iDeCoとNISAスタートまでの流れ

①証券会社のwebサイトにアクセス。必要事項を記入
②本人確認書類の写しをパソコンや郵送で提出
③これで口座開設完了。通知書類、パスワードが送られてくる
④証券口座を開設。運用するファンドの配分を指定し購入
⑤時々、値動きを見ながら基本はほったらかしに

証券口座と紐付ける銀行は自由に選べます。証券口座には、銀行のATMやネットバンキングから投資資金を振り込んで。ちなみに証券会社と連携しているネット銀行もあり、手数料無料など特典がある場合も。

Q. 開設できる口座がたくさんあって迷います

A. 商品ラインナップが多くて手数料が低いネット証券の大手3社がいい

「今みなさんが使っている銀行でもiDeCoやNISAをはじめられるけれど、銀行窓口に行くといい商品がないので、パソコンで申し込めるネット証券をオススメします。商品ラインナップが多く、手数料が少ない大手3社あたりがいい。なんと言っても、セールスマンに営業されない点が、ネット証券の長所です」(by山崎先生)

知識がおぼつかないまま営業をされたら、必要ない投資商品まで購入してしまいそうですもんね…。自分で理解した上で、ネット証券で始めるのがよさそうです。山崎先生も勧める大手3社をご紹介します!

①SBI証券

ネット証券の最大手。口座数、預かり資産残高ともにネット証券トップで、最も多くの個人投資家に利用されている人気の証券会社。サービスが手厚く、取引ツールを各種取りそろえています。

②楽天証券

楽天銀行と楽天証券の出入金口座として連携すると、取引件数や金額によってポイントが付与されたり、楽天銀行の普通預金金利が0.1%になります。初心者にもわかりやすいところも魅力。

③マネックス証券

幅広い金融商品を取り扱っていることが大きな特徴で、特に海外投資商品の種類が多く、中でも米国株の取り扱いが豊富なのが特徴。外国株の買付手数料までお得なところもポイント。

Q. 投資できる銘柄が多すぎて、どれを買っていいかわかりません

A. 海外株式と国内株式のインデックスファンドを半々くらい購入

「なぜインデックスファンド(機械的に運用するファンド)がいいかというと、手数料が安くてシンプルで値動きがわかりやすく、相対的に負けにくく無難な運用だからです。その中からさらに信託報酬が0.3%以下のものを買いましょう。今は、国内株式なら『eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)』、海外株式なら『eMAXIS Slim先進国株式インデックス』がおすすめです」(by山崎先生)

Q. 投資金額はどう設定すべき?

A. リスクにかけられる想定金額の3倍程度を上限に

「投資をした後、最高40%くらい値上がりする可能性もあるし、最悪の場合3分の1になる可能性もあります。だから損をしてもいい金額×3倍をリスクにかける金額の目安としましょう。若い人は、まだ運用する金額も少ないし、そこまでリスクを恐れなくても大丈夫。また将来の生活に合わせて金額を調節することもできます。お金は長いこと運用させないとたくさん増やすことが期待できないのでまずははじめてみましょう」(by山崎先生)

例えば、毎月3.5万円を貯金する場合で考えてみましょう。そのうちリスクにかけられる金額が月5000円だったとします。5000円の3倍で1.5万円、これをiDeCoかNISAにまわします。残りの2万円は安全に貯めておきたいお金として、個人向け国債かネット銀行に預けます。

Q. どのくらいで、いくら貯まるのかイメージがわきません

A. iDeCoとつみたてNISAで老後資金2000万円を作るロードマップでイメージしてみて

「年収350万円(手取り月収約23万円)として、毎月手取り月収の15%=3万5000円を60歳まで毎月iDeCo、つみたてNISA、積み立て定期預金を使い運用した場合にどのくらい貯まるかを計算。もし積み立て定期をとり崩したとしてもiDeCoとつみたてNISA合わせて1,830万円貯まります」(by井戸先生)

2000万円までの道のり

毎月3.5万円を貯金&投資する場合を考えてみます。

まずは積み立て定期で生活費6か月分貯める

貯金ゼロから始める場合は自動積み立て定期預金で生活費6か月分を貯金。約3年で貯まる計算に。

20・30・40代の積み立てのバランスは…

  • 積み立て定期に月1万円
  • つみたてNISAに月1.5万円
  • iDeCoに月1万円

生活費6か月分を貯め終えたら、26歳ごろから上記バランスで運用。つみたてNISAや積み立て定期はいつでもおろせますが、なるべく取り崩さないようにしましょう。ちなみにこのまま続けると30歳時点での貯金額は302万円、40歳時点では815万円の計算になります。

50代はiDeCoの割合を増やす

  • 積み立て定期に月0.5万円
  • つみたてNISAに月1万円
  • iDeCoに月2万円

老後が視野に入ってくる50代は最後の貯めどき。取り崩さないようつみたてNISAを減らしてiDeCoを増額して。社会人デビューの23歳ごろからこの方法でコツコツと貯金をしていけば、1円もおろさなかった場合60歳で2304万円達成可能です!

※つみたてNISA、iDeCoともに年リターン3%、積み立て定期は0.01%で試算。※つみたてNISAは預入期限が2042年度末までだが延長されるという前提で試算。※試算結果は過去の実績を基に計算していますが、将来の市場の保証をするものではありません。

難しく感じていたiDeCoやNISAも、ポイントをおさえてきちんと学べばそこまで難しいものではありません。20代のうちからコツコツと始めていけば、将来の不安もかなり軽減されるはずです。善は急げ! 今月分のお給料からさっそく始めてみるのはいかがでしょうか。

今回教えてくれたのは…

経済評論家 山崎元先生/楽天証券経済研究所客員研究員。株式投資や資産運用を中心に多数の原稿執筆やテレビ出演。転職経験を活かした自己啓発についても発信中。著書『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』¥980(文響社)が好評発売中。
ファイナンシャルプランナー 井戸美枝先生/社会保険労務士。社会保障審議会 企業年金・個人年金部会委員も務める。年金・社会保障問題を専門に講演や執筆、テレビ、ラジオ出演を行う。著書に『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください!』¥1,500(日経BP)などがある。

 

CanCam3月号「新しい生活のお金の使い方」より
イラスト/菜々子 構成/西村真樹 WEB構成/岩川菜奈 

※紹介している情報は2021年1月現在のものです。制度の内容や金額は変更になる場合があります。