朝型に変わるなら今!専門家に聞いた、早起きを絶対成功させる5つのコツ
早起きできたらアレもコレもやりたい。そう思いつつ、今日も夜ふかししてしまう……そんなあなた。実は「今」こそ、夜型の人が朝型に変われる大チャンスなのだとか!
どうして今がチャンスなのでしょうか? また、夜型の人が日々早起きするためにはどうしたら良いのでしょうか?
夜型の人が朝型に変わるコツを、シフト勤務の社会人からトップアスリートまでさまざまな人の眠りをプロデュースしている快眠プロデューサー・⻑谷川恵美さんに教えていただきました。
長谷川恵美さん:
快眠プロデューサー。TV局キャスターとして活躍後、コスメの広告・PR職などを経て、現在は寝具メーカー・エアウィーヴで快眠プロデューサーとして活動中。これまでに開催した睡眠講座は300回を超え、日々激務をこなす人、シフト制で規則正しい睡眠時間を確保しにくい人、過酷なトレーニングをこなすトップアスリートなどに向け、欲しい結果を得るための眠りを指導している。
■朝型に変わるなら断然「今」がチャンス。その理由は?
夜勤のある社会人や肉体が資本のアスリートなど、さまざまな人の眠りをより良いものにするため、指導や講演を行っている長谷川さん。
その長谷川さんいわく「早起きに挑戦するなら、今がベストな期間です!」とのことですが、いったい何故なのでしょうか?
「今の時期(夏場)は1年で最も日の出時刻が早く、日照時間も多い傾向があります(地域や梅雨明けの時期により多少異なります)。体内時計をはじめとする生体リズムは朝の強い光によって調整されるので、早朝から太陽の光を存分に浴びられるこの季節は、1年で最も早起きが成功しやすいんです。
また、今年はコロナウイルス対策の影響で夜間の飲み会などが減り、早めに帰宅する機会が増えていますよね。大変な状況ではありますが、早寝早起きのリズムを身につけたい人にとっては絶好のタイミングとも言えます」
確かに、夜飲み会に参加すると帰宅は早くて午前0時くらい。それからお風呂に入って髪を乾かして……と色々やっているうちに、いつのまにか2時くらいになっていたりします。
友達とゆっくり会えないのは寂しいですが、朝型の生活を目指すのには良いタイミングかも。
では、夜型の人が朝型にシフトするためには、どんなことをすれば良いのでしょうか?
■快眠プロデューサー直伝・朝型になるためのコツ5つ
◆「絶対やる」と意識したい2つのこと
1.朝日を浴びる
まずは朝起きてすぐ、太陽の光をしっかり浴びること。これが大切です。太陽の光は脳に刺激を与えて目を覚ましてくれるだけでなく、体内時計を調節するのに不可欠なんです。
人間の体内時計は、24時間より少し長めのサイクルで動いています。このため、寝るのを後ろ倒しする(=夜ふかしする)のは簡単ですが、前倒しする(=早寝早起きする)のにはある程度の意志が必要です。
体内時計をコントロールしているのは、脳の視床下部にある「視交叉上核(しこうさじょうかく)」という場所。網膜が朝日の強い光を感知すると「朝が来た」という情報がココに伝わり、体内時計がリセットされて生体リズムが整いやすくなります。
可能であれば、カーテンを開けて朝日が差し込む状態で眠るのがおすすめです。朝自然と目が覚めやすくなりますよ。(※ただし防犯にはくれぐれもご注意を!)
また、「カーテンを開けっぱなしなのはちょっと…」と思う方は、現在遮光カーテンを使っている場合は非遮光カーテンに変えてみると、それだけでも変わります。
2.頭と身体をしっかり使う
朝は眠くてたまらないのに、夜になると目が冴えて元気になってしまう……という人は、日中の過ごし方をより活発にしてみましょう。
とくにデスクワークなどじっとしている時間が長い人は、昼間〜夕方にかけてストレッチや筋トレなどをして身体を動かしてあげると、寝付きがよくなりぐっすりと眠れます。
◆「やらない方がよい」と覚えておきたい3つのこと
3.眠気のタイミングを逃さない
就寝時間が近づいて眠くなってきても、つい「もうちょっと」と夜ふかししてしまうことがありますよね。しばらくして「そろそろ寝よう」と思ったときには、目が冴えてしまっていませんか?
早起きすると、夜の眠気も今までより早く訪れるようになります。眠たくなったタイミングを逃さず布団に入り、睡眠時間をしっかり確保しましょう。眠気のタイミングを逃さなければ、朝型のサイクルを維持しやすくなります。
4.夕方以降は強い光を浴びない
強い光を浴びると、睡眠を促すホルモン「メラトニン」の分泌が阻害され、眠気が訪れにくくなります。この仕組みは夜間でも変わらないので、夕方〜夜にかけてはできるだけ強い光を浴びないよう心がけてみてください。
とくに注意したいのが、仕事帰りのお買い物。コンビニの店内などで強い光を長時間浴びると、寝付きが悪くなってしまう可能性があります。帰りが遅くなった日は、お買い物もできるだけ短く切り上げましょう。
5.夜は激しい運動をしない
夜になったら、激しい運動をするのはなるべく避けましょう。激しい運動は交感神経を刺激して体温を上げてしまうため、寝付きにくくなる可能性が高いです。
筋トレやジョギングといった激しい運動をするなら、体温が上がる夕方をおすすめします。
■朝型・夜型は遺伝する?体質を変えることは可能?
ところで「朝型」「夜型」とよく言いますが、これは生まれつきの体質で分かれているのでしょうか、それとも自分の意志で選択できるものなのでしょうか?
長谷川さんによれば、「ある程度は遺伝で決まっているものの、変化することも多いです」とのこと。
「人間にはもともと昼間活動して夜は休むというリズムが備わっていますが、活動・休息のタイミングには個人差があるんです。この個人差を『クロノタイプ』と言います。いわゆる『朝型』『夜型』といったタイプですね。簡単なものでしたらインターネットで無料診断などもあるので、興味がある方はチェックしてみてください。
基本的には、クロノタイプが朝型の人は朝型生活のほうがむしろ楽に感じ、クロノタイプが夜型の人は、朝型の生活にややハードルの高さを感じます。
クロノタイプは遺伝子である程度決まっていますが、年齢や生活習慣で変化することも多いです。一般的な人の場合、10代後半〜20代にかけての時期が最も夜型に近く、その後だんだんと朝型にシフトしていきます。60歳前後になると朝型に戻るケースが多いと言われています」
つまり、体質の影響はあるもののそれが全てではない、ということですね。
「クロノタイプには『朝型』『夜型』の他に、『中間型』も存在します。私も朝型ではなく中間型ですが、夜寝付けない・朝起きづらいといったことはほとんどありません。それは、睡眠時間をしっかり確保し、睡眠の質を高めることを心がけているためです」
なるほど。生活習慣を整えれば、夜型の人が朝型に変われる可能性は充分ありそうです。
早起きすれば、ゆっくり朝を楽しめます。朝型に変わりたい人は、ご紹介した5つのコツを実践してみてくださいね!
構成・文/豊島オリカ
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