占いって結局何をどう信じればいいの?「占いは信じるな」と占い企業の社長が語る理由

「占いは信じるな」と占い企業の社長が語る理由


「あなたは占いを信じますか?」

と聞かれたら、どのように答えますか?
おそらく「星座占いが1位だったら嬉しい」「いいことだけ信じる」「あったらなんとなく見ちゃうけど、そこまで超信じてるわけじゃない」という方が多いのではないでしょうか。
一方で「大事なことを決めるときや、人生の決断で迷ったら占いに行く」という方もいます。

占いって結局何をどう信じればいいの?「占いは信じるな」と占い企業の社長が語る理由
(c)Shutterstock.com

ふたつの占いを見たらまったく違う結果が出たり、納得いかないことが書いてあったり…占いにはさまざまなものがあります。世の中に大量にある「占い」に、いったい私たちはどう向き合っていくのがベストなのでしょうか?

お話をうかがったのは、約8万人を動員した「占いフェス」をはじめ、数々の占いコンテンツを手がけ、東証一部にも上場・約40億円もの売り上げを出す一大占い事業会社、株式会社ザッパラスの代表取締役社長・玉置真理さん。
自身もタロットや西洋占星術をはじめとした占いに非常に造詣が深い玉置さんは「占いを信じるな」と語ります。その真意はどこにあるのでしょうか。早速お話を見ていきましょう。

▼ふたつの占いをやったら違う結果が出た。どうすべき?


CanCam.jp編集部(以下、編) 生年月日をもとにした占いでは「結婚しないほうがいい」、タロットだと「すぐ結婚する」などなど、まったく違う結果が出たときは、何を信じたらいいんでしょうか?

ザッパラス代表取締役 玉置真理さん(以下、玉置) これはだいたい「1枚の絵画をどう説明するかの違い」だと思ってみるといいかもしれません。たとえば、同じ絵を説明するにしても「細かく人物を説明する人の話」と「全体的な色合いを伝える人の話」は、まったく違うもののように聞こえます。だから、それぞれの結果を、「あなたという1枚の絵の解説を違う角度から見たもの」だと思って「もし1枚の絵だったら、どういうことなんだろう」と考えてみるといいですね。

 

 なるほど!

玉置 ただ、そもそも自分にとってどうでもいいことはそんなに覚えていないはずなので、もし耳に残る矛盾があるなら、それ自体があなたの心を動かす大事なテーマということそのものが、非常に重要な気づきです。そのテーマ自体に関心を向けて考えてください。そしてそもそも「占いで出たからこうする」と、占いに決断を委ねないほうがいいです。

 

 え、そうなんですか?

玉置 はい。占いはスタートにしてください。ゴールにしないほうがいいです。占いによって「この先生が言うことは絶対正しい」「占いの言う通りにする」「占いにすべての真実がある」と視野を狭くしてしまうことは、やめておいたほうがいいと思います。私自身「占いは信じるな。ただ、うまく利用しなさい。うまく活用できれば、こんなに便利なものはない」と言っています(笑)。

 

 どういうことでしょうか?

玉置 占いは薬ではないし、その人のかわりに何かをしてあげることもできません。問題を乗り越えるのは、あくまで本人です。何か問題があるときは、本人がものの見方や考え方、行動を変えて乗り越えていく必要があります。そのとき必要なことは「自分が何を言われたときに心が動き、違和感を感じたか、反応したか」を掘り下げていくことです。それによって急に変われる人をたくさん見てきました。そのためのツールとして占いを使うと、こんなに便利なものはないと思います。「占いで変われた」という人は、だいたいそうです。「占い師の言う通りにしたから変われた」ではなく、占いを通して気づきを得て、自分で自分を変えたんです。そういう風に「視点のスタート」にして使うぶんには、占いはものすごく使えます。

 

 じゃあ、よくある「占いはいいことだけ信じる」も、それはそれで「自分はついてる」と思えるからいいけれど(※ラッキーアイテムの回参照)、何かに迷っているときはむしろ「ん?」とちょっとイヤだなと思ったことを大切にしたほうがいい、ということですか?

玉置 自分の認識に対して「違和感」を感じたことは、すごく大事にしたほうがいいです。それが「友達に相談する」と「占い」の大きな違いです。友達に相談すると、仲がいい友達ほど、こちらのことをよくわかっているから、こちらが望まないようなことは最初から言わないこともありますよね。でも、占いは「彼とこれからもやっていくためにAをすべきか、Bをすべきか」なのを知りたいのに「そもそも彼と別れたほうがいい」とか、斜め上からぶっこんでくることがある。特に占い師さんに見てもらう場合は相性がすごくあるので、合わないと思ったら合わない、でいいですが、もしできるならば「そんなことを言うなんてこの人は当たらない!」と頭ごなしに否定するのではなく「なんで別れたほうがいいという結果になったんだろう?」と考えてみると良いですね。

 

 なるほど。ついイラっとしたことは気にしないようにしてしまいますけど、むしろ考えたほうがいいテーマなんですね。

玉置 そう考えられると占いを活用しやすいと思います。人間は「聞きたいことを聞いて、見たいことを見ている」ということをまず忘れないでください。その中で「イヤだな」でも覚えていることは、自分の心が動く重要なテーマです。「つい現在選んだものに執着してしまっていないか」「視野が狭くなってしまっていないか」「引いて考えてみたらどうなのか」…などなど、そこを改めてテーマにして考えることで、今見えているものとはまた違うものが見えてくるはずです。今度占いの結果を記録していくサービスを始める予定なのですが、それもやっぱり「占いを見て、自分が何に心が動いたか」を書き留めるかが、問題を解決する糸口となり得るからです。

▼占いの結果に納得がいかないとき、考えるべきこと


 でも、たとえば彼のことが大好きなのに「彼とは結婚してはいけない」と言われたら「なんで!?」とモヤモヤすると思うんですけど、そういう風にどうしても納得がいかないときって、どうすればいいんでしょうか?

玉置 「占いは地図」だと思ってください。「こう出たから、絶対この通りにしろ」ではなく、あくまで「今までに持っていなかった地図を与えてくれるもの」です。今の状況でこの先ここにいくとこうなるよ、まっすぐ行くとこんな分岐点があるよ、と教えてくれる存在です。それを見て、右に行くか左を行くかを選ぶのは自分です。あくまで「このまままっすぐいったら橋が壊れているかもしれないよ」と教えてくれるのが占いです。

 

 なるほど。もともと未来予測に使われていたものなんですもんね。

玉置 納得がいかないときはたいてい「このまままっすぐ進みたい」ということに対して執着があるんです。だから「橋が壊れていると知っていて、問題が起きるとわかっているのに、なぜまっすぐ進みたいのか」ということを考える機会にしてほしいです。生きづらさの原因の9割は「何かへの執着」ですから(笑)。

 

 どのように考えたらいいですか?

玉置 たとえば「彼とは結婚できません」と占い師に言われると「私はこんなに彼のことが好きなのに、当たってなかった!」と感じますよね、それは自然なことです。でも、よく考えると、深く考えずにただ「彼と結婚すること」にだけ執着をしている可能性があります。本当はこういう幸せな家庭を築きたい…という理想があるのに、実は今の彼は浮気性な人で、結婚しても自分の理想が叶えられないということを度外視している、などなど。占いでそこを指摘されたときに、きちんと自分で考えて「溺れてもいいから、壊れた橋でももしかしたら渡り切れる可能性に賭けたい」と選ぶのか「やっぱり壊れた橋を渡って失敗するのはイヤだから、右に行く」と選ぶのかは自分です。本当の自分の願望は、彼といることなのか、それとも安定した家庭を築くことなのか。それをきちんと考えて選ぶきっかけにしてみてください。

 

▼どういうときに占いに行ってみるのがベスト?


 雑誌やテレビ、webにたくさんの占いがありますが、お金を払って「占い師さんに見てもらう」って、一度行ってみたいんですが、どういうタイミングがベストなのでしょうか?

玉置 雑誌やwebの占いで占いが絶対に教えてくれないのは「自分の願望」なんですよ。でも、占いをもとに、占い師さんとお話していることで、それが見えてくることがあります。

 

 願望?

玉置 占いに来る方はたいてい「結局、自分はどうしたいか」という願望が整理されていないんです。たとえば「結婚したいけどどうしたらいいですか」と占いに来た方に結婚をしたい理由を聞いていくと「みんなしてるから」「もう29歳だから」「親がうるさいから」「結婚くらいしとかなきゃと思った」とか、そこに自分の願望が実はひとつもなくて、ふわーっとしていることがある。占いは自分でも見れますし運勢を知るくらいならできるんですけど、こういった「私は何をしたいのか」を見つけたいときは、占い師さんのコミュニケーションの中で見つけてもらうとおすすめです。逆に、自分の願望が整理されているときは、悩みや躊躇がないので、そこがはっきりしているならあまり行かなくてもいいタイミングだと思います。

 

 なるほど! 結婚について占ってもらおうとすると、占い師さんに「本当に結婚したいと思ってますか?」といつも聞かれるんですが、あれってそういうことだったんですね。

玉置 おそらくそうですね。本当の願望を見つけると、自分の運勢のデザインができるようになります。本当にいちばん欲しいものや、大事なものは何かがはっきりすると、人はまっすぐ進めるようになる。実際に「当たる」と言われる占い師さんは、そのあたりのコーチングやカウンセリングの技術が優れている方がとても多いです。占い師さんは相性があるので、「友達が当たると言っていたところに行ったのに、全然当たらなかった」という話は非常によくあります。これは「コミュニケーションの言葉づかいの相性」がかなり大きいです。長年やっている先生は、お話する中で「その人が本当にしたいこと」を見抜けていることが多いです。でも、占われる側としては耳に痛い話ほど「本当はこう思ってますよね?」と言われると「違います」と否定したくなる。

 

 めちゃめちゃわかります…。

玉置 そこの「占いの結果や、話している中で見えたことを、どのように、どのタイミングで伝えるか」も、占い師さんの技術のひとつです。実際に以前、マドモアゼル愛さんという大御所の占い師さんのテレビ撮影に同席させていただいたことがあるのですが、そのときの話がなかなか強烈で。ずっと占いをもとに話をしていたんですが、鑑定終了5分前に愛さんがふと「でも、あなたは本当は彼を信用していませんよね」と言うと、彼女が突然泣き崩れたんです。

 

 え、それはいったい何が起きたんでしょうか?

玉置 そのときの相談は「大好きな婚約している彼が転勤になって、ついていくか遠距離恋愛か悩んでいます」というものでした。愛さんはおそらく話を聞きながら「問題の本質は彼を信じられないことにあるのではないか」と見抜いたんです。でももしそれを、それに気づいた瞬間に言っていたら「そんなことないです」と反発して受け入れられなかった可能性があります。でも、いろいろ話しきったタイミングの終了5分前にそれを伝えたからこそ、その言葉が彼女の心に響いた。それを言うタイミングも、言葉も…完璧でした。あれは技を見ましたね。もちろん、占いを見た上で、こういう性格で、今こういう運勢のタイミングにあって、相手との相性はこうで…という見方の流派もいろいろあるんですが、その上でそれをどう伝えるかは、本当に相性です。

 

▼占いを上手に活用するコツ


 最後に改めて「占いを上手に活用するコツ」を教えてください。

玉置 「無責任にぶっこまれる感じ」を利用してください。どんなに「自分は客観的に冷静にものを考えられている」という人でも、無意識のうちに思い込みや自分ガードに守られていて、そこを解きほぐすのは非常に難しいことです。私自身は誰かの占いをすることも、占いを使わずに人生相談に乗ることもあるんですけど、実は普通に人生相談に乗るほうがよっぽど大変です。

 

 それはどういうことでしょうか?

玉置 たとえば「誰が見てもダメな男」と「誰に何を言われても別れられない、誰に相談しても『やっぱり彼が好き』という結果になってしまう女の子」がいるとします。でも、そういう子にタロットを引いてあげて「経済的に安定して頼れる男性のほうが釣り合うって出たよ」と言った瞬間に「やっぱり別れようかな」とふっと考えが切り替わることがあります。そういう風に、占いは「自分のバックグラウンドを知らない人が、とんでもない方向からぶっこんでくる」から人の心に届きやすいんです。この「無責任にぶっこまれる」は、ぜひ利用してください。だいたい占いを見ると、ひとつは耳ざわりの悪いことを言われると思うんですが、そういう「耳ざわりの悪い話を、無責任に聞くサービス」として利用する、くらいの感じでいるといいと思います。そして先ほどからお伝えしているように結果を鵜呑みにする必要はありません、あくまで言われたことを起点に、自分で考えてみてください。

 確かに、自分や自分に近い友達では考えもしなかった選択肢がなんらかの根拠を持って得られる、って占いならではですよね。

 

玉置 「客観的に考えて今の彼と別れたらもういい人がいる気がしない」とズルズル別れられない人が、もし占いに来て「今すごく出会い運が向いています」と言われたら、ふっと別れて他の人も見てみる選択肢が自分の中にあることに気づくかもしれないし、新しい人と会ってみようかなと思えるかもしれない。うまく使ってください。「ラッキーアイテム」のときにもお伝えしたように「人の思い込みの力」はとてつもないものがあります。「私はこうだ」と思うと、本当にそうなることが非常に多いです。自分はラッキーなんだと思えれば、もうラッキーにだいぶ近づいているんです。

 

 そういう発想で占いと向き合うと、いい意味で占いに振り回されずに付き合っていけるような気がしてきました。

玉置 ぜひ、利用してください。私自身、占いの会社の社長ではありますが、今も占いを「鵜呑みにする」ことはありません。ただ、視点のスタートに使えるものとしては、これほど便利なものはないし、活用したほうがいいと思います。何かに悩んでなかなか先に進めないとき「私ってひとつのところに固まってない? 何かに必要以上に執着してない? 見えなくなってるものはない? 他に選択肢はない? どうやったらもっと動ける?」ということを考えたいときには使えるツールのひとつです。そういう風に、今の問題点を見つけるヒントになったり、考えてもいなかった選択肢を与えてくれるもののひとつとして、占いを気軽に活用してもらえると嬉しいです。

 ありがとうございました!

「なぜ占いは当たるのか」「血液型占いは本当なのか」「ラッキーアイテムはどう出しているのか」そして今回の「納得がいかないときどうすればよくて、どのように占いを使えばいいのか」と、非常に多くのテーマについてお話をうかがいました。身近にあるけれど、案外わからない数々の内容。知っていると、人生を良くしていくもののひとつ、として役立てていけそうですね。

ちなみに、今は「占いフェス at home」と題し、あらゆる占いにまつわるコンテンツを自宅から楽しめる占いフェスをザッパラスが開催中。占いが気になり始めた…という方は、ぜひ入り口のひとつとしてチェックしてみてくださいね。

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▼INFORMATION
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■ イベント概要■
占いフェス at home
開催日時・入場料 2020年7月7日(火)〜12日(日)1,000円(税抜き/オンライン鑑定チケット付き)
会場 占いフェス公式サイト内 https://uranaifes.com/
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Twitter:https://twitter.com/uranaifes
Instagram:https://www.instagram.com/uranaifes
主催 株式会社ザッパラス

取材協力/ザッパラス
構成/後藤香織

 

 

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