声優の梶裕貴、実はるーみっくファン!高橋留美子の最新作「MAO」を語るインタビュー

声優の梶裕貴、実はるーみっくファン! 高橋留美子の最新作「MAO」を語るインタビュー

『うる星やつら』『らんま1/2』『犬夜叉』『境界のRINNE』など、数々のヒット作を生み出し続けてきた高橋留美子先生。そんな彼女が2019年5月より週刊少年サンデー(小学館)で連載している最新作『MAO』の3巻が、1月17日に発売されました。これを記念し、実はるーみっくファンだという声優の梶裕貴にインタビューを実施! 高橋留美子作品との出会いからその魅力、さらには声優を目指し始めた中学時代、『犬夜叉』に大きく影響を受けたというエピソードまで語ってもらいました。主人公・摩緒をイメージした特注マントを着用した姿や、サプライズで高橋留美子の描き下ろし色紙が梶に手渡される一幕もあるのでお見逃しなく♪

●声優の夢を叶えるため「犬夜叉」で練習していました

――実は今回ご出演をお願いしたのは、梶さんがとあるアニメの打ち上げで高橋留美子作品が好きとおっしゃっていたことを小耳に挟んだからなんです。

梶さん:あっ、そうなんですか。よく小耳に挟みましたね!(笑)

――勝手に聞いてしまってすみません(笑)。でも今まで雑誌やWebなどで梶さんが留美子先生についてコメントされたことってほぼなかったと思うのですが、ファンだという情報は本当ですか?

梶さん:恐れながら……本当です。いわゆる“るーみっくわーるど”って、本当に多くの皆さんに愛されていると思うので、熱狂的な方々と比べると「自分はまだまだ……」という気持ちが強いんです。それでも、高橋留美子先生の作品には子供の頃からずっと親しんできました。なので、今回インタビューのご依頼をいただけたのもすごくうれしかったですね。

――特に思い入れの深い作品はどれですか?

梶さん:『らんま1/2』も大好きですけど、やっぱり「犬夜叉」の影響が大きいですかね。アニメ放送当時は毎週観ていましたし、登下校のときに友達みんなでオープニングテーマやエンディングテーマを歌ったりしていました(笑)。放送していた時期が、ちょうど自分が声優を目指し始めたタイミングと近かったこともあり、アニメというもの自体にも敏感でしたし、「『らんま1/2』と同じ先生の作品なんだ!」という興味も後押ししていたんだと思います。

――アニメ1期の放送が2000年に始まったので、梶さんが中学生のときですね。

当時は声優になるための練習としていろんなマンガを音読したり、アニメや吹き替え映画のセリフを書き起こして真似したりしてましたが、『犬夜叉』もそういった形で触れた作品のひとつで。だから自分の中のアニメキャラクターの主人公像っていうものは、(山口)勝平さんが演じられていたあの犬夜叉の印象が強いかもしれません。

――『犬夜叉』のストーリーにはどういったところに魅力を感じていましたか?

梶さん:高橋留美子先生ならではのコメディ要素やドタバタ感を残しつつ、『らんま1/2』とはまた違うシリアスな物語というところにのめり込みました。

●摩緒、菜花、乙弥のバランスは例えると魚介のつけ麺

――高橋留美子先生の最新作『MAO』は、『犬夜叉』に継ぐシリアス怪奇ロマンと謳われています。平安時代から大正時代にかけて生きているという陰陽師の摩緒が、自分を呪った化物・猫鬼を探し続けることで物語が紡がれていく本作。最初に読んだときはどう思われましたか?

梶さん:まずはなんといっても、高橋留美子先生が現在も変わらず週刊連載で描き続けていらっしゃるというその事実が、なんと尊く素晴らしいことか。体力にしても精神力にしても、新しいものを生み出し続けるというのは、本当に大変なこと。そんな中で、僕たちにまた新たな“るーみっくわーるど”を見せてくださっている。自分が子供の頃からお世話になっていた……もっと言えば生まれる前から活躍されていた作家さんの最新作を、大人になった今でも毎週読むことができるってなんて素敵なことなんだろう。来週は何が起きるんだろう、次の巻はどうなるんだろうと、高橋留美子先生の作品でワクワクし続けることができるのが、本当に感慨深いなと思いましたね。

――高橋留美子先生は1978年に『うる星やつら』でデビューしてから40年以上経っていますが、現在もバリバリ現役で描き続けるバイタリティが素晴らしいですよね。

梶さん:『MAO』は大正時代がメインの舞台でありつつ、ことの発端はそこからさらに900年前まで遡るという世界観。そんなところも、犬夜叉と桔梗の物語から始まった『犬夜叉』と近いものがあるのかなと思いました。何より、犬の次は猫がきたか!という(笑)。まだまだ謎がたくさんあって、特に単行本だと、次巻への引きに毎回ドキドキさせられる。ドラマチック全開になっているなという印象を受けました。

――その中で、心に残っているシーンはどこですか?

梶さん:まずタイトルが『MAO』というところで、摩緒の初登場シーン。高橋留美子先生の作品って『犬夜叉』にしても『らんま1/2』にしても、主人公の名前がタイトルになることが多かったじゃないですか。最初はヒロインの菜花からドラマが始まっていくわけですけど、今度はどういう主人公と出会えるんだろうってワクワクしながらページを読み進めていって。菜花が現代から大正時代にタイムスリップして、ようやく摩緒が出てきたときは、「なるほど、今回はこういうタイプできたか!」と。ちょっとスカしてる感じもありつつ、菜花との掛け合いの中で見られるユーモアに、高橋留美子先生らしさを感じて、その安定感にホッとしました。

●高橋留美子先生の作品に出演するのは、声優としてひとつの夢

――気が早いですが、もし今後『MAO』がアニメ化されるとしたら、それぞれのキャラクターに当てはめてみたい声優さんはいますか?

梶さん:そんなことを僕の口から言うのはおこがましすぎて、とてもじゃないですけど答えられませんね……(笑)。でも、やっぱり、高橋留美子先生のアニメ作品に出演するというのは、声優としてひとつの夢ですよね。子供の頃から触れていたあの“るーみっくわーるど”に自分が関われたとしたら、それはもう信じられないぐらい喜ばしいことだと思います。でも……今日こんなに『MAO』のことを語っておいて、いざアニメ化されたときにご縁がなかったら、僕とんだ笑い者じゃないですか……?(笑)

――そんなそんな(笑)。

梶さん:しゃべればしゃべるだけリスクが増えてしまう(笑)。

――最後になんですが、実は留美子先生から梶さんに色紙のプレゼントがありまして……。

梶さん:えっ!? わあ、すごい! 弥勒と摩緒だ!!

――取材前に好きな『犬夜叉』のキャラクターをお伺いしていたのもこのためで。だけど梶さんが弥勒以外の名前を次々と挙げてこられたので、内心「マズイマズイ……」と思ってました(笑)。

梶さん:いやー! めちゃくちゃうれしいです! 僕はまだ、ただのいちファンなだけなのに!なんだか申し訳ないですが……でも本当に夢みたいにうれしいです。ありがとうございます!!

――それでは色紙へのコメントとともに、高橋留美子先生へメッセージをお願いできますでしょうか。

梶さん:まさかすぎて、感動が止まりません! まったく誇張表現ではなく、今日までがんばってきてよかったなあと思いました。世界に1枚しかない色紙、家宝にします。いつかはファンとしてだけではなく、声優として、高橋留美子先生の作品に関わることができたらうれしいです。そして何より新しく紡がれていく『MAO』の世界を楽しみにしておりますので、お体に気をつけてがんばってください! ずっと応援しています!

梶裕貴
1985年9月3日生まれ、東京都出身。主な出演作は『進撃の巨人』(エレン・イェーガー役)、『七つの大罪』(メリオダス役)、『僕のヒーローアカデミア』(轟焦凍役)など。
梶裕貴 オフィシャルサイト
https://www.vims.co.jp/talent_profile_detail.php?id=7
梶裕貴 オフィシャルツイッター
https://twitter.com/KAJI_staff
『MAO 3』
著者 高橋留美子
定価 本体454円+税
発売日 2020/01/17
ISBN 9784091295477
判型 新書判
頁 192頁
構成/CanCam.jp編集部(取材協力/コミックナタリー) 撮影/曽我美芽

 

★コミックナタリーでも、梶裕貴が「MAO」を語るインタビューを掲載中!⇒ https://natalie.mu/comic/pp/mao

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