結局美肌に効くの?効かないの?専門家に聞いた「コラーゲン」の正しい知識
女性が「美容に良いと思う成分第1位」のコラーゲン。美肌になるために欠かせない成分ですよね! 「綺麗になりたい」と多くの女性がコラーゲン入りの食品を手に取ったことがあるのではないでしょうか。今回は資生堂ジャパン株式会社が20代~50代女性500人を対象に「コラーゲン」に関する調査を実施しました。そんな「コラーゲン」について、○×クイズと専門家へのQ&Aをご紹介します。
◆女性たちの知識力チェック!コラーゲンのウソ・ホント!?
まずは○×クイズ! 次の項目について「○:ホントだと思う」か「×:ウソだと思う」かで選んでもらうとこんな結果に……!
【1】コラーゲンは全身に存在するタンパク質である
○:20%
×:80%
正解は……「○(ホント)」
コラーゲンはタンパク質の一種であり、全身に存在しているんです。顔の美肌ケアでクローズアップされがちなので「顔だけにあるもの?」と勘違いしがちですよね。20%と正解者は少なめかもしれません……。
【2】コラーゲンは食事からとると効率的に吸収される
○:21%
×:79%
正解は……「×(ウソ)」
コラーゲンは、食事から摂取すると他のタンパク質と同様に体内でアミノ酸などの低分子に分解されるため、効率的に摂取されるとは言えません。ついつい「コラーゲン入り」と書いてあると美容によさそうと手に取ってしまいがちですが、要注意。
【3】コラーゲンは体内で作り出せないため、外から補う必要がある
○:25%
×:75%
正解は……「×(ウソ)」
コラーゲンはもともと体内に存在する成分であり、体の中で新しく生み出すことができるものです。
さて、あなたは何問正解できましたか?
◆女性たちのギモンを解決!専門家の「コラーゲン」徹底解説
今回は、資生堂グローバルイノベーションセンターでコラーゲンに関する研究・開発に携わっている、内山太郎研究員に「コラーゲンに対する疑問や誤解」について教えてもらいましょう!
Q.そもそも「コラーゲン」とは何なのでしょうか?
コラーゲンは「タンパク質」の一種です。タンパク質は、炭水化物・脂質とともに三大栄養素と呼ばれる、体にとって重要な成分。そして人間の身体をつくっているタンパク質のうち、約30%がコラーゲンとされています。平均的な日本人女性(体重53kg)の場合、体内のコラーゲン量は約3kg。500mlのペットボトルに換算すると、約6本分にものぼります。またコラーゲンというと「肌」のイメージが強いかと思いますが、それだけではなく、骨・目・歯茎・腱・関節・血管など、体内のさまざまな場所に存在しています。
Q.コラーゲンが減ると肌はどうなるのでしょうか?
A.コラーゲンが減少すると、肌のハリが低下してしまいシワやたるみができやすくなってしまうのです。肌のコラーゲン量は、「加齢」に伴い年々減少してしまいます。なぜなら年をとることにより体内で新しくコラーゲンをつくる能力が減ってしまうためです。女性の皮膚単位面積あたりのコラーゲン量を測定したデータをみると、20歳から徐々にコラーゲンの減少がはじまっていることがわかります。また、「紫外線」は肌のコラーゲン分解を促進する要因のひとつになっているため、日常的なケアは必須です。
Q.コラーゲンが多く含まれる食品を食べると、そのまま肌のコラーゲンになるのですか?
A.結論から述べると、そのまま肌のコラーゲンになるわけではありません。
コラーゲンは食事から摂取すると、他のたんぱく質と同様に体内でアミノ酸などの低分子に分解されます。したがって、コラーゲンを食べても、コラーゲンがコラーゲンのまま様々な部位に運ばれてその部位のコラーゲンになるわけではありません。また、食べたコラーゲンは最終的に分解されてしまうことを考えると、「たくさん量を摂る」ことも、肌のコラーゲン量アップを目指すうえではあまり意味がないと考えられます。
ではなぜコラーゲン入りの物を食べて肌の調子が良くなった気がするのか? それはコラーゲンペプチドの摂取によって「肌の水分量」が増加している可能性が考えられます。ただ、肌の水分量が増えたからといって、肌のコラーゲン量が増えているとは言えません。短期的にみると水分量によって肌の調子はアップするかもしれませんが、加齢とともに減っていくコラーゲン量の効率的な対策にはなっていないのです。コラーゲンはもともと体内に存在する成分であり、体の中で新しく生み出すことができます。そして、「コラーゲンを生み出す力」を高めるうえでは、コラーゲンを生み出す細胞を活性化させることが重要です。
細胞を活性化させるためには、適度な運動や質の良い睡眠はもちろん、バランスのよい食事も大切です。
健康的な生活がやはり「美しさ」のカギになるようです。美肌作りのためにも正しい知識を持って毎日磨いていきましょう♡ (中川瑞月)
情報提供元/資生堂ジャパン
〈研究員プロフィール〉
内山 太郎
1991年、資生堂入社。医薬品研究所に配属され、ホルモン剤、抗炎症薬などの開発研究に従事する。2004年、食品研究室へ異動。美容健康サプリメント、特定保健用食品開発を担当。現在は、アドバンストリサーチ ヘルスケア開発グループにおいて、マネージャーとして在籍中。
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