理不尽すぎる!すぐキレる上司への対処法6つ

ここ最近、あなたは「キレた」ことはありますか?
そして「キレる」人を見かけたとき、どのような感情を抱きますか?

近年、あおり運転や児童虐待など、「怒り」を抑えきれずに社会的事件に至ってしまった……というケースが数多く見られます。

そんな社会情勢の中から生まれた1冊が、脳科学者の中野信子さんによる『キレる!』

「人はなぜ怒り、そしてキレるのか」のメカニズムを解き明かし「キレる人」「キレる自分」に必要以上に振り回されずに、うまく怒りを活用していく内容になっています。

★人間関係で超使える!「いい人になろうとして怒らない人」が損する理由

 

今回はその中から、あるあるなケースについてご紹介します。そう、職場に「キレる上司」がいる場合の対応法です。

キレる上司

理不尽すぎる!すぐキレる上司への対処法6つ

【1】まずは、周囲の上手い対応を自分の中に常にストックしておく


できるだけ「キレる人・キレる上司」には近づかずに生きていきたいものですが、どうしても近くにいるときは相手の「キレ」に「言葉・態度」で対応する術を覚えておきたいもの。ただただ耐え続けるだけでは事態が深刻なものになってしまう可能性があります。不当な攻撃をされないための言葉や態度をできるだけ多くストックしておきましょう。

職場や周囲など身近な場所に、おそらく対応が上手な人がいるはずです。「相手のキレのピークをかわして交渉に持ち込む」「うまく笑いに変え相手が冷静になったタイミングで切り返す」など、どのように対処しているかをよく観察してみましょう。

【2】できれば、初動で「踏み込まれたくない領域」を示す


相手が自分より明らかに立場が上だとわかっていても「ここから先は踏み込まれると困ります」という領域を最初に示しておくのが重要です。
関係が深まってしまってから突然訴えても、相手はなかなか納得してくれません。できるだけ関係が浅いうちに、何か不条理なことを押し付けられそうなときは、はっきり言い返す必要があります。
なんでもかんでも怒鳴る上司であれば、はっきりと「怒鳴らないでもらいたい」と言い切るか、反論しづらい相手なら眼力を使ってじっと冷静に目を見つめ、相手に「こいつは支配するのが難しそうだ」と思わせること。
黙っていると標的になり、何を言ってもいいやつだと思われてしまいます。

 

【3】基本的に悪意はない「正論上司」への対応


「上司の言っていることは正論だけど、あまりに厳しくてどうしても頭にくる」という鬼上司がいた場合、つまり「上司に悪意がないケース」の対処法です。

実際にある男性編集者が週刊誌に配属されたところ、書いた原稿をボロボロにけなし、目の前でビリビリ破る鬼軍曹のような上司に当たってしまったことがあったとのこと。最初はその正論攻撃を黙って聞いていたのですが、しだいに相手の怒るツボがわかってきて、「この人は黙って聞いているだけではだめなのかもしれない」と思ったそう。そしていつものように正論で怒鳴られたとき、一度だけ自信を持って思い切って正論で言い返したところ、いつもは鬼のように恐ろしい上司が「おお、そうか」と言って笑ってくれ、その瞬間から上司との関係がものすごくよくなった……という実例があります。

もちろん「ただの屁理屈」ではいけませんが、「正論」で対等にやり合える相手である、と上司に認識を持ってもらえることで「上下」から「対等」へと関係が変わることがあります。

ただ、上司が「自分に恥をかかせたい」と思っているなど、悪意がある場合は話が別です。切り返したあとはできるだけ距離をおいたほうがいいでしょう。

【4】自分がリスペクトされてないと怒り出す、プライドが高い上司


自分に対する批判や指摘に対しては、たとえ正当なものでも許せないタイプの人がいます。

批判ではまったくない、ちょっとした指摘に対しても逆ギレするような「プライドが高い上司」は、「自分に対して100%したがってくれる人以外は敵、99%従っていても1%の指摘をしてくる人は敵」とみなすことがあります。

このような人にどうしても関わらなければいけない場合は、「相手の間違いを直接指摘しない」のが良い方法。このタイプの人の仕事上の間違いに気が付いたら、直接指摘せず、こっそり直してあげて、本人に気づかせるのが得策です。

このような「他人の指摘を嫌う人」は、プライドが高いかわりに、もともとの知性や能力は高い人が多いのです。
ただし、できるだけ距離をとり、極力関わらないようにするのがベターです。

【5】理不尽な怒りへの、一番よくない対応


理由もなく「無能だ、迷惑だ」とののしられたとき「無能なのか……」「迷惑をかけて申し訳ない」と無意味に自分を責めることは、一番よくありません。

もし「お前はダメだ、無能だ」と言われたときに「自分には能力がない」と自分を責めて黙ってしまいがちな人は、自分を顧みる前にまず相手を見てみましょう。

相手の言っていることが正しいのか、それとも自分を下に見て喜んでいるだけなのか。
「私はカモにはなりません」という姿勢を見せ「ダメな人材をいつまでも教育できない上司のあなたはどうなのか」「この人はそんな言葉でしか指導ができない人なのだな」と心の中で言うだけでも少し気が楽になるはずです。

客観的に見て自分に非がないと思ったら、相手の上司の性格や関係性にもよりますが「今日、ちょっといじりがきつくないですか、何かあったんですか」「おうちで何かありました?」と、茶目っ気がありつつ、余裕を見せるような言い返し方をするのもよいのではないでしょうか。

【6】「系統的脱感作法」で、恐怖や不安を克服する


これは臨床心理で効果的とされている、不安や恐怖に対する行動療法の一種です。不安を引き起こす刺激に順位をつけて数値化し、弱い刺激から強い刺激へと段階的に繰り返し経験することで、恐怖や不安を克服する方法です。
たとえば上司の顔を見るだけで緊張してしまい、会社に行くことさえもつらくなってしまった人に対して実際に行った、あるケースをご紹介します。

1.会社の前まで行き、中には入らずに会社の前を歩いてみる
2.徐々に会社に入っていくなど、数段階の経験を経る
3.その上司と廊下ですれ違うところまできたら、廊下ですれ違うときに「スーツにホコリがついていますよ」などと言って、上司の肩にホコリを払う
(すれ違うだけでも恐怖を感じる状態なので、あらかじめ肩のホコリを払うというロールプレイをして練習をしたあとでトライ)

この「肩についているホコリを払う」は、相手に対して失礼でもなく、ダメージを与えるでもなく、さらに自分を貶めた相手を復讐することでもありません。けれどこうした行動は「相手に対して自分は対等な関係だ」ということを自分自身に刷り込んでいく効果があります。つまり、「自分が相手に対して何か効力を持つことができる」という作業です。

相手に対して自分がやられっぱなしである、という気持ちが長期間積み重なることで、恐怖を感じるようになる場合があります。そんなときは「肩のホコリを払う」ことが難しくても「今日のネクタイは素敵ですね。でも少し曲がっていますよ」と声をかけるなど、ちょっとした何かを見つけて、徐々に言葉にできるよう試みてみましょう。

次回はもっと対象を広げ「怒る人・キレる人に対する上手い対処法」「自分が怒りを示したいときに使えるテクニック」をご紹介します。

 

 

キレる!

『キレる! 脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」』
中野信子 著/小学館
780円+税

 

 

★「なんでも聞いて」「それくらい自分で考えて」を同時に言う上司の真意

★苦手な上司の対応は、相手の「意図」を見つけることでグッと楽になる【職場の悩み相談室】

>CanCam.jp TOPにもどる