玉ねぎを切るときもう泣かない!プロに聞いた、涙が出ない5つの対策と方法

玉ねぎは何に入れても美味しい。どんな調理法にも、どんな味にも合って、料理に甘みと美味しさを加えてくれる……。

ただひとつだけ難点があるとすれば「玉ねぎを切るときに猛烈に目が痛くなったり、涙が出たりする」こと。これさえなければ……と思いながら、泣きながら玉ねぎを刻んでいる方も多いのではないでしょうか。

 

玉ねぎ
(c)Shutterstock.com

しかし、きっと何か方法があるはず……ということで、野菜ソムリエアワードにて全国優勝経験があり、食の情報を発信し続けるWEBメディア「365マーケット 食オタMAGAZINE」の編集長を務める、野菜に関して広く深い知識を持つ野菜ソムリエ、藤田久美子さんに「玉ねぎを切るとき、涙が出ないようにする方法」をうかがいました。

 

Q.そもそも、どうして玉ねぎを切ると涙が出るんですか?


それは、「玉ねぎの細胞が壊れると、催涙物質が作られるから」です。

玉ねぎをみじん切りにしたりすると涙が出るのは、切る際に玉ねぎの細胞が壊れて、目や鼻の粘膜を刺激する物質ができます。その刺激物を洗い流すべく、涙が出てくるのです。

★ちょっと難しいのでこれは余談ですが…
涙が出る原因は「硫化アリル」と言われることもありますが、本当は硫化アリルが原因ではありません。
玉ねぎの持つ酵素によって硫化化合物が分解→プロぺニルスルフェン酸に変化→催涙成分合成酵素LFSによってsyn-プロパンチアール-S-オキシドに変化します。このsyn-プロパンチアール-S-オキシドが揮発性の催涙ガスで、鼻や目の粘膜に刺激を与えます。
ちなみにこの論は、かのイグノーベル賞を受賞した研究です。

玉ねぎを切るときもう泣かない!プロに聞いた、涙が出ない5つの方法

涙が出るのは玉ねぎvs人間の自然な反応なので、「100%涙が出ない」という方法は難しいのですが、この「なぜ涙が出るのか?」という点を踏まえると、いくつか対策をすることができます。

◆1.よく切れる包丁を使う


細胞が壊れると催涙物質が出る……ということは、できるだけ細胞を傷つけないように、スパッと切るのがコツ! ここぞというみじん切りの際は、包丁をよく研いでから挑むのがおすすめです。包丁とぎ器がなければ、アルミホイルをくしゃくしゃにして刃をこするだけでも、少し切れ味が良くなります。
今は100円ショップでも包丁とぎ器が置いてあるので手元にひとつ置いておくと良いですね。

◆2.流水にあてながら切る


玉ねぎの催涙物質は、「揮発性のガス」です。揮発性ということは、空気中にその物質が出なければ涙は出ません。そのため、水を当てながら切ったり、水を張った中で切る、という方法は有効です。みじん切りの場合は水中でバラバラになってしまうので難しいですが、細切りのときなどは効果的です。

◆3.換気扇で吸い込みながら切る


こちらも催涙物質が揮発性のガスであることを利用した方法。出てきた催涙ガスを、強力な換気扇で吸い込んでしまおう! ということです。空気の流れないキッチンでは、ずっと涙が出る成分が漂ってしまいますので、いつまでも涙が止まらないという事態に……。
換気扇を回して、換気扇の下で玉ねぎを切ると、いつもよりも軽減されるはず。簡単なので是非やってみてくださいね。

◆4.いっそのこと外で切る


理由は「3.換気扇」と同じです。外でみじん切りすれば、催涙物質は広い大気の中にとけていきます。狭い空間であればあるほど催涙ガスの濃度は高くなるので、家にベランダや大きな窓がある際は外で切ってみると涙は出にくくなり、気分転換にもなるかも。

◆5.先にレンジで加熱する


玉ねぎまるごと皮を剥いたらラップをして、先に電子レンジでチン。500~600Wのレンジなら2分程度が目安です。レンジの中で温まる際に催涙ガスが出てしまうので、そのあとから切っても比較的涙が出にくくなります。邪道かもしれませんが、試しやすい方法かと思います。


玉ねぎを切るときにいつも目が痛くて困っている……という方、是非試してみてくださいね!

回答していただいたのは…
365マーケット 食オタMAGAZINE編集長 藤田久美子さん
野菜ソムリエ、健康マスターエキスパート、健康経営アドバイザーの資格を持ち、食のオタクが集まり食の情報を発信し続ける「365マーケット 食オタMAGAZINE」の編集長を務める。
第5回野菜ソムリエアワードで6万人の中から優勝した経験を持ち、その知識の広さには定評がある。