大和撫子必須の条件!坂東玉三郎が教える日本の美3つ

重要無形文化財保持者で、歌舞伎役者の坂東玉三郎さん。その彼が考える日本の美とは、「日本人の心」でした。歌舞伎の女形として数々の古典の大役を務めている坂東玉三郎さんに日本の美について語っていただいた『和樂』12月号の特集から、日本人女性として恥ずかしくない、凛とした大和撫子になるために覚えておきたい、「日本の美」の中から3つご紹介します!

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■「繊細さ」

歌舞伎では鬘(かつら)をかぶるが、その生え際の形(くり)や毛の生え方で登場人物の性格や年齢がほぼ決まるという。舞台で美術や衣装にこだわり、そして「いくら心を込めて役づくりをしても細部をおろそかにしてしまうと、その役の本当の姿が見えてきません。またそういう細かい拘りこそ遠くから見てもかなり明確に見えてくるのです」と言う。「日本の繊細な工芸にしても、やはり素晴らしい細工をつくるには道具が繊細でなければ成り立ちません。細部にこそ、繊細な拘り、繊細な心が必要なのだと思います」

 

■「清潔さ」

「掃除されていて、清潔であることはとても大事なことです。日本人は暮らしの節目節目に、たとえば年末の大掃除など、基本に戻るために浄化を行う習慣があります。これは精神的にもとても重要なことだと思います」。役者の間には「化粧前を汚してはいけない」という言い伝えがある。「つまり鏡台周りがいつも整頓されていなければならばいということです。それも、お化粧をした後でも化粧前が汚れていてはなりません。化粧前が意味なく散らかっているということは、役も“散らかって”しまっているということなのでしょう」。それはあらゆる職業に、人生にも通じることである。

 

■他人への気遣い

歌舞伎の女形が女房役を演じるとき、女形は立役が取り散らかしたものを演技の中で全部きれいに片付けていく。「父は芝居の事に関しては大変厳しい人で、女形としては“いつでも相手役が芝居をしやすいように心がけなさい”と、常々言っていました。お酒の注ぎ方や座布団の置き方、そして立役がどこにいたらどこに控えていればよいか、江戸時代の男女の居方を学ばなければ古典は勤まりません。当時、女性は一歩下がって後ろに控えていた時代。しかし、女性の役割は重要でした。気を配ることの重要さは舞台上でも感じております」

これらの「日本の美しさ」は、生き方や仕事にも生かせる珠玉の言葉です。日本人女性として忘れないように覚えておきたいですね。

 

和樂2013年12月号表紙

 (『和樂』2013年12月号)

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