編 3つめの新曲『Toc Toc Toc』はいかがでしょうか。
TY 『Toc Toc Toc』はアコースティックなバラード曲で、タイトルはある音を意味しています。韓国でよく使われているSNSの通知の音が「トックトック」というんです。そこで縮めて「トクしよう」とか、「トックやろう」というんですよ。あと、韓国ではドアをノックするときの音を「トックトック」と表現します。このふたつの意味が込められています。
君の心を開くために、心の扉をノックするよ「トックトック」。その方法は、チャットを使ってするね、ということです。少し小心者の男女がこれから恋を始めようというときに勇気を出してほしい、そんな思いを曲にしました。
編 少し恋愛の要素が含まれているんですね。それでは、最後に『Move Your Body』について教えてください。
TY ライブなどの公演中に楽しめるノリのよい曲を作りたくて、強烈なEDMを選びました。2PMの活動をしながらいつも思うのは、ファンのみなさんの熱い情熱です。僕たちが「一緒にやってくださーい!」というと、一生懸命真似してやってくれる姿を頭に描きながら作りました。この曲でみなさんと一緒に盛り上がりたいです!
編 ありがとうございます。かなり多ジャンルの曲を作られているんですが、曲を作るときに、何かきっかけとなるイメージなどはあるんですか?
TY 曲を作るときに「次はこの曲を作ろう!」と何か意識をしているわけではありません。
それよりも、これまでと違った姿をお見せしたいという気持ちがまずありますね。
今回は6バージョンも曲があるんですけれども、それは僕がこれまでに聴いてきた音楽体験が影響していると思います。子供のとき、事務所であるJYPに入ってから、そして2PMの活動を通して聴いてきた、さまざまな音楽ジャンルが混ざり合って、今回の曲につながっているのだと思います。特別な理由があるわけではなくて、自然と僕の中から出てくるんです。
編 今後もいろいろなジャンルの曲作りに挑戦していきたいですか?
TY そうですね。最初に曲作りを勉強したときに、作曲について教わった先輩から、なるべく多くのジャンルの曲を書いたほうがいいというアドバイスをもらいました。
ですから、今までもいろんな曲を書いてきているんですけど、そうすることで変化を見せていきたいと思っていますし、今度、もしまたアルバムを出す機会があれば、また違うチャンレンジをしてみたいと思います。
編 今後の作品も楽しみですね。ちなみに、普段はどういうときに曲を作っているんですか?
TY 僕の場合、“芸術的なスイッチ”というのがあるみたいです。普段は、メロディを考えたり、絶えず音楽について思いを巡らせたりというわけではないんです。ただ、家に作曲ができる作業部屋があるんですが、そこに入ってピアノの前に座るとメロディが浮かんでくるんです。メンバーのJun. Kさんは、常にメロディが浮かぶとケータイに録音するというやり方ですよね。でも、僕の場合は、その環境に置かれると自然と……。僕自身もすごく不思議に思っています。
編 曲を生み出すときは、パッと浮かぶものなんですか?
TY 作曲の方法はいろいろあると思うんですが、僕はアイディアを先に見つけて、それを膨らませてから曲にしていくタイプです。
例えば、今ラブソングを書こうとするなら、より深くディテールを考えてアイディアをまとめたいので、出会った時期はいつで、別れの曲なのか出会いの曲なのか、どうやって知り合ったのか、つきあっている中でのどのポイントについての曲なのか…などを分析するんです。昔は恋について漠然とした中でメロディを浮かべていたのですが、そうするとあまりにも型にはまったものになりがちで、結局は使えないということが多かったんです。
編 そのように具体的に考えていくことが好きなんですか?
TY 設定を決め、そのストーリーの主人公が自分だったとしたら何を言うだろうか、と考えて作っていかないと、やっぱりありきたりの「会いたい」とか「好きだ」というものになってしまうので、曲が完成しないんですね。だから、このような方法がうまれてきたような気がします。
編 ということは、歌詞には自分のリアルな感情がかなり反映されているんですか?
TY 例えば、『Winter 一人』で考えると、もし僕が冬にひとり残されたならば、こういう言葉を口にするんだと思っていただければと思います。