11月19日東京・テアトル新宿にて、映画『雨にゆれる女』の初日舞台あいさつが行われ、主演の青木崇高さん、大野いとさん、半野喜弘監督が登壇しました。
音楽家としても映画界の名匠たちを魅了した半野喜弘さんの監督デビューとなる本作が生まれたきっかけは、2002年のパリに遡り、監督が友人とカフェにいるとき、声をかけてきたのが青木さんだったそう。その時、一緒に飲み、翌日には監督の犬の散歩をする仲になっていたそうです。その10年後……。監督が渋谷のビストロでシェフから「紹介したい俳優がいる」と青木さんと再会。その時に「一緒に映画を作ろう」と約束したそう。青木さんもいままでを振り返り「気さくに連絡を取り合っていたから。感慨深いです」と笑顔を見せました。
また、クラウドファウンディングによる資金集めをした本作について、大野さんは「大きな作品と言えませんが、だからこそ、ひとりひとりの存在が大きい」とあいさつすると、「今までは高校生役が多かったけれど、新しい自分が出せるのでは?と思い、足をひっぱらないよう頑張りました」とコメントしました。
本作は、「色彩や息遣いや優美な旋律など、現代の日本映画にはまれな質感の映像表現」と観た人からのコメントが多く寄せられていることについて、青木さんは、監督の「“吐くブレスを意識して止める”。息遣いにおいて心理描写が出ています」、大野さんも「音のリズムの規則性・不規則性をアドバイスしてもらいました」と、音楽家ならではの演出方法を紹介。
監督も、「一番やりたかったのは、人物の息遣いを一番に、構図・色彩・音をやったつもり。ふたりの存在を中心にした映画」と語りました。
最後に、青木さんより「本当に最高に愛する映画ができました。作品にかかわるすべての皆さんを愛していますし、ありがたく思っています。最後まで退屈なく心に刺さる映画で後悔させません」と自信をもってメッセージを送りました。
今年の第29回東京国際映画祭「アジアの未来」部門に正式出品された映画『雨にゆれる女』は、テアトル新宿にてレイトロードショーのほかに、全国順次公開されます。(平山正子)
公式サイト: http://www.bitters.co.jp/ameyure/
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