WI では実際に声優に挑戦してみていかがでしたか?
綾野 素直に言いますと、(声優は)自分のキャパでは足りていませんでした。今回、山寺宏一さんをはじめ、数々の声優の方が出演されていますが、声優と俳優では、正直根本的に演技の質が違います。技術的な部分も含めて、プロとして声優をやってる方々は、「上手」っていうものを超えていて、プロとしての凄みを感じました。
WI プロとしての凄みですか。
綾野 やっぱり圧倒的な差がありました。僕も役者をやっているので、芝居経験が全くない方よりかは、ある程度 経験があるとは思います。ただ、いざやってみると、とてつもなく難しかったです。せめて1か月でもいいので、声優としてのテクニカルな部分、声の出し方だとか表現方法の違いという部分を特訓したかったですね。それでも今回この作品において自分達ができることって何だろう?と。それは、まだFFを知らない人が、僕や忽那さんを通して「FFっていうゲームがあるんだ」、「こういう世界観があるんだ」と知っていただく要素になれればなと思います。特に僕は、FFのファンだったっていうこともあり、“恩返ししたい” という気持ちもありましたので、自分達が今できる最大の努力をして、そこに向かっていく姿勢だけは崩さないようにとは思ってましたね。(忽那さんを見て)難しいよね?
忽那 難しいです。綾野さん汗だくになって、バスタオル巻いてましたよね?
綾野 風呂上がりみたいでしたね(笑)。
WI 体を動かしているわけではないのに汗だくになるんですか?
綾野 声優さんの録音風景を見ていると、声だけで肉体的なことも全部表現されてるんです。でも僕は首をつかまれているシーンでは、実際に自分で自分の首を掴んで、顔を鬱血させながらやったり。足をひきずるシーンでも実際に足をひきずりながら、腿を叩いたり……そうやって体を動かしながらやっていました。アクションの時もずっとバッタバッタしてたので、きっと録音部の方々は「綾野さん動かないでください」って、本当は言いたかったんじゃないかって思います。
WI 忽那さんはどのように収録されていましたか?
忽那 本当に綾野さんがおっしゃるように、どうしても声優の方々とは違うということに気づいてしまうので……試行錯誤しながらやりました 。収録中は、挫折というか……簡単に挫折なんて言えませんが、自分の限界を目の前で見てしまう感じで、すごく勉強になりましたね。1日の中で色んな感情を超えていきながら、もっと違った感じでアプローチできるんじゃないかとか、色んな挑戦をしてみました。 どこまで必要とされるかは定かではないですが、役者としてその感情を出すことが自分としては一番近づけていけるかなと思いました。ただ、実際に映像を見ながらお芝居をしますから、自分の体で全て表現していく物と違って、目で状況を確認できるのはとても助けになりました。
後編では、さらに詳しくフルCG長編映画『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』に迫ります! フルCG長編映画『KINGSGLAIVE FINAL FANTASY XV』は、7月9日より公開中です。(白鳥優香)
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