奨学金返済貧困、低学歴、非正規雇用、ブラック企業、シングルマザーなどメディアでよく報道される貧困女子。社会的弱者ゆえに貧困に陥ってしまうその生活に、多くの人が注目しています。
いわゆる貧困女子ではなく、学歴もあって、普通に生活している、パッと見“フツー”の「今どき貧困女子」を追っている、ライターで編集者の沢木文さんに、“今どき貧困女子のリアル”について伺いました。
ちなみに、沢木さんは2016年に『貧困女子のリアル』(小学館新書)を発表しています。
Q.そもそも、どんな人が、普通に生活していても貧困女子になるのですか?
「その前に、今どき女性に特有の“階級意識”についてお話しします。
私は編集者・ライターとして16年ほど仕事をしている間に、2000人くらいの女性にインタビューしました。
彼女たちは、容姿や学歴にも恵まれている人が多く、20代まではほぼ同じ階級に属しています。
しかし、そんな彼女たちも30代になると恋愛、結婚、仕事、友人関係などの要素で、階級どころか、住む世界が異なってきます。
ざっくりいうと、子供なし専業主婦、専業主婦で母、キャリア女子、ワーキングマザーというところでしょうか。
この中で仕事がさほど好きではない独身女性が、優劣を競う階級レースに入り、SNSなどアピールしようとすると、今どき貧困女子になる危険性があります」
「30代未婚、もちろん子どももいない。しかし同級生のタイムラインを見れば、母になり充実した生活を送っていて幸せそう。あるいは忙しそうだけど仕事もプライベートも充実していて楽しそう。
そんな彼女たちを見返したいとチラッとでも思ったことがある人は、貧困女子化する危険がある」
と言います。
SNSではクレジットカード決済で高級店、プライベートでは牛丼代も払えない。そういう女性も多いとか。
「他人の人生や生活がSNSで可視化できる時代、隠れ貧困女子は増えていると感じます。
『貧困女子のリアル』でも紹介しましたが、SNSでリア充をアピールするために、無計画にトイプードルを買った35歳の独身女性がいました。
彼女は広告代理店に勤務しながら、クレジットカードの返済が毎月20万円を超えていた。
当然、足りないから、親などに借金することになる。ほかにも、美容に依存して1000万円以上かけた人もいます。
彼女たちに共通しているのは、度重なる女子会、旅行、買い物好きで、それらをSNSにアップしているところ」
確かに、そういう女性、周囲にいるかも。タイムラインを充実させるために、さほど興味がない習い事や旅行先に行っていたかも……。
「モノやコトを消費し、それらをアップする習慣がある人は、お金を払う前にちょっと考えるクセをつけたほうがいい。
その行動は、自分が階級レースに入っているかどうかの判断基準になると思います。
でもこれって裏を返せば、自分がホントは何が幸せかを知る指針になるんですよ。他人にアピールしないことを前提に、お金や時間を使うことは、“本当に好きなコト”。
これをハッキリさせて、毎日を生きることが、貧困予防につながると思いますよ」
次回では、沢木さんに、貧困女子にならないための方法を伺います!
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