『人生が輝くクローゼットのひみつ』は、主に以下のとおり。
■捨てる=片づけではない
■クローゼットの片づけは現在の自分と向き合うこと
■衣替えはしなくていい
■試着マニアになれば自分に必要な服がわかってくる
■バッグの重さは心の重さ
■片づけが心と生活を整え、時間と気持ちの余裕を生む
中でも驚きなのが「衣替えはしなくていい」というもの。私を含め、驚いた方に永岡さんは「なぜ衣替えをするのか、考えたことがありますか?」と問いかけます。
「風習だから」と答えた方。季節ごとに着物の素材や柄を替えていた時代ならともかく、最近の洋服はシーズンレスに使えます。冬でもニットの下にTシャツを着たり、夏にカーディガンをはおったりもします。それに衣替えのたびに奥にしまい込んだり、出したり、さらには防虫剤のにおいが気になるから……と全部洗えば一日仕事。
まったくもって面倒です。片づけをしてせっかくの服の量を減らしたのに、奥にしまい込んだら持っていることを忘れて、また同じようなアイテムを買ってしまうことになりますよ。(本文より)
確かに、衣替えをしなければ初夏と初秋の休日がまる一日、自由に使えるようになりますよね!
永岡さんも以前は、洋服の量を減らすよりも、片づけのツールを増やし、整理をして満足していたとのこと。「ボックスの中にものを分類→クローゼットの奥にしまい込む→持っていることを忘れて同じようなものを買う→ものが増える」という魔のループを繰り返していたんだそう。
考え直すきっかけは、クローゼットの中にどんよりと影を落としている場所を発見した時。そこには、毎シーズン色違いで買うほど大好きだった「ミュウミュウ」のボリュームスカートがありました。
30代半ばになってから、ミニスカートをはく機会が減っているけど、「わたしの鉄板アイテムだし永遠に似合うはず」と思っていた永岡さん。鏡の前で着てみて、絶句したそう。
昔から着ている好きなアイテムは似合うという自信をあっさり打ちくだかれた瞬間を機に、永岡さんの素敵なクローゼットが形成されていきます。
私たちにも思い当たる、そんな「ハッ」とするエピソードが、たくさん詰まっているこの本。服の選び方や収納術の参考になるだけでなく、毎日を自然と輝かせる、日常のささいな考え方を教えてくれます。
この春、ちょっと素敵に、でも手軽に変身したい方におすすめしたい一冊です。(かすみ まりな)
『人生が輝くクローゼットのひみつ』
著者/永岡美夏 1200円+税(宝島社)
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