宝石商に聞く、ジュエリーの“資産性”や価値が下がりにくいものの見極め方とは?【20代のジュエリー入門】

ジュエリーを買うなら20代の理由

身につければ自然と自信が湧いてきて、素敵な街に行く経験ができ、購入後は年々価値が上がっていく…。ジュエリー購入は、単なる買い物以上の値打ちがある! 今、そして10年後、20年後の自分のために、その歴史的な魅力や資産性について深掘り。Vol.3では、宝石商から見た、〝20代〟でジュエリーを買うべき理由と、背中を押す言葉をお届けします。

ジュエリーの歴史は人の歴史。それだけ、長く愛せる魅力がある

教えてくれたのは… 宝石商 諏訪久子さん・諏訪恭一さん

諏訪久子さん
諏訪貿易株式会社(SUWA)代表取締役。慶應義塾大学法学部卒業。幼い頃より家業の宝石に親しむ。東京三菱銀行(当時)、ティファニージャパンを経て、宝石関連文書の翻訳・校正に従事。GIA宝石鑑別士資格を所持。

諏訪恭一さん
諏訪貿易株式会社(SUWA)会長。慶應義塾大学経済学部卒。日本人で初めて米国宝石学会(GIA)宝石鑑別士の資格を取得。国立科学博物館の特別展監修など宝石文化の普及にも尽力。『決定版宝石』(世界文化社)等著書多数。

〝今、ジュエリーの「資産性」に注目が集まっている〟

金の価格は1970年代には1gあたり1,000円台でしたが、2020年には約6,000円、そして2024年には約12,000円と、わずか数年で2倍に。ある程度の年月を経たジュエリーであれば、デザインや宝石の価値を見極めなくても地金だけで非常に高くなっているのです。2025年9月末には20,000円を超え、今後の見通しは意見が分かれていますが、例えば再流通市場できちんと値段がつくというのは、『資産性』の目安のひとつです。

〝価値が下がりにくいものを見極める〟

本来、宝石や貴金属は国境を越えて流通し、物価に連動して価値を保ち続けるので、ジュエリーにはインフレ耐性があります。しかし現在流通している〝ジュエリー〟の多くは実際にはアクセサリーに分類され、価格が品質に見合わないものもあるため、すべてのジュエリーが価値を保ち続けるとは限らないのです。

▶︎補足 from 編集部:日本ジュエリー協会によると
「ジュエリー(宝飾品)とは、宝石と貴金属およびその合金を用いた装身具を言う」
『ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定 2023年度改訂版』より
▶︎補足 from 編集部:ジュエリー表記の「K」って?
「K」はカラットの略で、〝金の純度〟を表す単位。金の純度は24分率で表されます。例えば「K18」なら24分の18が純金、つまり純金75%で、価値が高いといえるのです。

〝古来より愛され、ますます多様に〟

ジュエリーの歴史は、人類の歴史とともに始まりました。美しい石や貝殻を集めて装飾品として身につける文化が生まれ、特別な宝石は富や権力の象徴に。金や銀は貨幣として経済を支える役割に。18世紀の産業革命以降、宝飾文化は王侯貴族だけのものではなくなり、広く普及しました。現在は国際市場で取引される資産価値の高い逸品から、量産品や作家による一点物まで、ジュエリーの世界はますます多様になっています。

\ツタンカーメンのマスクにも、宝石「ラピスラズリ」が埋め込まれていた!/

〝「自分にとって価値がある」ことが、真の資産価値

資産価値としてのみ見ると、ジュエリーの定義は一気に狭まってしまいます。けれどダイヤモンドのほとんどは10億年以上も前に形成されたように、ジュエリーの歴史は途方もなく長いもの。だからこそ私たちは目先の10年、100年だけで価値を測ってしまわず、いつくしみ愛でるということが大切なのではないでしょうか。ジュエリーは資産であると同時に、身につけて、ときめき、次世代に受け継ぐ楽しみもある究極のサステナブルアイテム。『楽しみ半分、資産半分』という視点で、長く愛せる一品を選んでみてください。

ファッション感度が高いCanCam it girlの見解は!?

ジュエリー購入に前向きな、20代のCanCam読者モデル「it girl」20名にアンケート調査を実施。

Q.20代のうちにジュエリーが欲しい理由は?

「自分の価値を認める印だから♡」(戸田綾香さん/26歳/広告関連会社勤務)

「洋服の見え方が変わったり、高貴な女性に見えたりすると思うから」(久木田菜々夏さん/26歳/アイドル)

「金や宝石などが含まれているジュエリーは、資産価値があるから早めに欲しい」(横山キラさん/26歳/商社勤務)

「日割りにしたら、早く買ったほうが1日あたりの金額が安くなるから!」(神谷明采さん/25歳/タレント・大学院生)

20代に価値のあるジュエリーをひとつ

宝石商から見た、ジュエリーの資産性や20代で買うべき理由についてお届けしました。長く愛せるものを選ぶには、資産としての価値はもちろん、“自分にとって価値があること”も含めた真の資産価値を見極めることが大切。焦らずじっくり、最愛のジュエリー探しを始めましょう♪

▼【20代のジュエリー入門】Vol.1、2をチェック↓

2025年CanCam12月号「〝ジュエリーを手に入れるなら20代〟の理由」より
イラスト/糸井みさ 構成/川口里那 web構成/稲垣あすか