【10/4~】AIアートの最前線!銀座のシャネル・ネクサス・ホールにて展覧会「Synthetic Natures」が開催

【シャネル・ネクサス・ホール】AIアート×エコロジーの展覧会「Synthetic Natures」開催

10/4(土)〜12/7(日)の期間、東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールで、展覧会「Synthetic Natures もつれあう世界:AIと生命の現在地」が開催されます。

作品を手がけたのは、リスボンを拠点に活動するアーティスト ソフィア・クレスポ と、彼女がアーティスト・デュオとして活動する「エンタングルド アザーズ」。彼女たちの作品は、世界のアートとテクノロジーが交差する臨界点で、今もっとも注目を集めています。

ソフィア・クレスポ/アーティスト

1991年アルゼンチン生まれ、現在はポルトガル・リスボン拠点。AIと生命科学を融合させ、人工と自然の境界を問いかける作品を制作。代表作に《neural zoo》《artificial natural history》などがあり、仮想生態系や生命体をAIなどを通して表現。2024年にはバルセロナ・カサ・バトリョでプロジェクション・マッピング作品《structures of being》を制作。MITやオックスフォード人工知能学会で講演も行い、2025年にはABSデジタルアート賞「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞。
■公式HP:https://sofiacrespo.com/
■Instagram:@sofiacrespo

エンタングルド アザーズ/アーティスト・デュオ

ソフィア・クレスポとノルウェー出身のフェイレカン・マコーミックにより、2020年結成。「エンタングルメント(もつれ合い)」をテーマに、自然・生態系・テクノロジーの関係性を探求。多様な国際美術館や大学、公共空間でプロジェクトを実施し、作品は世界各国のコレクションにも収蔵。人間と自然、技術が絡み合う世界の複雑さと美しさを表現している。
■公式HP:https://entangledothers.studio/
■Instagram:@entangledothers

AI×生命科学で、見たことのない存在を描く

ソフィア・クレスポは、人工知能(AI)と生命科学の融合において、独自の詩学を築いたアーティスト。彼女がニューラルネットワークで生成するイメージは、虫の羽や植物の胞子、深海のクラゲのような形をしながら、どこか既視感を抱かせる――けれど決して見たことのないものたち。これらのフォルムは、AIが人間の観察力をまねしながら“創造するプロセス”を可視化したものです。

「エンタングルド アザーズ」は、2020年に結成された、クレスポとノルウェー出身のアーティスト/研究者フェイレカン・マコーミックによるアーティスト・デュオ。“もつれ合い(エンタングルメント)”をテーマに、人間と非人間(more-than-human)のあいだにある関係性を、データと想像力で再構築します。深海や植物、変化するデジタル生態系など、目に見えない複雑な世界をビジュアルでシミュレーションするのが特徴です。

本展では、海中2000メートル以深を描く《liquid strata: argomorphs》(2025)、地球規模の現象「湧昇」とAIを組み合わせた《specious upwellings》(2022-2024)、遺伝情報とデジタルデータを重ねた《self-contained》(2023-2024)など5シリーズを紹介予定。

これらの作品が生み出すイメージは、自然の“代替物”ではなく、“人間が自然をどう見たいと願っているか”を映す鏡のよう。絡まり合い、揺らぎながら変化する姿は、現実世界の自然の見え方をそっと揺さぶります。

◆《specious upwellings(見せかけの湧昇)》, 2022-2024

深海から海面へ押し上げられる「湧昇」をAIでビジュアル化。絡み合う情報から生まれる“未知の生き物”のようなイメージは、巨大で複雑な自然の世界を想像させ、まだ知覚できない広大な領域の中に迷い込んでいるかのよう。

◆《self-contained(自己完結モデル)》 (2023-2024)

遺伝子の構造をデジタルデータのコードと組み合わせ、AIでデジタルイメージの“遺伝子組み換え”をシミュレートする作品。特定のイメージを核に、接木のようにさまざまなイメージのコードが次々と付与されることで、まったく新しいハイブリッドなイメージが生み出されます。

遺伝子モデルを模した3Dプリント彫刻には、その過程で生成されたイメージのDNAデータを保存。デジタルデータと生命の構造を重ねることでイメージの「もつれ(エンタングルメント)」を生み出す本作は、自然とテクノロジーの新しい関係性を探る彼らの思考が反映されています。

展覧会シリーズについて

本展は、昨年に続くシリーズ企画の第2弾。長谷川祐子さんが主宰する「Hasegawa Curation Lab.」とコラボし、次世代の若手キュレーターを起用しています。今回は、キュラトリアル・コレクティブ「HB.」の共同代表・三宅敦大さんが担当します。

長谷川祐子 Yuko Hasegawa/アーティスティック ディレクター
キュレーター/近現代美術史/京都大学経営管理大学院客員教授/
東京芸術大学名誉教授、国際文化会館アートデザイン部門プログラム
デイレクター/前金沢21世紀美術館館長

文化庁長官表彰(2020年)、フランス芸術文化勲章シュヴァリエ(2015年)、ブラジル文化勲章(2017年)、フランス芸術文化勲章オフィシエ(2024年)を受賞。
これまでイスタンブール(2001年)、上海(2002年)、サンパウロ(2010年)、シャルジャ(2013年)、モスクワ(2017年)、タイ(2021年)などでのビエンナーレや、フランスで日本文化を紹介する「ジャパノラマ:日本の現代アートの新しいヴィジョン」、「ジャポニスム 2018:深みへ―日本の美意識を求めて―」展を含む数々の国際展を企画。

主な著書に、『キュレーション 知と感性を揺さぶる力』(集英社)、『破壊しに、と彼女たちは言う:柔らかに境界を横断する女性アーティストたち』(東京藝術大学出版会)、『ジャパノラマ : 1970年以降の日本の現代アート』(水声社)、『新しいエコロジーとアート「まごつき期」としての人新世』(以文社)。
三宅敦⼤ Atsuhiro Miyake/キュレーター
キュラトリアル・コレクティブ「HB.」共同代表

1994年⽣まれ。岐⾩県出⾝、京都在住。2019年、東京藝術⼤学⼤学院国際芸術創造研究科修⼠課程修了。
⼤学院在学中にキュレーターの髙⽊遊とともに、キュラトリアル・コレクティブ「HB.」を設⽴。修了後、同研究科教育研究助⼿および黄金町エリアマネジメントセンター・キュレーターを経て、2022年4月から2025年3月まで滋賀県立美術館・学芸員を務めた。同年4月、独立。空間体験としての展覧会の在り方について模索している。

主な展覧会実践として、2024年「滋賀の家展」(滋賀県立美術館、滋賀)、2022年「石と植物」(滋賀県立美術館、滋賀)、2021年「愛しき景⾊の果てで」(The 5th Floor、東京)などがある。また、2024年「森の芸術祭 晴れの国・岡山」にてコーディネーター、2020年「Sharjapan2: Inter-Resonance/Inter-Organics」(Sharjah Art Foundation、UAE)、2019年「Intimate
Distance」(モンペリエ・コンテンポラリー、モンペリエ)にてキュレイトリアル・アシスタントを務める。

主な書籍として『誘う森 森の芸術祭 晴れの国・岡山2024 公式カタログ』(合同会社PURPLE)がある。

■開催概要

展覧会名:Synthetic Natures もつれあう世界:AIと生命の現在地
ソフィア クレスポ / エンタングルド アザーズ
開催期間:2025/10/4(土)~12/7(日)
開館時間:11:00~19:00(最終入場18:30)※イベント開催時は開館時間が異なります。最新情報はウェブサイトをご確認ください。
※入場無料・予約不要
会場:シャネル・ネクサス・ホール
中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング 4F
主催:シャネル・ネクサス・ホール
URL https://nexushall.chanel.com/program/2025/synthetic-natures

自然とテクノロジーが織りなす、不思議で新しいアート体験を楽しんでみて!

シャネル・ネクサス・ホール