「包む」「拭く」「書く」何役もこなす万能アイテム、「懐紙(かいし)」。お茶席で使うイメージが強いですが、普段使いからあらたまった席まで、実はかなりの万能アイテムなんです!
ルーツは文字どおり、“ふところに入れて携帯する紙”。平安時代の貴族やその後の武士たちは、常にふところに入れ、手や箸を拭いたり、菓子を取り置いたり、即興の歌を書いたりと、さまざまな用途に使っていました。
現代でいうティッシュ、紙皿、メモなど、あらゆるものの代替をしていたと言えるでしょう。
『和樂』8・9月号では、そんな大人のバッグに欠かせない和小物の代表格「懐紙」の使い方を徹底解説。基本的な使い方やポイントなど、ぜひ参考にしてみてください。
ルール1 ずらして折るときは着物と同じ「右前」に
普段使いや慶事のときは、必ず輪(折り目)を下にして、左の角が右の角より高くなるように折ります。逆は弔事となるので気をつけて。
ルール2 黒文字はのせてもよし、挿し入れてもよし
右下を少し折って、黒文字や楊枝を挿し込んでお出しすると気が利いています。もちろん、おらずに懐紙の上にそのままのせてもOK。
ルール3 「輪」の部分は必ず手前に!
輪(折り目)は必ず、お客さまのほうに向けてお出しすること。お茶席で自分でお菓子を取るときは、話は必ず自分に向けて使いましょう。
お茶席はもちろん、和食の席でも重宝する懐紙。料理を口に運ぶときの受け皿に、口元や箸先、グラスについた口紅などの汚れを拭くときに活躍してくれます。
また、即席のポチ袋にしたり、コースターとして使ったり、一筆箋としても。懐紙のちょっとした使い方で所作が美しくなり、優雅な雰囲気が漂います。
ちなみに写真に写っているかわいらしい懐紙は、『和樂』8・9月号の付録。この機会にぜひ使ってみてくださいね。(鈴木 梢)
『和樂』2015年8・9月号(小学館)
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