軽くて小さくて、おしゃれな写真がすぐ撮れる。台湾のトイカメラ「PaperShoot」で世界変わった

「キレイな写真を撮る」ことは、いつのまにか私たちの日常で、毎日のように行う行動のひとつ。

毎日持ち歩いていて、パッと撮ればそれなりにキレイに撮れるスマホカメラは、本当に天才。腕がなくとも、撮るだけで急にプロっぽくなるデジタル一眼はやっぱり素晴らしい。

けど、なんか「便利すぎる」のです。もう少し「どんな写真が撮れたか」がその場でわかりすぎない感じがいい。(わがまま?)…かといって、ここ近年急激に人気を集めている「写ルンです」は「27枚撮り切って、現像するまでわからない」というのは…もう少しスピード感がほしい。(わがまま)

そんなわたくし、六本木の蔦屋書店で見かけて以来、「欲しいな〜」とずっと気になっているものがありました。台湾発のデジタルトイカメラ「PaperShoot」です。

このたび思い切ってPaperShootちゃんをお迎えしたら…あまりに「そう、欲しかったのはこれ!」というちょうどよさだったので、ご紹介させてください。

「ホントにこれで撮れるの?」とドキドキする見た目

PaperShootは、その名の通り「紙製」のカバーと、必要最小限の基板丸出しの「カメラボード」で成り立っています。究極にシンプルなデジカメ!

(左)カバー、(右)カメラボード。私はこのセットを¥18,540で購入。

「どこ触っちゃダメなんだろう…」とドキドキしながら単4電池2本とSDカードをセット。そして紙製のカバー(かなりの種類が販売されており、いつでも付け替え可能)をつければ、速攻で準備完了です!

手のひらサイズでかなりコンパクト、ケース含め重さを測ってみると、なんと94グラム。スマホより余裕で軽くて小さいので、小さいバッグの日でも隙間に入れて持ち歩けます。もちろんたいがいのポケットにも入っちゃいます。

「iPhone13 mini」というかなり小さめのスマホユーザーですが、それよりちびっこちゃんです。かわいい。

電源のオンオフはなく、レンズの隣に存在感薄めに存在している、まあるい「U」のようなところを押せば、それだけでサクッと写真が撮れます。半信半疑でしたが、本当に撮れます。

取り込むときはUSB-Cコードで繋ぐだけ。もちろんWi-Fi転送機能つきのSDでもOKです。

アナログなんだかデジタルなんだかよくわからない不思議なたたずまいです。

というわけで、これを持っていろんなところで写真を撮ってみました。

「PeperShoot」実際に撮ってみた

もちろん液晶モニターはなく、ファインダーは「四角い穴」。そこからのぞいて「たぶん、ここで撮ったらいい気がする!」というところで、シャッターを押すだけ。押してから1〜2秒くらいのタイムラグがあって「ピピッ、カシャ」と撮れます。ちょいちょい動くものを撮ってみてるのですが、いまだにどの瞬間の写真が撮れているのかは謎めいています。

まずは、ふと歩いていたら、写真にうってつけの「川に鳥がいっぱいいる様子」を発見したので撮影してみましょう。まずはこちらがスマホで撮ったものです↓

鳥がわかるようにちょっと拡大して撮影。大きな鳥がいっぱいいてかわいいですね。さて、この様子をこのままおさめるつもりで、PaperShootで撮ってみると…こうなりました↓

鳥、全然写ってません。そしてファインダーから見たときは、手前の橋の手すりは映していないつもりでしたが、しっかりはっきり、ものすごく存在感を放っています。つまり、「撮れるはず」の想像と、「撮れたもの」が結構違う!!

けれど、THEトイカメラ感あるレトロな色みといい、想像してなかったのと結構違う仕上がりといい、撮るだけでなんとなく洒落た感じになって、これはものすごくいいのでは…!?

というわけで、数日持ち歩いてザクザクいろいろ撮ってみました。


なんとなく撮ってみたエスカレーターも「なんかイイ感じ」に↓

カラーモードは「フルカラー、白黒、ウォーム、コールド」があり、すぐに変更可能。これはフルカラーで撮ったつもりが、いつのまにか白黒モードになっていた事故。でもこれはこれでアリですね↓

夕方に撮ると光がかなりキレイ。これは提灯を撮ったつもりでしたが、思いのほか空も広めに撮れていて、これも「これはこれでアリだな」という感じ↓

↑からもう少し歩いた、日が落ちる寸前くらいの時間。やっぱり全体的に色みが洒落てます↓

単なる坂道もなんだかいい感じ↓ このとき少し前を歩いている方がいて、その方が写真に残るか残らないかどっちだろう…とドキドキして取り込んだらギリギリ映ってませんでした。

帰省中に車の窓から撮った風景。エモい夏感↓

こんな感じです! 100枚くらい撮ってみたのですが、いい意味で「思った通り」に撮れた写真はあまりなく、「こう撮れたんだ!」という予想外が何かしら発生しました。もちろん、すべてがいい感じの予想外ではなく、「思ったより暗くて何もわからない」「思ったより広く撮れてしまって画面がゴッチャゴチャ」という写真も大量発生。ですが…、

結論、楽しい!!!

「その場ではどう撮れたのかわからない」というギャンブル感は、帰り道をいつもよりワクワクさせてくれる。「いつものあの風景、PaperShootで撮ったらどうなるんだろう?」という視点は、すべての外出をドキドキさせてくれる。いつもの見慣れた風景が姿を変えて、「あなた、こんな一面があったのね」と改めて気付ける…と、たった100グラムにも満たないカメラが、世界の見え方をかなり素敵に変化させてくれました。

一度購入してしまえばSDの容量がある限り撮り放題で、コードを繋げばすぐに見れるので、本当にアナログ感とデジタルのいいとこ取り。「スマホとは違う感じの写真を撮りたい…」「重いカメラはあんまり持ち歩きたくない」という方にとてもおすすめ。お出かけのおともに、ぜひお試しください!

構成/後藤香織