似合うメガネは「顔タイプ」で分かる。プロが教えるメガネ選びの黄金ルール

実用性にプラスして、おしゃれにも欠かせないメガネ。視力矯正だけでなく印象をコントロールするのにも便利ですが、「メガネが欲しいけど、なかなか似合うものが見つからない…」と感じて、かけるのを躊躇してしまう人も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、全国に約1,000店舗を展開する眼鏡市場で「その人に似合うメガネ」を研究しつくし、今ではそのワザを他の社員にも広める教育を担当している金子 和詩さんにお話を伺いました。

自分の顔のタイプに合わせて「似合うメガネ」を選ぶコツを教えていただきましょう!

■メガネのプロ直伝・似合うメガネの黄金ルール

新しいメガネを買うとき、あなたはどんなポイントをチェックしますか? デザインやカラー、形などさまざまな要素がありますが、「似合うメガネ」と出会うためにはちょっと視点を変えてみると良いかもしれません。
来店客にアドバイスをする際、プロはどんなところに注目しているのでしょうか? メガネ選びにまつわる4つの黄金ルールを見てみましょう。

  1. 黒目がレンズの中央にくる
  2. 顔幅とフレーム幅が同じくらい
  3. フレームが眉と平行で、離れすぎていない
  4. フェイスラインの特徴を「打ち消す」形状が正解

 

 

・ルール1:黒目がレンズの中央に来る

▲OK例:黒目がメガネの中央にあると違和感がなく、似合って見えます。

メガネのプロが真っ先にチェックするのは、お客さんがメガネをかけたときの黒目の位置です。「黒目の位置がレンズの中央付近にくる」メガネが、ベストなバランス。顔にしっくりとなじむはずです。
黒目の位置が上下や左右に偏ってしまうメガネをかけると、見た目に違和感が生まれやすくなります。メガネをかけたときに「頼りない印象になる」「離れ目や寄り目に見える」と悩んでいる場合、黒目の位置を意識すると改善される可能性大です。

・ルール2:顔幅とフレーム幅が同じくらい

メガネのレンズを囲むフレーム。このフレームのサイズ感も重要なポイントです。フレームが顔からはみ出るくらい大きいとメガネだけ浮いて見えてしまい、逆に小さすぎると顔が大きく見えてしまいます。

▲NG例1:フレーム幅が広すぎる→メガネだけ浮いてしまう上に目が寄って見え、頼りない印象に。

▲NG例2:フレーム幅が狭すぎる→顔が大きく見えるほか、目の位置も離れて見えます。

バランスが良いのは、かけたときに「フレームの外側の幅」と「顔の横幅」が同じくらいになるメガネです。

ちなみに、黒目の位置やフレーム幅がちょうど良いメガネを選ぶと、見た目だけでなくフィット感も向上します。これらが合わないメガネは顔からズレたり外れ落ちたりしやすい上に、視力矯正という本来の機能も低下してしまうことがあるため、注意が必要です。

 

・ルール3:フレームが眉と平行で、離れすぎていない

フレームと眉の位置関係にも注目しましょう。あまり良くないのは、フレームと眉の距離が大きく離れているケースや、フレームと眉の形がマッチしていないケースです。

▲NG例:フレームと眉が離れすぎていて、眉の角度とも合っていません。そのため、なんとなくちぐはぐな印象に。

ちょうどよいのは、フレームの上辺が眉と平行になっていて、距離もあまり離れていないメガネ。フレームが眉毛に少しかかるくらいのものがベストバランスです。この法則を利用して、メイクの際にメガネをかけた状態で眉を描くのもオススメです。

・ルール4:フェイスラインの特徴を「打ち消す」形状が正解

少し意外かもしれませんが、違和感なく似合うメガネは「フェイスラインの特徴を打ち消す形」とのこと。輪郭別に具体例を見てみましょう。

<似合うメガネの例>

・丸顔の人→角のある直線的な「スクエア」タイプ

▲丸顔さんにオススメの「スクエア」

・三角顔の人→シャープな印象を和らげる「オーバル」or「ボストン」タイプ

▲三角顔さんにオススメの「オーバル」

▲同じく、三角顔さんにオススメの「ボストン」

・四角顔の人→やわらかく優しい印象を与える「オーバル」or「ウェリントン」タイプ

▲四角顔さんにオススメの「オーバル」

▲同じく、四角顔さんにオススメの「ウェリントン」

・面長の人→タテ長な印象をカバーする、天地幅のある「ウェリントン」タイプ

▲面長さんにオススメの「ウェリントン」

このように、自分のフェイスラインと逆の印象を持つフレームを選ぶのがオススメです。顔全体のバランスが良く見え、フェイスラインのコンプレックス解消にも役立ちます。

■メガネ選びをスムーズにする「顔タイプ診断」

さらに上級者の「似合う」を目指したいという人は、メガネ選びに「顔タイプ診断」を組み合わせるのがオススメです。

・顔タイプ診断とは?

「顔タイプ診断」とは、顔の輪郭やパーツの特徴・バランスをもとに、その人に似合うファッションのテイストを見つけ出す診断のこと。自分の顔タイプを把握することで、メガネ選びがよりスムーズになります。
今回お話を聞いた眼鏡市場では、メガネ選びをサポートするためにこの顔タイプ診断を取り入れているとのこと。その際にチェックするポイントは「大人顔or子供顔」「曲線的or直線的」の2つの軸です。それぞれの特徴を見てみましょう。

<子供顔or大人顔>

「子供顔」…フェイスラインが丸形/横長のベース型、おでこが広め、タレ目ぎみ、など。
「大人顔」…フェイスラインが卵型/面長/タテ長のベース型、おでこが狭め、ツリ目ぎみ、など。

<曲線的or直線的>

「曲線的」…輪郭やパーツに丸みがある、目が丸くタテ幅がある、タレ目ぎみ、など。
「直線的」…輪郭やパーツが直線的(角ばっている、骨ばっている)、目の形が切れ長、ツリ目ぎみ、など。

眼鏡市場ではこうしたポイントをもとに、フレッシュ、キュート、クール、フェミニンの4つのタイプを導き出していくとのこと。下の表を見てみましょう。

▲4つの顔タイプと似合うメガネの例。自分がこの図のどこに当てはまるのかを知っていれば、メガネ選びがスムーズになります。(画像提供:眼鏡市場)

<メガネ選びに役立つ4つの顔タイプ>

子供顔×直線的→フレッシュタイプ
子供顔×曲線的→キュートタイプ
大人顔×直線的→クールタイプ
大人顔×曲線的→フェミニンタイプ

ちなみに、100%当てはまるタイプが見つからなくても大丈夫です! 金子さんいわく「ほとんどの人は2つ以上のタイプが混じり合っています」とのこと。ですので、最も近いタイプと次に近いタイプの2つくらいを目安に判断し、「キュート寄りのフレッシュ」「フレッシュ寄りのクール」といった診断結果になるのは自然なことなのです。

以上を踏まえた上で、4つのタイプの特徴と似合うメガネを見ていきましょう。

・タイプ【1】フレッシュ(子供顔×直線的)

童顔でパーツが直線的な「フレッシュ」タイプは、ショートヘアやボーダーの服などカジュアルorシンプルなファッションが似合う人です。
フレッシュさんに最も似合うメガネは、タテ長で直線的なラインが特徴の「ウェリントン」。可愛らしさをプラスするならやや丸みのある「ボストン」を、大人っぽくしたいときは四角い形の「スクエア」フレームからタテ幅のあるものを選ぶと良いでしょう。

▲フレッシュさんにオススメの「ウェリントン」

・タイプ【2】キュート(子供顔×曲線的)

童顔でパーツが曲線的な「キュート」タイプは、優しく可愛らしい雰囲気を持つ人。柔らかい印象のガーリーなファッションがよく似合います。
キュートさんには、まんまるな「ラウンド」タイプのメガネがよく似合います。少しカジュアルに寄せたいときは丸みとタテ幅のある「ボストン」を、大人っぽく見せたいときは楕円形の「オーバル」からタテ幅が長めのものを選ぶと良いでしょう。

▲キュートさんにオススメの「ラウンド」

・タイプ【3】クール(大人顔×直線的)

大人っぽい顔立ちでパーツが直線的な「クール」タイプは、キリッとした印象のハンサムなコーデが得意です。芸能人で言えば宝塚の男役出身の女優さんが典型的。どこか中性的なエレガントさで周囲に一目置かれている人も多いでしょう。
クールさんに最も似合うメガネは、タテ幅が短く横に長い長方形の「スクエア」タイプ。カジュアルな雰囲気に寄せたいときは、「スクエア」の中でもタテ幅がやや長めのものがオススメです。また柔らかい雰囲気を取り入れたいときは、丸みを帯びた「ウェリントン」や「オーバル」の中でも横長のものを選びましょう。

▲クールさんにオススメの「スクエア」

 

・タイプ【4】フェミニン(大人顔×曲線的)

大人っぽい顔立ちでパーツが曲線的な「フェミニン」タイプは、優雅で柔らかい印象を持つ人です。華やかな女性らしいコーデが得意で、ドラマチックな個性派アイテムも上手に着こなせるタイプです。
フェミニンさんに似合うメガネは、優しい丸みで横長シルエットの「オーバル」タイプ。若々しさを出したいときには「オーバル」の中でもタテ幅が長いものを、知的で落ち着いた印象を取り入れたいときには、やや直線に近い「ボストン」タイプのフレームを選ぶと良いでしょう。

▲フェミニンさんにオススメの「オーバル」

■メガネで印象をコントロールするコツ

メガネのフレームが持つ個性を利用して、自分の印象を「なりたいイメージ」にコントロールすることもできます。

<印象コントロールの例>

・大人っぽく見せたい→タテ幅が短いフレームを選ぶ
・カジュアルさ、若々しさを出したい→タテ幅が長いフレームを選ぶ
・キリッと知的な印象に見せたい→直線的な要素をプラスする
・優しい、柔らかい印象に見せたい→曲線的な要素をプラスする

このようなポイントを把握しておけば、メイクや髪型と同様「見せたい印象」によってメガネを使い分けることができます。メインのメガネに一番似合うものを、仕事用やデート用などに印象の異なるメガネを何本か、と選んでいくのも楽しそうです。

また、「生まれ持った顔タイプと好きなテイストが一致しない」という場合にも、メガネで違和感を抑えることが可能です。似合う形をベースに、上述の印象をコントロールする要素を加えることで、「似合う」と「好き」のいいとこ取りが叶います。

金子さんいわく、「診断は、あくまでも似合うメガネを見つけやすくするためのツールです。結果にとらわれすぎず、好きなテイストの中から似合うメガネを見つける手がかりにしていただければ」とのこと。

ちなみに、眼鏡市場では無料で顔タイプ診断を受けることができます。訓練を受けたメガネのプロがチェックシートに沿って診断結果を導き出し、より自分の魅力を引き出せるメガネやコンプレックスの解消に繋がるメガネを提案してくれますよ。

■似合うメガネを選ぶコツ・まとめ

似合うメガネを見つけるポイントについて、再度まとめてみましょう。

  1. 黒目がレンズの中央にくる
  2. 顔幅とフレーム幅が同じくらい
  3. フレームが眉と平行で、離れすぎていない
  4. フェイスラインの特徴を「打ち消す」形状が正解

この4つのポイントをまずは意識すると、見た目がしっくりくる上に、掛け心地も良いメガネを見つけやすくなります。

また自分の顔タイプを把握することで、より自分の魅力を引き出すメガネと出合いやすくなります。

<4つの顔タイプ>

1. フレッシュ(子供顔×直線的)
2. キュート(子供顔×曲線的)
3. クール(大人顔×直線的)
4. フェミニン(大人顔×曲線的)

さらにメガネの持つ個性を使って自分の印象をコントロールし、なりたいイメージに近づけることも可能です。

プロ直伝のコツの数々、メガネ選びの際にはぜひ活用してみてくださいね。

文・構成/豊島オリカ   取材協力/眼鏡市場