みなさんは、爪に関するお悩みを持っていますか? 小さい頃から噛み癖に悩んでいるという方や、巻き爪が悪化して最近歩くのが痛いという方は、実は少なくないはず。できることなら治して素敵な爪になりたいですよね!
そこで今回は、「噛み癖を治す方法と巻き爪」について、育爪(いくづめ)サロン「ラメリック」の代表で、これまで1万人を超える女性たちの爪を美しくしてきた嶋田美津惠さんにお話をうかがいました。
■そもそも、育爪ってなに?
育爪とは、すっぴんの爪を育ててキレイにしていくこと。「生まれつきだから変えられない」と考えられがちな爪の形ですが、実は正しくケアすることによって変えることができるんです!
詳しい育爪のやり方についてはこちらの記事をご覧ください。
■噛み癖を治すには、どうしたら良いの?
爪を噛む癖は子どもに多いと思われがちですが、大人の方でも悩んでいる方はいますよね。イライラしたときに爪を噛むとすっきりするけれど、後から罪悪感や自己嫌悪が湧いてしまうということもあるのではないでしょうか。
嶋田さんによると爪を噛んでしまう人は、断面のギザギザが気になってしまい、それをキレイにしたくて噛んでしまうというケースが多いよう。ヤスリでそのギザギザを平らにすることで、噛みたいと思うきっかけが薄まると考えられます。
また、乾燥しているとむしりたい部分が目立ってしまうため、オイルを塗って保湿をするのがおすすめ! オイルを水で乳化させて塗ることで爪や肌が保湿されてキレイになる上、白くなっていた部分の透明度が増してどこが乾燥していたのかがわからなくなるため、噛みたい場所がわからなくなります。
■オイルが塗れない場所で噛みたくなってしまったら?
イライラしたりストレスがたまったりして、無意識のうちに噛んでしまう方におすすめなのは、爪もみのツボを押すこと。爪の根本のツボを押すことで副交感神経が優位になってリラックスでき、イライラを抑える効果があります。もし衝動的に爪を噛みたくなってしまったり、オイルが塗れない場所にいたりするときはぜひ爪のツボを押してみてください。オイルが塗れる状況のときは、ツボを押してリラックスしてからオイルを塗るのが一番良い方法です。
◼️全部の指の爪を噛まないのは無理そう…どうしたらいい?
全部の指を噛まないのは逆にストレスになりそうで難しい…という場合は「この指だけは噛んでもいい」という指を決めます。どうしても噛みたくなったら、その一本だけ噛んで、他の指はオイルを塗るようにします。
最初から完璧を目指すのではなく「噛んだ指もあったけど、噛まない指もあった」と、できたことに注目するようにします。すると、自分へのダメ出しが減って、逆に「できた」という小さな自信が生まれてきます。そうやって、噛みたくなったらオイルを塗るのを続けていくと、少しずつ噛まない指が増えていきます。
◼️育爪で噛み癖が治っても、ぶり返したりしないの?
ぶり返す人もいると思います。しかし一度噛まなかった期間を経験すると、「自分はかつて爪を噛まずにいられたことがある。だから、また意識すれば爪を伸ばせる」と考えられるようになります。すると、何かが一段落した時や、心に余裕ができたときに「また噛むのをやめてみよう」と自然にチャレンジしたくなるようです。
■足の巻き爪は、どうしたら良いの?
足の親指に爪が食い込んでいる人の多くが、「自分は巻き爪だ」と勘違いしています。しかし、実際には巻き爪ではなく、単に足の爪を短く切り過ぎていたり、爪の角をとがった形のままにしていることで、爪が皮膚に食い込んで痛みの原因になっています。
この場合は、爪用のやすりで爪の角を滑らかに整えることと、爪を指の長さと同じか少し出るくらいまで伸ばすことで、皮膚に食い込まなくなります。
一方、本当の巻き爪は、寝たきりで長い間まったく歩いていなかったり、歩くときに指先が地面から浮いていることが原因です。
巻き爪を根本的に解消するには、自分の足に合った靴を履き、足の指先でしっかりと地面を踏みしめるようにして歩くことが有効とされています。
あまりひどい場合は、巻き爪の治療を行っている皮膚科や整形外科を受診することをおすすめします。
■爪がキレイになると、他にどんな良いことがあるの?
嶋田さんは下記のように語ります。
▼爪が変わるとポジティブになる
「爪がキレイになると、人生の幅が広がります。例えば、『自分の爪は汚くて好きじゃない』と思っている方や『長年、爪の噛み癖をやめられない』という方がいます。
『ただでさえ日常生活が忙しく時間がない上に、ストレスが多くて爪に気を使う余裕なんてない…』と思っていた方が、目にとまるところにオイルを置いておき、ふと気づいたときにオイルを塗り始める。そうすると『自分のことを大切にしている』という感覚が生まれ、不思議と自分のことが好きになり、心に余裕が生まれるようです。
最初は『オイルを塗るのが面倒』だと感じていても、オイルを塗り続けることで心身ともに心地よい感覚が積み重なっていき、いつしか『どんなに忙しくても、爪のケアをしているときはホッとして自分らしさを取り戻すことができる』と感じるようになります。
そうして爪がどんどんキレイになっていき、長年悩んでいた爪のコンプレックスを、まるで初めからなかったかのように忘れてしまうそうです。『子供の頃から何十年もずっと爪を噛んできて、それがストレス解消法なんだからやめるなんて無理』と思っていた方が、やめられた事例もたくさんあります。
何十年も思い通りにできなかったことが『できた』という成功体験をすることで、今まで無理だと諦めていたことでも、『やってみたらできるかもしれない』と前向きに挑戦するようになったり、人と会うのが楽しくなったり、どんどんポジティブになっていくんです。不思議ですよね。」
▼キレイだなと感じると、セルフイメージが上がる
「キレイな爪はセルフイメージの向上にもつながります。近年はスマホをさわる機会が多く、意識しなくても爪が視界に入ります。そのとき爪に対して『キレイだな』と感じると、潜在意識は主語を認識できないため、自分自身に対して『キレイだな』と感じられて自己肯定感が高まり、自然と自信が生まれてくるようです。
『キレイ』というセルフイメージが生まれると『ずっとつけてみたかった指輪をつけてみよう』『今度は髪型を変えてみよう』『次はメイクやファッションも変えてみよう』…と、爪から全身に美意識が連鎖して広がっていきます。そして、どんどん好きなことをしたり、新しいことに挑戦するようになっていきます」
ここまでくれば、「爪が人生を変える」という言葉も決して大げさなものではないと感じていただけるのではないでしょうか。
小さい頃から続いている爪の噛み癖もやめることが可能です。そして、毎日の小さな習慣があなたの爪のお悩みも、自分に対するネガティブな感情も解決に導いてくれる可能性があります。オイルを用意して、毎日の生活の中に「爪をケアする」という習慣を取り入れるところからはじめてみてはいかが?
▼育爪について詳しくはこちらもチェック
『女は爪で美人になる』
嶋田美津惠 著
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嶋田美津惠さん
育爪スタイリスト。育爪サロン「ラメリック」代表。
素の爪を育てる「育爪サロン」を大阪と東京で2店舗経営し、2021年で開業から29年目を迎える。爪を飾る必要すら感じないほど美しくなり、かつ維持するのもラクとリピーターが殺到し、自由が丘店の土日の新規客は2年待ちの状態。これまでに施術してきた人数は1万人を優に超える。著書に『育爪のススメ』(マガジンハウス)、『女は爪で美人になる』(SB Creative)。
育爪サロン「ラメリック」公式サイト https://ikuzume.jp/