新型コロナウィルスの影響で「人が集まること」全般を避けたい今。でも、年末年始といえば「毎年やっているから…」と、人が集まりがちな行事が何かと多いですよね。
その中でも気になるものといえば「初詣」。やっぱり密になる状況は避けたいけど、毎年行っているから行かないのもなんだかモヤモヤするし、年が始まった気がしない…。
ということで、例年は約300万人が初詣に訪れるという浅草寺に「コロナ禍の初詣」についてうかがいました。
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Q.いつからいつまで行ったものを「初詣」と呼んでいいのでしょうか?
A.新年最初のお参りが初詣。特に決まりはありません
浅草寺では例年、1月1日〜3日までの「三が日」にお参りになる方が特に多く、約300万人ほどの方がお参りにいらしています。
とはいえ、新年最初のお参りが「初詣」ですので、いつまで行けばいいのか…ということについては特に決まりはありません。
特に、令和3年のお正月は、感染症拡大防止のため、分散参拝のお願いをしております。いつまでに行かなければいけないという決まりはないので、人出が落ち着いてからゆっくりお参りされてはいかがでしょうか。
Q.比較的混んでいないのはいつ頃でしょうか?
A.平日と、朝開堂してすぐ・夕方以降
やはり平日よりは週末のほうが賑わう傾向にありますが、令和2年は感染症流行の影響もあり、一年を通して人出は穏やかでした。
時間帯でいうと、何時までが良い、何時以降は良くないといった決まりは特にありません。
朝6時半の開堂してすぐ(※1)、もしくは夕方以降であれば円滑にお参りいただけるかと思います。本堂の閉堂は17時なのでお気をつけください。
Q.暦の関係などでこの日に行くといい…というものはあるのでしょうか?
A.「功徳日」というものがあります
おすすめの日としては、その日にお参りすると何日分もの日参に相当するという「功徳日(くどくび)」という日があります。浅草寺の功徳日で有名なところでは7月10日で、この日にお参りすると4万6千日(およそ126年=一生)分の功徳が得られるとされ、江戸時代より前日・当日には多くの参詣者が訪れました。この参詣者を目当てに立つようになったのが「ほおずき市」の始まりといわれています。
3が日を避けたところで最も近い功徳日は2月の末日(28日・29日)で、90日分の功徳が得られるとされています。
ちなみに、大安や仏滅といった六曜の考え方は仏教由来の考え方ではないので、お参りに行かないほうがいいといった日は、浅草寺では特にありません。
Q.新型コロナウィルスの影響で手水の柄杓が撤去されていたり、そもそもお水がない…という場合がありますが、そのときはどうお清めしたら良いでしょうか?
A.実はそのまま参拝いただいても問題ありません
浅草寺でも、令和2年12月現在は柄杓を出していますが、多くの人で混雑が予想される初詣の時期は、感染症拡大防止の観点から柄杓の撤去を予定しております。
お参りの作法として、多くの方が手や口を水ですすいでいますが、これはあくまで作法のひとつです。するに越したことはないかもしれませんが、絶対にしなければいけないものでもないので、そのまま参拝いただいても問題ございません。
Q.おみくじを持ち帰ったあと処分したくなったら、どうしたら良いのでしょうか?
A.お近くの「古札納め所」にお戻しください
お守りやお札のお焚き上げは「古札納め所」にて年間を通して受け付けておりますので、そちらにお戻しいただいて構いません。
遠方のお寺や神社のもので、なかなかそこに戻せない…という場合は、お近くの寺社の多くは受け付けをしてくれるはずですので聞いてみてください。
Q.こうお参りするとより良い…という参拝法はあるのでしょうか?
A.特に指定はありません。心より願えば、観音さまもきっとお守りくださいます
観音さまは、お参りされた方の音(悩み)を観じ(聞いて)、悩みを取り除いてくれる仏さまです。参拝される方がご自身で願い、努力されていることを聞き、それを後押ししてくださいます。
お参りの仕方に「こうしなければいけない」という指定は特にありませんので、一心にお参りいただければよいかと存じます。
感染症の影響で健康についての祈願をされる方も多いかと思いますが、身体健全の祈願をされるのであれば、きちんと普段気を付けて生活されていれば、観音さまもきっとお守りくださるはずです。浅草寺でも、無病息災のお札を本堂にお祀りして、毎日住職が感染症の終息を祈願しております。
初詣というとなんとなく「こんな決まりがあるのでは?」「これをしてはいけないのでは…」と思いがちですが、案外さまざまなことにはっきりと決まりがあるわけではなく、しっかりと心からお参りすれば問題なさそうです。
ついできるだけお正月に近いほうがいいのでは…と早めに行きたくなってしまいますが、今年は思い切って日をずらして、すいている寺社でゆっくりとお参りをするのも心がすっきりとしそう。ぜひ参考にしてみてくださいね。
構成/後藤香織