何もできない…と感じてしまったときはこれ。友達を励ますのに役立つ心理テクニック

何もできない…と感じてしまったときはこれ。友達を励ますのに役立つ心理テクニック

女性

人を励ますというのは、なかなか難しいもの。相手の立場に立ったうえで適切なフレーズを選び、相手の気持ちや考え方を上向きにするというのは、かなりの人間力が要求されます。どうすれば親しい人を元気づけられるのでしょうか!? そこで今回は、「友達を励ますときに使えるテクニック」をご紹介いたします。

 

■落ち込んでいる友達にアドバイスをしようとしないこと

私たちは誰かとコミュニケーションをするときに、相手の頭の中をのぞくことはできません。そのため、自分の経験や知識、推察力によって相手の言葉やしぐさから考えを推量していくことが大切になります。そこで、覚えておいて欲しいのが、人には自分の意見を一般的で適切なものであるとし、それ以外の判断をする人を非常識な人だと思い込んでしまう傾向があるということ。これを心理学ではフォールス・コンセンサス効果と言います。

たとえ落ち込んでいる友人にどんなに非があろうとも、まずは相手の考え方を尊重してあげましょう。励ます上で大切なこと、それはとにかく相手の話を聞いてあげることなのです。

 

■視点を切り替えさせてあげる

私たちは過去のある体験を思い出すときに、その体験の中で最も印象の強い瞬間と最後の終わった瞬間の印象を平均してしまうという傾向を持っています。これを心理学ではピーク・エンドの法則と言います。もしもあなたが友人を励ましたいなら、視点を切り替えさせてあげることが大切になってきます。

たとえば、彼にフラれた場合は、彼との関係が終わったときの話を聞いてあげた後は、一番印象に強く残っているエピソードを聞いてあげましょう。視点が切り替わり、俯瞰(ふかん)して自分を見ることができるようになります。元気になるきっかけをつくることができるはず。

 

■完璧さを打破できれば元気づけられる

人は目標に対して一生懸命努力しますよね。本当は完璧でなくてもいいのに、気持ちが入り過ぎてきちんとしようとしてしまいます。結果、完璧さに対して過剰に反応するあまり、費用対効果を無視して100%にすることに固執してしまうことも少なくありません。このような心のはたらきを、確実性効果と言います。

落ち込んでいる人は、たいてい全力で目標に向かい壁にぶち当たってしまい落ちこんでいることが少なくありません。そんなとき、励ましてあげるには余裕を持たしてあげることがポイントに。ゆるさの大切さを教えてあげましょう。きっと癒されて元気が出てくるはずです。

 

■バイアスに目を向ける

私たちは通常、まず直感で正しそうな答えを発見すると、その答えに飛びついて固執してしまい、別の答えの可能性を頭から排除してしまいがちです。この思い込みのような判断の偏りを確証バイアスと呼びます。これが日々の判断に強い影響を及ぼすことが少なくありません。落ち込んでいるときには、まさにこの確証バイアスが強くなり自分を責めている場合が多いと言えます。

そこで友人を励ますには、思い込みのバリアを取り去ってあげることが大切です。つまり、さまざまな選択肢や決断の可能性を示してあげることで、気持ちを切り替えることが可能になるのです。

友達を励ます際にやってはいけないことがひとつだけあります。それは、相手を変えようとアドバイスしないことです。例えば、もっとがんばってというフレーズなどもそれに該当します。がんばった結果として今があるため、それ以上努力や向上心を求めるのは酷というものなのです。まずはヒアリング、とにかく話を聞いてあげること。そして可能なら、視点を切り替えられるような話をしてあげられたら、あなたは相手から素晴らしい友人だと思われるでしょう。(脇田尚揮)

脇田尚揮
認定心理士。Ameba公式No.1占い師として雑誌やTVなどに取り上げられ、現在テレビ東京「なないろ日和」にてレギュラーコーナー担当。また、自身が監修したアプリ 「マル見え心理テスト」はTBS 「王様のブランチ」 などでも紹介され、120万DL。著書『生まれた日はすべてを知っている。』(河出 書房新社)。