管理栄養士に聞いた、キレイにやせるための4大栄養素
引き締まった綺麗な身体を手に入れるためのダイエット。でも一歩間違えると、便秘や体調不良を引き起こしてしまいます。
それらを防いで綺麗に痩せるためには、どうしたら良いのでしょうか?
ダイエット中に不足しがちな栄養素とそれを補うためにプロが実践している秘訣を、ダイエットアプリ『カロリーママ』を担当している管理栄養士の吉松智美さんに教えて頂きました♪
ダイエット中に不足しやすい4大栄養素
ダイエット中に不足しやすい栄養素は、この4つ!
- 食物繊維
- カルシウム
- 鉄分
- ビタミン類
まずはそれぞれの役割と上手にとるコツを伺いましょう。
食物繊維
食物繊維は便の排出を促す、ダイエットにとって重要な栄養素。じつは食物繊維は、糖質制限ダイエットなどで敬遠されがちな穀類や芋類といった食べ物に豊富に含まれています。このためとくに糖質制限ダイエットでは、便秘に注意が必要です。
食物繊維は腸を刺激して便通を促すだけでなく、腸内細菌のエサとなり、善玉菌を活性化させて腸内フローラを整えてくれます。腸内フローラの改善は免疫力の向上にもつながるため、ダイエットだけでなく全身の健康も期待できます。
そんな食物繊維をしっかりとるためにおすすめなのが、朝ごはんに雑穀米やもち麦を入れたご飯、胚芽やライ麦が入ったパンを食べること。穀類の中でも食物繊維豊富なこれらの食材を朝からしっかりと食べ、快便を目指しましょう。
カルシウム
カルシウムの代名詞といえば牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品ですが、これらは脂肪分も多く、ダイエット中に敬遠されがちな食品です。カルシウムは乳製品の他に、豆腐や納豆などの大豆製品、小松菜やチンゲン菜などの青野菜にも豊富に含まれています。年を重ねると女性は骨の病気にかかりやすくなるため、今のうちにしっかりとっておきたい栄養素です。
カルシウムを多く含む食品の中でも、とくに吸収率が高いのは牛乳です。脂質が気になる方は低脂肪の牛乳でも問題ありません。飲み物として、料理の材料として、しっかりとるようにしましょう。ちょっと小腹が空いたときにはベビーチーズを食べるのもおすすめです。
鉄分
女性には常に不足しがちな、鉄分。鉄分が不足すると貧血などの症状により身体がだるく、疲れやすくなり、日常生活にも支障をきたしてしまいます。とくにダイエット中は食事量自体が少なくなることもあって貧血になりやすく、充分な注意が必要です。
牛肉や豚肉の赤身、レバー、青魚の血合いの部分、貝類などには鉄分が豊富です。しかも脂質が少ないので、カロリーを抑えながら鉄分を摂取できます。緑黄色野菜や大豆加工品などの植物性食品にも鉄分が多く含まれていますが、鉄分が身体に吸収される割合は動物性食品の方が高く、植物性食品の約5倍です。
ビタミン類
ビタミンは全部で13種類あり、それぞれが身体の中で異なる働きをしています。主な役割は、他の栄養素の働きを助けて内臓をスムーズに動かしたり、身体の修復・成長を助けたりすること。ビタミン類が不足すると疲れが取れにくくなったり、肌や髪がボロボロになったりしてしまいます。
ビタミン類が豊富な食材は、生野菜や果物です。加熱すると減ってしまう種類のビタミンも多いので、調理方法に工夫しましょう。そのような種類のビタミンは、加熱時間が短くなればなるほど減少を防げます。おすすめなのは熱が通りやすいよう小さめ・薄めにカットして、電子レンジで短時間加熱する方法。また加熱しても変化が小さい種類のビタミンもあるので、それを上手に利用するのも一つの手です。かぼちゃやにんじん、ほうれん草などの青菜に多く含まれています。
ちなみに吉松さんによれば、鉄分やビタミンに関しては、一時的にサプリやドリンクで補うのも賢い手段。ビタミンをサプリで補う際は、特定の種類だけでなくできるだけいろいろな種類が入ったマルチビタミンのようなものがおすすめです。
プロ集団が実践しているダイエットの秘訣とは?
管理栄養士の一人としてダイエットアプリ『カロリーママ』の開発・運営に携わっている、吉松さん。カロリーママは食べたものの写真や行った運動を入力するだけで、カロリー収支や糖質量、栄養バランスについて、AI(人工知能)が事細かにアドバイスをしてくれます。
アドバイスのための計算式や、各食材・食事に含まれる栄養素のデータ算出を担当しているのが、吉松さんをはじめとする管理栄養士チームの皆さん。いわばダイエットアプリの頭脳とも言える存在ですね。
そんな吉松さんたちプロ集団が美容と健康のために普段心がけていることを、こっそり教えて頂きました。
色とりどりの野菜を食べる
食物繊維とビタミンが豊富な野菜は、色で選ぶのがコツの1つです。1色ではなく色とりどりになるよう意識して選ぶことで、自然といろいろな栄養素をとることができます。
食品やサプリで鉄分を補給する
貧血ぎみな女性におすすめなのが、鉄分の多い食品を食べること。中でもレバーは鉄分の量が多いだけでなく、身体への吸収率が良い食材で、管理栄養士さんの中には「苦手だけど一口でも食べることを心がけている」という人もいるのだとか。どうしてもとれないときは、サプリやドリンクで補うことも多いそうです。
乾物をストックする
吉松さんが自宅にいつもストックしているのが、切り干し大根、ひじき、海藻ミックスといった乾物です。食物繊維をはじめとする栄養素が豊富で、サラダ、炒め物、スープなどさまざまな料理に使える上、お値段も安定しています。「デスクワークが増えたら急に便秘になってしまったので頻繁に利用し始めたのですが、水分でボリュームが増えるので腹持ちも良く、ダイエットにも便利です。今ハマっているのは長ひじきといって、細長いひじき。自炊の幅も広がりますよ」と吉松さん。プロの食卓事情、参考になります。
食事を楽しむこともダイエットの秘訣の1つ
全5回にわたり管理栄養士の立場から効率的なダイエットのコツを教えてくださった吉松さん。最後にCanCam.jp読者へのメッセージをお願いします。
「就職、結婚、出産など、人生のいろいろなステージを乗り越えていく女性の皆さん。いきいきと乗り越えるためには、美容だけでなく健康も意識する必要があります。筋肉や骨が丈夫でないまま年を重ねてしまうと、将来寝たきりになるリスクも高くなってしまうんです。脂肪を減らすだけでなく、身体の基盤となる筋肉や骨を鍛えることも同時に行っていきましょう。
また管理栄養士としては、ダイエット中もできるだけ食事を楽しんでほしいと思っています。調理法をちょっと工夫するだけでも痩せやすい身体は作れますから、食事の量を減らすことだけでなく、今の食生活のどこを変えれば痩せやすくなるかという方法を見つけてみてください。ストレスなく続けられれば、ダイエットも成功しやすくなりますよ!」
【まとめ】
吉松さん、どうもありがとうございました。
スリムで引き締まった身体を手に入れるためには、健康に気を遣うことも大切。食事を上手に工夫して、リバウンドのないダイエットを目指しましょう!
※インタビュー内容は今までのダイエット指導経験に沿ったものです。
お話を伺ったのは…
●吉松智美さん
大学卒業後、管理栄養士国家資格取得。病院の管理栄養士として8年間勤務ののち、株式会社リンクアンドコミュニケーションへ入社。ダイエットアプリ『カロリーママ』担当者として開発に携わる。
iOS版/Android版
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(取材・文/豊島オリカ)