人気雑誌の編集長インタビューシリーズ、今回は『SAKURA』の佐藤友貴絵編集長が登場です。『SAKURA』は「自分らしく、ママを楽しむ」がテーマの好感度カジュアルファッション誌。2013年に流行したものや人気だった記事について、佐藤編集長にお話をお聞きしました。
Woman Insight編集部(以下、WI) 2013年を振り返って、ファッションでブームになったものはありますか?
佐藤編集長(以下、佐藤) ファッションアイテムで言うと「ニューバランスのスニーカー」ですね。世の中全体的にニューバランスのブームがきていたこともあり、『SAKURA』夏号で紹介したニューバランスのスニーカーが「読者の欲しい物」アンケートで1位になりました。続く秋号でもニューバランスの特集をしたのですが、やはり「買いたい物」アンケートの第1位になりました。
WI ニューバランスのスニーカーが人気だった理由は、“歩きやすくてオシャレ”だからでしょうか?
佐藤 ママは赤ちゃん抱っこしたり、子供と一緒に走ったりというシーンが多いので、もともとペタンコ靴を履かざるを得ない状況があるんです。そんな中でスニーカーのブームがやってきて、“実用”と“トレンド”が合致したんだと思います。 ニューバランスのスニーカーは、ノーズが細みのタイプがファッションに合わせやすくて人気です。
WI 『SAKURA』の記事で、ファッション以外で人気だったものはなんですか?
佐藤 読者のアンケートで「意外に面白かった特集」の断トツ1位が「おっぱい」をテーマにした記事でした。この企画をやった理由は、読者モニター会で話している途中、私が何気なく、おっぱいの話をしてみたんです。それまでは読者同士でちょっと距離がある感じで話をしていたのに、おっぱいの話になったらすごく盛り上がったんですね。それで、やっぱりこういうことは悩んでいても誰にも話す機会がないのかな、と思ったので企画したのです。結果、大当たりでしたね。
WI 生活全般で流行ったものは何かありましたか?
佐藤 今は「デコ」ブームですね。お弁当のキャラ弁からはじまった“デコ弁”や、イベントになるとお部屋や壁もデコってみるなど、「デコ」を楽しんでいる人が多いです。お部屋のデコは、お友達などの“おもてなし”の一環とも言えますが、家族と過ごす住空間を楽しく過ごすひとつの技という側面もあると思います。 安い雑貨屋さんで買ったものでお部屋のコーナーを飾るという企画も人気でしたね。
WI ブームになった家電はありますか?
佐藤 ブレンダーやノンフライヤー、ルンバなどありますが、中でも、ホームベーカリーが人気でした。実は、編集部スタッフがホームベーカリーを使ってパンを作ってきてくれたのですが、それがあまりに美味しくて、パンを試食したその日に編集部みんなが一気に買いに行ったということもありました(笑)。
WI そのほかの流行というと、どんなトレンドがあったのでしょうか?
佐藤 2013年は年間を通して「時短」ブームでしたね。いつの時代のママも「時短」には興味があるとは思うのですが、そんなママのニーズが反映された商品がたくさん発売されて、時短ブームに拍車がかかったのか、一層盛り上がっていました。時短商品の極めつけは、時短コースで洗っても汚れがきれいに落ちる、花王やP&Gの洗濯洗剤の発売です。 読者からも「『時短』特集してください」というリクエストが多く、『SAKURA』冬号で時短企画をやりました。キャラ弁を作ったり、ママ友を招くときのお菓子を作ったり……と、ひと手間かけなければいけないことが多くなり、昔のママより今のママは忙しいのかもしれませんね。
ニューバランスのスニーカーは“実用”と“トレンド”がマッチしたことで、ママの間でも人気だったようです。次回は2014年の予測についてお聞きします。(さとうのりこ)
(『SAKURA』2013年冬号)
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