【ぼる塾連載vol.225】あんりさんが思い出した、「ミニストップ」のエピソードと家族への愛について。


こちらは、人気芸人「ぼる塾」のメンバー4人によるリレーエッセイ連載。
225回目は、あんりさんのターン!

今回のエッセイは、最近あんりさんが体調を崩したとき久しぶりに食べたスティックパンの話。そのパンから思い出したのは、幼少期に大好きでよく通ったコンビニ「ミニストップ」のエピソードでした! 家族との絆にも関わるミニストップのフードは、あんりさんにとって「愛」や「幸せ」を感じさせる特別な味。一体どんな思い出があるのか…最後までじっくりご覧ください♡

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「私は子供の頃からいい紅茶を飲んでたわ」by 田辺さん

CanCamをご覧の皆さま、こんばんは。
皆さまは最近、久しぶりに再会した人や、出合った物はありますか?
私は、子供の頃によく朝ごはんとして食べていたパンと久しぶりに再会しました。

あんりさんがが再会したスティックパン。


一袋に大体5〜6本ほど入っている、ほんのりバターの香りがする優しい味のスティックパン。
子供の頃はそれがよくテーブルに置いてあって、朝ごはんに食べられるだけ食べていいというシステムだった。
ふたりの兄は、朝ごはんをちゃんと食べる日と食べない日があって、私はいつも朝ごはんを食べるから、兄の様子を伺いながら「どうやら今日は、自分だけでスティックパンを食べ切ってもよい」とわかった日は、めざまし占いが1位だったときより気分がよかった。
そんな思い出のスティックパン。

そういえば、自分でスティックパンを買ったことってなかったかも。
実家に当たり前のようにありすぎて。
ひとり暮らしになってからは、食べてさえないかも。

最近体調を崩したときに、何故か無性に食べたくなって、Uber Eatsを使ってまで買ってしまった。

久しぶりに食べるスティックパンは、それはそれはおいしかった。
体調が治るまで、そればかり食べたほどだ。

味覚の好みって、子供の頃から変わったものもあるけど、変わらないものもある。
私はまだ、スティックパンが好きなんだ。
それが何だかすごくうれしかった。

他に子供の頃に好きだったものを思い出してみる。
ミニストップのソフトクリーム。

私の実家の近くには、ミニストップがあった。
私は妹や弟と少し歳が離れていて、しばらく自分が末っ子だったから、おじいちゃんやお父さん、お兄ちゃん達のおつかいをよく行っていた。
みんな、私が友達と遊んでいてもお構いなしで、いつでもおつかいを頼んでくる。
でも、反論するより行ったほうが早く済む。
実家とミニストップはそれくらい近かった。

おつかいを頼まれるというのは悪いことばかりではなく、お釣りで何か買ってもいいというご褒美が一応ついていた。
ミニストップのソフトクリームは毎日買っても、誕生日に食べるショートケーキくらいの豪華感・特別感があった。
ソフトクリームに被さったコーンの帽子を外す度に、好きな人と会うときくらい胸が高鳴る。
一口目はソフトクリームだけを食べたいから、コーンの帽子は手に持ったまま、かぶりつく。
二口目からは、コーンの帽子にソフトクリームをつけながらいただく。
ミニストップのソフトクリームを食べているときは、誰ともしゃべらずに向き合う。
賑やかで騒がしい実家だったけど、みんなでソフトクリームを食べているときだけは静かだった。
みんな向き合っていた。
すごく「家族」を感じて、その時間が好きだった。

家族の思い出が詰まったミニストップのソフトクリームを片手に。
最愛の味に、にこにこ笑顔のあんりさん。

お小遣いがもらえる日、働いてもないのに「給料日」と呼んでいた月末、私は奮発してミニストップのプリンパフェを買った。
お父さんが給料日にいいお酒とおつまみを楽しむのを真似ていたんだと思う。
お兄ちゃん達がお小遣いで流行りのカードゲームや漫画やCDを買っている横で、私はブレずにプリンパフェを食べ続けた。
それを見たお父さんが「そんなにプリンパフェが好きなら、あんりの誕生日ケーキもプリンパフェにしようか?」と言ってきたことがあった。
そういうことじゃないよ、パパ。
少女あんりが、父親に初めてツッコミをした瞬間だった。

そんなお父さんからよくおつかいを頼まれていたのは、ミニストップのバジルチキンサンド。
今はもうない、幻の食べ物。
ホットドッグに使うパンに、カリッとプリッと焼かれたチキンとバジルマヨソースがたっぷり挟まっていて、最高においしかった。
お父さんがあまりに毎回頼むから、私も同じものを買ったのが最初の出会い。
初めて食べたとき「お父さんの娘に産まれて本当によかった」と本気で思った。

ミニストップが大好きだった、幼少期のあんりさん。

ミニストップについて語り出すと止まらない。
Xフライドポテト、ジューシーチキン辛口、クランキーチキン、フローズンヨーグルト…好きなものをあげればキリがない。
そして、全てに思い出がついてくる。
思い出は、おいしいものをよりおいしくする力がある。

子供の頃に食べたものが、今でも食べられる。
子供の頃においしいと思ったものが、今でもおいしい。
家族が好きなものを私も好き。
私が好きなものを家族も好き。

なんだ私、幸せじゃねぇか!

ひとり暮らしで体調を崩すと、体だけでなく心もしんどいときがある。
休んでいると時間もたくさんあるから、家族のことを思い出して寂しくなってしまう。
実家の家族を求めて、スティックパンを欲したのかもしれない。
家族にLINEするにも体がしんどいし、電話したくても喉風邪だから声が出ない。
だけど、ミニストップの思い出があってよかった。
家族に会いたいよりも、「ミニストップのあれを久しぶりに食べたい」がだんだん勝ってきた。
そして、そんな気持ちが私の体も心も元気にしてくれました。
どんな時でも旺盛な食欲にあっぱれ!!

 

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文/あんり(ぼる塾) イラスト/mame 構成/衛藤理絵