【実録】海外LCC、半年で6回乗ってみた。ヨーロッパ8カ国旅したライターが赤裸々に語る、海外LCCの心構え

海外旅行の計画時にちょっと悩むこと、それは「海外のLCCって実際どうなの…?」

ヨーロッパ内での移動手段は大抵、飛行機、電車、バスの3つです。半年間のイギリスに留学中、ヨーロッパ8カ国に旅行に旅行した私も、海外LCCは頻繁に利用していました。

今回は、ヨーロッパ旅行で使う可能性が高いけど、ちょっぴり不安なことも多い格安航空の利用について、半年で6回利用した私が「いいところ」と「心配なところ」をそれぞれ経験を踏まえた素直な視点でご紹介します♡

まずは…海外LCCのいいところ

やっぱり、とにかく破格の安さ

基本オンシーズンに旅行していた私が取った、一番安かった飛行機は、イギリスからハンガリーまで約6000円(手荷物なしの場合)。

一度ヨーロッパ内のどこかの国に到着さえすれば、国から国への移動がとにかく安いんです。

移動ルートであるイギリスの首都・ロンドンからハンガリーの首都・ブダペストの距離は1449km。地図で見てみるとこんな感じ↓

かなりの国を横断していることがわかります。一方で、東京からの距離で例えるなら、サハリン南部や台湾の手前の与那国島くらいまで。↓

こう見るとこの距離で6000円は本当に破格。なかなか難しいことですが…可能であれば長く休みを取り、一度ヨーロッパに上陸したらできるだけいくつかの国を巡りたい! と実感できると思います。

乗り心地は日本のLCCと変わらず、良い。

椅子は日本のLCCと同じか、体感少しゆとりあり。驚いたのは、とある航空機で荷物を入れる用の座席のポケットがなかったこと!

それほど困ることはありませんが、「こういう一つひとつが節約されているんだ」と感心してしまいました。

結構「手荷物の基準」が緩い

日本だとかな〜り厳密にチェックされ、1キロのオーバーも許されない手荷物。これは体験談なので「いつも当てはまるわけじゃない」上で知って欲しいのですが…日本よりは全然厳しくないと実感しました。

例えば、パンパンなリュックひとつでヨーロッパを旅行する友人。元々航空券の中に含まれている「持ち込み手荷物のサイズ」から若干オーバーしている…かも? と不安なサイズ感の荷物でしたが、これまで一度も重さやサイズを確認されたことはないとのこと。

また、15キロまでの受託手荷物を少しオーバーしてしまったときも、運良くお咎めなしで通過。ただ、これは完全に運です。対応してくれる方による上に、受託が完全に自動化されている場合には難しいので、守るようにしてくださいね!

安全性は不安を抱くことなし

心配な点のひとつは、緊急時の安全性や手荷物がなくなること 。結論、大きな不安を感じるタイミングは全くありませんでした。

まず、離陸前には必ず緊急時の対応の仕方を丁寧に説明してくれ、避難口の近くに座る人には個別でキャビンアテンダントさんから協力依頼のお話があります。

そして、手荷物に関しても全ての飛行機で何の問題もなく手元に戻ってきました。ただ、鍵をつけるなどの工夫は必ず徹底してください。海外で日本同様の治安を期待すると危険なことも多いので、できる対策は全てやりましょう。

でもやっぱり…困ったところ

遅延の確率高め

私は半年の間に6回LCCで旅行しましたが、その半数は遅延しています。初めてのLCC利用の際は、イギリス・ロンドン→スペイン・バルセロナの便で2時間の遅延。他は30分ほどでした。飛行機に乗り、いざ出発…と思いきや、「説明なし」で2時間待つことに。不安だらけの私に対して、ほかの国々の方はあまり気にしていない様子。1分の遅延でも謝罪してくれる日本の公共交通機関とは、まるで違うことを頭に入れましょう。

2時間遅延の際は、朝9時発の便が11時になったのですが、朝早いために挽回が効き、そもそも観光地の予約などを入れていなかっために問題なく旅行できました。心にゆとりを持って観光するためにも、目的地に到着する当日は予定を詰め込まず、予約なしで行けるような観光地を訪れることをおすすめします。

遅延かと思ったら…キャンセルになった!?

なんでこうなった…? びっくりな経緯

最後のヨーロッパ旅行の際、イタリア・フィレンツェ→イギリス・ロンドンの便で搭乗の3時間前に突如キャンセルに。そろそろ空港に向かうか…! としていたタイミングで、航空会社から「悪天候のためキャンセルになりました」との連絡が。

ここでミソなのが、キャンセル理由が「天候などの仕方のない理由」なのか、「会社都合か」ということ。今回は「悪天候」だったために、航空会社からの補償が一切されないという問題に。(会社都合であれば、EU261法という法律で保証されるのですが…)

このときは、航空会社から「返金か、同じ会社の振替便を利用するか」の2択が迫られました。しかし、提案された振替便はなんと2日後! 翌日外せない用事があった私は、泣く泣く返金し、新たなチケットを取ることに…

わたしの失敗を越えて! 必死の対応

しかし、滞在先は海外便の少ないフィレンツェで、その日は12/27。つまり、元々フライトの数が少ない上に、旅行の超オンシーズンでどの航空券も高いし、売り切れ多数なんです。

3時間調べた結果、イタリアの主要空港が多い「ミラノ」発だと翌朝の早朝出発便が残っていて、値段もそれほど高くない。 さらに3時間かけて、電車で大移動しました。体感は飛行機に乗るためだけに「東京・大阪間を移動した」感じ。数時間眠るだけにホテルをとり、早朝の便は遅延なく到着しました。

ここで学んだことは、次の3つ。

①「日本語サポート」のある旅行代理店を利用して

今回は、Googleの料金比較でそのとき一番安かった「Trip.com」を選んだのですが、この代理店は日本語で航空券を購入できる上、トラブル時の対応も航空会社との仲介に入ってくれるんです。飛行機が遅延の連絡が来た際、メールと電話でTrip.comからも連絡が来ました。

緊急時に英語で対応するのは上級者でも難易度高めなので、「日本語で対応してくれる代理店を選ぶ」ことは大切です。そして、基本代理店のサイトを通して予約する場合と航空会社から直接予約する場合を比較しても、むしろ代理店の方が「最安値」のことも多いので、お値段は心配なしです。

②どのくらい保証してもらえるかは、運要素も高め

私は航空会社からの補償がゼロでしたが、当日同じくイタリアからイギリスに帰る予定だった友人は、すべての搭乗手続きを終えて、搭乗口付近で搭乗待ちをしている際にキャンセルが発覚したそうで…当日のホテル代などは出してもらえたんだとか。どのタイミングでキャンセルになるか、どこまで保証するかは、航空会社次第だったりするんです…。

③何らかの保険に入るか、余裕を持って予算を見積もるか

運要素高めの緊急時対応、備えておくならやっぱり保険に入ること。私の場合は留学保険で2万円まで補償が出たこともあり、都市の移動とホテル代を含めても、少しオーバーするかな…くらいの金額で収まりました。返金までの間、新たな飛行機を取り直す場合を考慮し、5万円くらいはすぐに使えるお金を用意しましょう。

「スリ」や「病気・怪我」などの心配もつきものの海外旅行、何らかの保険に入るか、多めの予算を確保する必要がありそうです。

手荷物の料金が高い

「いいところ」でもお伝えしたように、大荷物なしの航空券はとにかく安いんです。でも、受託手荷物や持ち込み手荷物を追加すると、平気でそこから1000〜8000円くらいまで増加します。これだけ値段に幅があるのは、航空券を取るタイミングによって、こちらも大きく変動するからです。「安いチケット見つけた!」と思ったら荷物代が高すぎる! なんてこともあるので、要注意。

オンラインチェックインが基本

大体出発の24時間前からチェックインが可能になり、お知らせのメールが届きます。このとき、忘れないでほしいのは、必ず空港に到着する前に済ませておくこと!

空港でチェックインをすると7000円〜1万円ほど別途料金がかかる場合もあり、私の友人も実際に支払いました…。

こちらは実際の航空会社から来たメール↓

「オンラインチェックインを逃すと55ユーロ(日本円で約8800円)支払う必要がある」としっかり明記してあります。

ただ、Trip.comなどのアプリ経由で航空券を購入すれば、「自動チェックイン機能」の選択肢を選ぶことも可能。24時間前になると、あらかじめ登録したパスポート情報から登録を代行してくれるんです。500円くらいのときもあれば、無料でつけられることもあるこの機能。「あ、忘れてた…!」なんて事態を防ぐには、オススメです。

オプションは吟味して

海外LCCは、元々の航空券に含まれる金額は「身ひとつで搭乗する場合」のみ。荷物、オンラインチェックイン、払い戻し・変更の可否、海外旅行保険、手荷物遅延補償…

さまざまなオプションが航空券の予約時に表示されますが、一見どれも必要そうなこれらをつけていくとどんどん値段が膨れ上がります。自分に必要なものは、よく吟味して! 

私は毎回「受託手荷物」と「オンラインチェックイン」のみ含め、他はスルー。「保険の代金を払うくらいなら、リスクをとっても航空券を取り直していい」と思う人は保険は不要です。私の体感では、とにかく早くチケットを購入して格安で入手し、トラブルが起こった場合は飛行機を取り直す方をおすすめします。旅行日程、予算を踏まえて考えましょう!

空港が僻地の場合がある

予約時によくチェックして欲しいのがコレ。

主要な都市には、大抵空港が複数あるのですが…絶対に空港名をマップでチェックしてください。実際に私が経験したのは、「パリと書いていたのに、調べてみるとパリの空港の中でも一番遠く、もはや別の街との境目にありそうな…中心地から2時間かかる場所だった!」なんてトラブル。航空券は安くても、そこにいくまでにはさらにバス代・電車代がかかりますし、知らない土地では乗り換えが多ければ多いほど不安。航空会社によってある程度空港は決まっており、LCCでも利便性が高い空港発着な会社はたくさんあります。必ずチェックしてくださいね。


今回は、私が実際に経験したことからみなさんに知っておいてほしい、海外LCCの心構えをお伝えしました。上手に使うとかなり安く旅行できるLCC。うまく心配を回避して、コスパ最強旅を楽しみましょう♡ (Ami)