『M-1グランプリ2023』に続き、『M-1グランプリ2024』も決勝に進出し、一躍売れっ子芸人となったヤーレンズ!
そんなヤーレンズのツッコミ担当、出井隼之介のCanCamでしか読めない!?美容情報なども盛り込んだ、エッセイ連載。
日々過ごす中で思ったことや、おもしろかったことを独自の目線で綴ってくれます。
第24回目は…
ちょっぴりシビアな、吉本興業じゃない事務所の芸人さんたちの収入事情について。
また出井さん愛用アイテムでは、今苦しんでいる人も多い花粉症に効くおすすめの薬も紹介してくれているので、必見です…!
「芸人の収入事情」
日々ご機嫌に生きるためには、間違いなくお金を稼がなくちゃいけない。お金がないストレスは芸人を始めてから随分と長いこと味わってきたので、もうお腹いっぱいだ。
お金がないと不思議なことに、脳の容量のうちお金が占める割合がどんどん増えてくる。「いつ頃あのお金が入ってくるからあの支払いに回して…いや、こっちが先か」という具合に。
特にこの仕事は安定とは無縁の仕事なので、仮にビッグビジネスにありつけたとしても、その報酬がいつ入るかなんてわかったもんじゃない。
おそるおそる「あの仕事のギャラいつ入りますか?」とかマネージャーに確認しなきゃいけないあのストレス。
明細を見て「やっぱ入ってないか…」と崩れ落ちたときの膝の痛み。かかってくる催促の電話。
ああいうのはご機嫌とは程遠い状態だ。多分あのときの脳のCTを撮ったら、瞑想とは逆の状態になっているんじゃないだろうか?
僕にも多少借金があったのだが、完済した日の達成感は忘れられない。初めて、借り入れた日付の下に“残額0”と表示され、「またのご利用をお待ちしています」と書かれたレシートが出てきた。思えばあの日から結構ご機嫌になったかもしれない。
しかし、我々芸人…特に吉本以外を取り巻く現状は厳しい。
吉本興業さんは、プロフェッショナルが運営する劇場が常に稼働していて、賞レースの結果がよければギャラも出番も増えてごはんが食べられるようになる。
コロナ以降の『ライブを配信で観る』という文化の定着も手伝って、その「食べられる」のクオリティは今、相当高い。昔は「コッペパンを食べられる」だったのが、今は「劇場だけでハンバーグを食べられる」のだ。
もちろんそれは簡単なことではまったくなく、まず社内での厳しい競争を勝ち抜かなければならないことや、圧倒的なステージ数をこなさなければならない上にウケ続けなければならないこと、そんなに働いているのに他事務所芸人にやっかまれてしまうことなど、帝国ならではの悩みもたくさんある。
翻って吉本以外の事務所はというと、常設の劇場がないのでそれがない。
賞レースで決勝に行こうが、もしくは優勝しようが、そのチャンスを掴みきってバッチリ売れるか、運よく週末の営業に頻繁に呼んでもらえるかじゃないと、なかなかごはんを食べていけなかったりもする。
と、まぁここまでのことは、お笑いが大好きな人にはわかる現状なのだが、この状況が続く限り、誰も吉本外に入らないだろうと思っている。
今から「芸人になりたい」「お笑いを始めたい」という人で、吉本興業以外の事務所に入るという選択肢をとるというのは、余程の物好きか筋金入りの馬鹿かということになってくる。
この辺をかなり真剣に考えないと吉本外お笑いは滅びてしまうんだけれど、あまり大人がそれを考えているふうもなく。
そんな中、同じ事務所のトム・ブラウン、ヤーレンズ、クロコップ、サツマカワRPGの賞レースファイナリスト4組で全国を周る『ケイダッシュステージお笑い珍道中』というライブを立ち上げた。
日々丸みを帯びている僕を見ていただければわかる通り、ヤーレンズは収入的には大変ありがたいことに今のところ心配御無用なのだが、なかなか全員が全員そういうわけには行かない。
そこで立ち上がったのがこの珍道中。これが毎年各地で満席興行になれば、賞レース決勝進出=珍道中メンバー入り=生活ができる、になる。これが我々が描いた青写真だ。
吉本外お笑いの未来は暗めだが、せめて自分とその周りくらいは賞レースの決勝にさえいければ、なんとなく生活の目処は立つくらいの雰囲気にはしておかないと、さすがに夢がなさすぎる。
こんな書き方をすると生活のためだけみたいだが、気の置けないメンバーと遠征に行くのが楽しいということと、その土地その土地の応援してくださる方々の前で漫才をしたいというのが大前提だ。
この珍道中に関しては前日入りをしたいという我々の要望を汲んでくれて、いわゆる前乗りというやつができた。
今回は栃木編なので、前日にとちぎテレビにお邪魔して夕方の情報番組に出て、最後追い込みの告知。
現地で晩ごはんを食べて1泊すれば、そのときの話をライブのMCで話せるし、直前に移動を挟まないことで体力的な余裕もあるという、楽しさと実利を兼ねたプランだ。お金はかかるけど。
あと、ケイダッシュステージは軍隊と揶揄されるほど硬派な事務所なので、全員でのユニットコントでお茶を濁すような真似は一切しない。
各々が自分の腕っぷしに自信があるので、それぞれのやるべきことをやる。そこがどこだろうが、賞レースでできるようなバキバキのネタもやる。
肝心のライブはというと、大盛況。とてもうれしかったし、やり甲斐があった。ご来場感謝。
ライブのオープニングで前日の情報番組の話をしたり、地元でおすすめのお店を聞いたりして盛り上がり、ネタは各々ばっちりやって、地元のおいしいお店で打ち上げ。サツマカワRPGがR-1の予選で落ちたこと以外は完璧だった。なんちゅう日に落ちてんだよ!
なにはともあれ、続けていきたい活動のひとつだ。
早くも花粉が飛び交っているのが、そこでおすすめなのがこちらの『コーワ』の小粒タウロミン。漢方由来なので眠くなったり、口が乾くなったりする副作用がない気がする。1日36錠で、個人的には効果てきめんだ。
言わずと知れた『オバジ』のいっちゃんええやつ。特濃。冷蔵保存。(ヤーレンズ・出井隼之介)
★ヤーレンズ・出井隼之介の連載は隔週土曜夜配信予定です!お楽しみに★
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1987年3月2日生まれ、神奈川県出身。楢原真樹(写真左)と結成したお笑いコンビ『ヤーレンズ』のツッコミ担当。『M-1グランプリ2023』で初の決勝進出を果たすも優勝を惜しくも逃すが、一気に話題に。好きなことは、コーヒーを飲むこと(カフェ巡り)、サザンオールスターズを聴くこと、美容&メイクなど多趣味で、インスタグラムではコーヒーについても発信している。
・ニッポン放送『オールナイトニッポン0』毎月最終土曜日担当 27:00-28:50 O.A.
・TBSラジオ『パンサー向井の#ふらっと』隔週木曜日レギュラー 8:30〜11:00 O.A.
・ラジオアプリGERA『ラジオの虎』毎週木曜日20時配信
★公式YouTube 『ヤーレンズオフィシャルチャンネル』
★個人公式インスタグラム @dei_junnosuke
★公式X @Yarlens_Dei