今『蛙化ちゃん』が増えているワケを教えて!
恋が上手くいかないのは『蛙化』のせいかも! 蛙化ってどうして起こるの? どうしたら減らせる? 人生経験豊富な精神科医・Tomy先生が『蛙化』について分析! その内容をお届けします!
教えてくれたのは…
SNSで大人気の精神科医。書籍もベストセラーに。新刊『精神科医Tomyの心の不安を取り除いて、寝る前に気持ちをスッキリさせる魔法の言葉』(エムディエヌコーポレーション)が好評発売中。
蛙化は医学用語じゃない!スマホ世代が共感したトレンドキーワード
『蛙化現象』について深刻に悩んでいる人もいるみたいだけど、そもそもこれって医学用語じゃないの。病名ではないから安心して。ミニマリストとか断捨離とか、そういうのと同じね。誰かが作った言葉に共感する人が増えて、今の気分にフィットしたからバズったのよ。それに、元々の意味とは違う使われ方をしているみたい。これってすごく面白い現象。興味深いって感じているわ。なぜこんなに流行したのか、私なりに分析してみたので精神科医・Tomyとしての見解をこれからお伝えするわね。
推し活みたいに恋してしまうと、相手の「人間らしさ」に拒絶感が出る!
『蛙化』は自己肯定感の問題だなんて言われているけれど、今どきのコの『蛙化』は“距離感のバグ”なんだと思うわ。お相手を理想化して、推し活みたいに恋してる気がするの。恋の相手を二次元みたいな存在として捉えてしまうから、生々しい人間だとわかった瞬間に恋が冷めてしまう。インターネットって距離感を失わせやすい場所なのよ。スマホ世代は特にその影響が強く出ていそうね。マッチングアプリもその典型! データに恋しているから冷めやすい。もしかしたら、欲しいのは恋人じゃなくて推しなのかも。
恋は無理にするものじゃない!はっと気がついたら落ちているもの
まず言いたいのは、嫌いになる理由を探している時点で相手を好きになっていないってこと。それに生身の恋愛をするっていうのは、生理的な部分や欠点を受け入れる必要があるんです。『蛙化』してしまう人は、そもそもリアルな恋をしたいわけではないのかも。世間は恋愛をあおってくるから「しなくちゃいけない」と思うかもしれないけれど、自分が満たされていれば、無理に恋する必要なんてないんです。自然と誰かを好きになるときは、欠点を見つけても好意的に受け止められるものだから。
人間関係の経験値を積んでいけば、おのずと蛙化は減っていくはず
今の若い世代はインターネットとコロナ禍の影響で、リアルなコミュニケーション経験が少ないっていうのも『蛙化』しやすさにつながっていると思うわ。先に条件ばかり見て足切りしていたら、本当に合う人を見逃してしまうわよ! たくさんの人に会えば、人間は細部より全体のバランスや中身のほうが重要だって実感するはず。自分の価値基準も人と出会うことではっきりしてくるわ。自分にとって本当に大事なものは何か今こそ考えるときなんじゃない? 『蛙化』はそれを教えてくれているのかも。
脱蛙化Q&A!
みんなのあるあるな悩みに、Tomy先生がアドバイス!
Q.理想が上がりすぎなのか、蛙化しまくります
「理想が高くなっているというのもあるかもしれないけれど、ジャッジ癖があるのかも。恋愛はジャッジしたり、されたりするものじゃないわ。身構えすぎず『一緒にいて楽しいか』をもっと大事にすると楽になれるはず」
Q.長い片思いの末の蛙化!どうしたらいい?
「『蛙化』ではなくて、だんだん相手のことが見えてきた証拠なんじゃないかしら? ある程度関係値が深まっていたなら、単純に合わないところを見つけたと思っていいわ。つきあう前にわかってよかったと思えばいいの」
Q.蛙化しそうなときに収める方法ってある?
「なんで『蛙化』しちゃってるのかちゃんと自問自答する! 本当に好きな相手の場合なら、何がイヤだったか具体的にわかると思う。そうでないなら、恋に恋していただけかも。そんなときはイヤな気持ちを受け入れて次の恋に進んで」
Q.蛙化と思わず「この違和感は大事にしたほうがいい」ってことはある?
「お金と時間の使い方のことで感じた違和感は『蛙化』と決めつけず、じっくり向き合ったほうがいいわ。これは大事な価値観の相違の可能性があるから。あとは性的なことへの道筋のつけ方。強引な人は警戒すべし! 」
Q.蛙化をなくすために日々できる心のエクササイズを教えて!
「たくさんの人に会ってみることね。そして、自分や知っている人のプロフィールを“いいところ”“悪いところ”含めて書き出してみる。そうすると、誰しもに長所と短所があることが心の底から分かってくるはずよ!」
今悩んでいる人も多い『蛙化』。実は恋をしようと無理をしていたり、蛙化ではない必要な違和感なのかも。ぜひTomy先生のアドバイスを参考に、自分の恋愛観と向き合ってみて。
イラスト/YOUI 構成/衛藤理絵 WEB構成/久保 葵