コロナ禍のビジネスマナー、大丈夫?|不快な思いをしたマナー2位は「話し方・聞き方(51.3%)」、1位は…?
新型コロナウイルスの影響で、働き方改革に拍車がかかった昨今ですが、ビジネスマナーをとりまく環境にも変化が表れているよう。
そこで今回は、一般社団法人日本能率協会が全国のビジネスパーソン1000名を対象に行った「ビジネスマナー」の意識に関する調査結果をご紹介します。この機会に自身のビジネスマナーについても見直してみましょう!
ビジネスマナーを必要だと思う人が8割超
仕事をスムーズに進めるうえでのビジネスマナーの必要性について尋ねたところ、全体では8割超の方が「必要である」(「必要」「どちらかといえば必要」の合計)と回答しています。
一方、20代男性では65.5%と顕著に低くなっているという傾向が。親しい交友関係のなかで、ネットを中心としたコミュニケーションが多いことも関係していそうとも考えられそうです。ただ、20代女性は92.7%と、60代女性に次いで2番目に数値が高いことを考えると、必ずしも世代的な理由だけではなさそうです。
5割の人がビジネスマナーで不快な思いをしたことがある
相手(社内外含む)のビジネスマナーについて、不快な思いをしたことがあるかを尋ねたところ、約5割の人が、不快な思いをしたことがあると回答しています。
具体的に不快な思いをしたビジネスマナーについて調査すると、1位「言葉遣い・敬語の使い方(54.7%)」、2位「話し方・聞き方(51.3%)」、3位「あいさつ(41.4%)」という結果に。日常のコミュニケーションに関するビジネスマナーが重要であるということを、あらためて確認することができますね。
☆1位の「言葉遣い・敬語の使い方」に関して、ここでひとつ問題。
お題:「すみません」と「すいません」、文章で書くときに正しいのはどちらでしょうか?
正解は、「すみません」。「すいません」は基本的に口語で使われる言葉のため、書き言葉としては正しくないんです。筆者もこれを知ってから、メッセージアプリで「すいません」と見ると気になるようになってしまいました。もちろん一番丁寧なのは、「申し訳ございません」。スキマ時間に正しい敬語について勉強しておきたいものです。
マナーとして気になる行動は、「会議や打ち合わせ中に携帯・スマートフォンをいじる」が1位
ビジネスシーンにおけるさまざまな行動について、マナーとして気になるかどうかを尋ねてみました。その結果、「会議や打ち合わせ中に携帯・スマートフォンをいじる」ことについて、「気になる」(「気になる」「少し気になる」の合計)との回答が、相手が社外の場合で73.1%、相手が社内の場合で68.6%と突出して高く、いずれも1位となりました。
ビジネスにおいて、スマートフォンは必須のアイテムとはなっていますが、会議や打ち合わせ中の扱いについては、相手への配慮が大切であることがわかります。
それほど重要視する必要がないと思うマナーは、1位「名刺交換」
ビジネスマナーについて、それほど重要視する必要がないと思うものを尋ねたところ、1位「名刺交換」(22.1%)、2位「会議室・応接室での上座下座」(21.4%)、3位「服装と身だしなみ」(17.7%)となりました。
コロナ禍によりリモートワークが広がり、顧客との面談もオンラインによって行われることが増えているなか、名刺交換や会議室での着座方法など、対面での面談時に必要とされていたビジネスマナーの重要度が下がっているようです。
一方で、「すべて重要視する必要がある」との回答も4割あり、引き続き、相手への配慮が大切であると言えそうです。オンライン面談であったとしても、最低限服装や身だしなみには気をつかいたいですね。
3割の人がビジネスマナーについて学んだ機会がない
ビジネスマナーをどのように学んだかを尋ねたところ、「上司・先輩から(34.6%)」、「職場が企画した新入社員研修(34.0%)」が上位に挙げられました。次いで、「職場が企画したマナー研修」が20.2%となっています。一方、約3割の人が、「特に学んだ機会はない」と回答しています。
年齢別にみると、20代では、「上司・先輩から学んだ」との回答が2割以下と低めに。若い人ほど、上司・先輩からビジネスマナーを学ぶ機会が減っているようです。
一方、ビジネスマナーについて、職場で研修機会があったほうがよいと思うかどうかを尋ねたところ、「あったほうがよい」(「あったほうがよい」「どちらかというとあったほうがよい」の合計)との回答が76.1%に達しました。
顧客や職場の人々との人間関係を円滑にし、ビジネスを効果的にするうえで必要なビジネスマナー。特に若い世代で上司・先輩からビジネスマナーを学ぶ機会が減っていることを踏まえると、教育の機会を設けることがこれまで以上に重要となってきそうです。
たかがマナー、されどマナー。一つひとつの行動がビジネスの成功に繋がることも少なくなさそう。むしろ「仕事ができる人」は、これらの行動を自然にできているのではないでしょうか。マナーに縛られすぎるのも良くないけれど、上記のことがスマートにできると取引先や同僚との関係ももっとうまくいきそうです。(平田真碧)