「温泉」と「天然温泉」の違いは?「源泉かけ流し」って?温泉アレコレを徹底調査!
日本は多くの温泉が存在しますが、温泉旅行に行く際、どういった基準でどの温泉に入るか決めていますか?
「源泉かけ流し」などとある温泉には、良い印象を持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、「源泉かけ流し」にきちんと定義があるのはご存じでしょうか? また、「温泉」と「天然温泉」の違いはわかるでしょうか?
そこで阪急交通社が全国の男女全国554名方を対象に行った調査を元に、「温泉や温泉地」についてご紹介します!
「温泉」と「天然温泉」の違いは?「源泉かけ流し」の意味は知ってる?
「温泉」「天然温泉」「源泉かけ流し」「温泉かけ流し」のそれぞれのワードを理解しているか聞いてみたところ、「温泉」は62.8%なのに対して、「天然温泉」は44.9%、「源泉かけ流し」は38.4%、「温泉かけ流し」は21.7%と低くなっています。
「温泉かけ流し」に関しては、理解していない割合の方がやや高くなっており、言葉自体聞いたことがないという方も多かったかもしれませんね。
各温泉用語の本当の意味や定義は?
「温泉」は、温泉法によって「地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、別表に掲げる温度又は物質を有するもの」という定義がなされています(別表では、温度は摂氏25度以上で、物質は溶存物質、遊離炭酸等19の物質のいずれか一つを一定量以上含むものとされています)。
では、「天然温泉」と「温泉」の違いは何でしょう? 実は温泉法で定義された「温泉」と意味は同じです。温泉成分などを追加して作った人工温泉などと区別する形で使われています。なお、日本温泉協会の審査により天然温泉と認められた温泉には、天然温泉表示看板が貸与されます。
「源泉かけ流し」とは、浴槽に源泉が常時注入され、あふれた湯は再利用されない状態のことを指します。「源泉」と付くからには、温泉以外の加水は基本的には認められないことになります。加温については可能だそうですが、状況や理由の提示が義務付けられています。
源泉ではなく「温泉かけ流し」と言う場合には、加水も加温も可能です。ただしこちらも、状況や理由の提示が義務付けられています。
一番温泉が多い都道府県はどこ?
「令和元年度温泉利用状況(環境省)」という資料では、都道府県ごとの温泉地の数や源泉数、湧出量などが確認できます。温泉地数を確認してみると、1位は有名な温泉地も多い北海道でした!
登別温泉は泉質の豊富さが魅力。爆裂火口跡である地獄谷が源泉となっていて、湯やガスが噴き出す様子が見られるのも特徴です。札幌中心部から車で1時間弱とアクセスの良いのは定山渓温泉。稚内温泉は、日本最北の温泉として知られています。その他、ウトロ温泉、層雲峡温泉、十勝川温泉など多くの温泉地があります。
2位は長野県で、蓼科温泉、渋温泉、別所温泉などがあります。そして3位新潟県、4位福島県、5位青森県と、本州北部の都道府県が続きます。一方で源泉数(未使用の源泉数も含む)となると、大分県が圧倒的に1位となっています。
出量も大分県が1位で、全国の約10.9%を占めると言われています。そして2位鹿児島県、5位熊本県と、源泉数では九州地方の県が多いのが特徴です。
「日本一のおんせん県」とも言われる大分県には、海地獄、血の池地獄、白池地獄などの「地獄」をめぐる「別府地獄めぐり」で有名な別府温泉、情緒あふれる街並みと自然を満喫できる由布院温泉などがあります。
日本三名泉がどの都道府県にあるか知っている割合は?
数ある温泉の中でも、「有馬温泉」「草津温泉」「下呂温泉」は日本三名泉として知られています。名前だけであれば一度は聞いたことがあるという人がほとんどでしょう。では、日本三名泉がそれぞれどの都道府県にあるかについてはどうでしょうか?
一番知っている割合の高かった草津温泉は、群馬県の西部、長野県に面した群馬県吾妻郡草津町にあります。温泉街の中心にある湯畑の景観が有名で、強酸性の泉質によって高い殺菌効果が期待できると言われます。大きな板で湯をかきまぜる「湯もみ」の鑑賞や体験も人気です。
下呂温泉と有馬温泉がどの都道府県にあるか知っている割合はほとんど同じでした。
下呂温泉は岐阜県の中部、下呂市にあります。下呂温泉の泉質はアルカリ性で、なめらかさのある湯が特徴。美肌効果が期待できるとして、「美人の湯」とも呼ばれることがあります。
有馬温泉は兵庫県の神戸市にあります。有馬温泉は、環境省が療養泉として指定している9つの主成分の内、7つもの成分が含まれている珍しい温泉です。その上、赤褐色をした金泉、無色透明の銀泉に分かれているという面白さもあります。
温泉用語を覚えて温泉選びをより楽しんで
温泉が看板に掲げる「天然温泉」「源泉かけ流し」などの定義をきちんと知っていれば、より旅行先の温泉を選ぶのが楽しくなるかもしれませんね。温泉地のたくさんある北海道、湧出量日本一の大分県などでは、源泉かけ流しの温泉がある宿も見つけやすいかもしれません。
なお、温泉法により、各温泉は温泉成分の分析、提示が義務付けられています。旅行先の温泉で温泉分析書を見つけたら、泉質や成分、加水や加温がされているのかどうかなどもぜひ見てみてくださいね!まだまだ寒い季節、温泉にゆっくりつかり、日頃の疲れを癒してみませんか♡
情報提供元/阪急交通社