上質でラグジュアリーな大人の女性のためのファッション誌、『Precious』。2014年は、創刊10周年というアニバーサリーイヤー。銀座をアッといわせ、世界中で注目の的となった日本初の空中ファッションショーも記憶に新しいところですが、そんな記念すべき2014年を、7月に編集長に就任した、高橋木綿子さんに振り返っていただきました。
Woman Insight編集部(以下、WI) 2014年、Preciousは創刊10周年を迎えられたとのことですが、今年はどのような年でしたか?
高橋編集長(以下、高橋) 今年は10周年ということで、ラグジュアリーの本質、『Precious』の本質に立ち返る年でした。例えば4月号。通常は春のファッションの立ち上がりということで、そのシーズンならではの流行やファッションスタイルを特集するのですが、今回は「名品」を巻頭特集にしました。流行に左右されずに10年愛せるもの、「一生もの」と呼ばれるものですね。大人の女性だからこそ使いこなせるものだし、クラス感も出せ、自分の満足感も満たせる……。まさにPrecious世代の必須アイテムということもあり、とても好評でした。
WI たしかに、Preciousというと名品というイメージです!
高橋 という一方で、2014年といえばカジュアルが大流行しましたよね。これがPrecious世代にも新しい価値観をもたらしたんです。Preciousといえばシンプルでラグジュアリー、エレガントなスタイルが定番ですが、そこにもう少し肩の力を抜いた、軽やかな女らしさが加わったんですね。
WI Precious世代もカジュアルになったということですか?
高橋 “カジュアル”というと休日のためのものというイメージですが、そういったシーンに限らず、Preciousが提案するような40代女性のお仕事スタイルのなかにも、ちょっとしたカジュアル感を入れる、という提案がとても好まれるようになりました。スニーカーやワークブーツのコーディネートを載せると人気が高くて、読者アンケートの「好きなコーディネート」でも上位に入ってきたんですよ。
WI Precious読者の方が、スニーカーを履くんですか!?
高橋 そうなんです。「Preciousを見て欲しいと思ったもの」のアンケートでも、クロコダイルのバッグの横に、コンバースのスニーカーが並んでランクインしてきたり。シャネルのワークブーツみたいな、スポーティなものが人気になったりしました。シンプルラグジュアリーという、Preciousテイストはキープしつつ、2014年ならではのミックス感を楽しむ、という新しい年でしたね。
ちなみに、ドルチェ&ガッバーナのレースカーディガン、シャネルのツイードジャケット、ロエベのアマソナ、ヘルノのダウンなどが、名品の中でも特に支持が高かったそう。ドルチェ&ガッバーナのカーディガンに至っては、掲載後ほとんど完売になってしまって、「売るものがない」とお店の方から連絡が入ったほどだそうです! そんな、名品を愛しつつ、スニーカーなども気軽に取り入れるPrecious読者たち。日本経済を支えるといっても過言ではないその実態に、次回は深く斬り込みます!
(『Precious』2015年1月号)
【編集長インタビューシリーズ】
※CanCam編集長が語る、2014年に出現した”プチバブル世代”。その正体とは!?
※AneCan編集長が語る2014年ファッションの変化「先取ることの難しさ」とは!?
※Oggi編集長が2014年を振り返り。「キーワードは”ネイビー”そして”エフォートレス”」
※「メンズの2014年は“○○○”一辺倒」MEN’S Prescious編集長インタビュー
※『和樂』編集長が的中させた2014年の大ブーム「○○文化」とは!?
※価値観激変!SAKURA編集長が見た、ママ読者の新トレンド!
※NO.1美容誌『美的』編集長が語る、読者が求める”大人の色っぽさ”とは
【昨年(2014年)のインタビューはコチラ】
1回目のインタビューはコチラ→ Precious編集長が断言!「富裕層の“消費マインド”は完全に戻った」
2回目のインタビューはコチラ→ 仕事の合間にパッと3000万円の時計を買うPrecious読者層って?
3回目のインタビューはコチラ→ Precious編集長が明かす「早い人はもう脱トラッドして女らしいベーシックへ」
【あわせて読みたい】
※老化が気になる目元のカバーは「コンシーラー1本で!」が新常識