着物を着るとき、小物まできちんと気を配っていますか?
着物の装いで小物に手を抜いてしまうと、せっかく着映えする着物と帯を選んでも、台無しになってしまうことも……。とはいえ、小物はあくまで脇役。主役の着物や帯を立てつつ、きらりと存在感を示すぐらいで合わせるのがちょうどいい。
さて、よそいきシーンにぴったりな「大人華やか」な着物の装いにおける小物の選び方のポイントを『和樂』11月号よりご紹介します。
【1】帯揚げ、帯締めは、大人っぽさを足すもの。
小物合わせで失敗しないコツは「なじませる」ことです。特に帯揚げや帯締めで補色や濃い色をアクセントとして使うのは難度が高いものですが、淡い色を秋に着る場合は、帯揚げ・帯締めであえて濃いめの秋色を差すことにより、自然に装いを秋テイストにすることができます。より「大人華やか」に仕上げるなら、グレーやベージュ、ブラウンに近い色味の大人なピンクや紫系の色を取り入れると◎。
ネイビーの帯揚げ×ピンクベージュの帯締め、茶色の帯揚げ×ブルーグレーの帯締めなど、差し色と言えどシックな色同士の組み合わせが大人のスタイルには素敵です。
【2】長じゅばんは、おしゃれの奥行きを深めるもの。
まず手に入れるべき長じゅばんは、無難と言ってもいい無地に準じたシンプルなものですが、その基本を持っていた上で一歩進んでコーディネートにリンクする長じゅばんを合わせることで、奥行きと華やかさがアップ!
遊び心ある長じゅばんを選ぶのは、きものと帯が決まったタイミング。帯とリンクさせた色づかいや模様のものを持っておいて合わせると、遊び心を感じさせる着こなしの隠し味になってくれます。
【3】履物は、さりげなく個性をアピールするもの。
草履をさりげなく目立たせるおしゃれ術も楽しいけれど、“大人華やか”な装いの場合、すらりときれいな縦ラインも美しさの要素のひとつとなるので、その流れを断たないよう、着物の色になじむ同系色の台の履物を合わせて、品よくまとめましょう。
万能な草履は、台と鼻緒が同じ色と素材のプレーンなものですが、華やかさには欠けます。“大人華やか”な着こなしのときは、台は着物の色となじみつつも、鼻緒が足袋の白に載せたときに趣味のよさが伝わるような布のものを選びましょう。さりげなく凝ったデザインのものを選べば、「無難」に陥りません。
小物を買うときに気にかけたいポイントは、着物や帯との組み合わせ。いくら単体で素敵だと思って買っても、着物や帯との「合わせ」ができなければ、使い勝手が悪く、結局使わないといった事態になってしまいがちです。賢い小物術を身につけて、素敵な着物ライフを送りましょう♪(後藤香織)
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