服を選ぶときにチェックしておきたいポイントに「着回しできるかどうか」がありますよね。しかし、「着回せそうだな……」と思って買っても、実際にはそうでもなかった、ということはありがち。そんなことがないように、ファッション誌『Oggi』のエディターとして活躍する三尋木奈保さんは、「これさえできれば着回せる」という3段階着回しルールを決めています。
自分のワードローブを思い浮かべてシミュレーションすれば、その服の着回し力はバッチリ。大好評につき増刷された三尋木さん初の単行本『My Basic Note』から、三尋木さん流着回し術をご紹介します。
【三尋木さんインタビュー記事はコチラ】
前編→ お洒落敏腕エディター三尋木奈保、初の単行本出版!「3回気絶しそうだった」
後編→ Oggiエディター三尋木奈保、「ふつうの服でおしゃれな感じ」にする方法、その執念
【My Basic Note 紹介記事はコチラ】
敏腕エディター三尋木奈保に学ぶ、おしゃれにありがちな悩みを解決する6つの視点
【ステップ1】まずは王道、スタイルよくきれいめに着こなせるか
まずチェックすべきは、新しい服を自分のいつもの定番ワードローブになじませて、自分に自信を持てるきれいめな着こなしができるかどうか。朝、仕事に向かうのが楽しくなるような着こなしができるとベスト。「手持ちの服とはあまり合わなそうだけど可愛いから買う」では、せっかくの服も出番がない可能性が大。
【ステップ2】いつもの王道配色と違う、コントラスト配色で着られるか。
着回しといえば「合わせるアイテムを変える」で考えがちですが、一気に印象チェンジできる方法として頭に置いてほしいのが「色を変えて合わせられるか」ということ。ステップ1での王道着こなしでは、おそらく「なじませ系」の王道配色で考える人が多いと思いますが、ここで印象チェンジにあたり考えるべきは「コントラスト」の配色です。
【ステップ3】がらりと印象を変えたスタイルにすることは可能か。
ステップ3で考えたいのは、ステップ1、2までと同じ印象ではなく、大きく印象が変わるスタイル。例えば「きれいめベーシック」を「休日カジュアル」もしくは「おでかけドレスアップ」へ。「爽やかカジュアル」を「洗練クール」へ。「大人マニッシュ」から「クラシカルフェミニン」など、大きく印象チェンジできるか。このステップまでくると考えたいのは、服との合わせだけではなく、手持ちの小物とのコーディネート。ストールやスニーカー、アクセントネックレスなど「効きのいい」小物が印象チェンジに威力を発揮します。
【例えば三尋木さんならこんな感じで考えます】
【1】ベーシックなネイビーのニット
ステップ1:出番多数の手持ちの美脚白クロップドパンツに合わせられるか。
ステップ2:白パンツが合ったなら、茶色スカートにも合うかどうか。
ステップ3:セルフレームめがねやごつめ時計やスニーカーなどのメンズライクな小物とデニムを合わせて、「王道ベーシック」から「休日スタイル」に変えられるかどうか。
【2】鮮やかオレンジの冒険色スカート
ステップ1:いつものライトベージュのシンプルニットに合わせられるか。
ステップ2:ベージュニットの次に、ネイビーニットは合わせられるか。
ステップ3:ニット合わせの「あたたかみ」スタイルから、レザーブルゾンなど辛口アイテムを合わせた「かっこいい」スタイルに変えることは可能か。
【3】ベージュのコットンパンツ
ステップ1:定番中の定番、コンサバ白ブラウスに合わせられるか。
ステップ2:カジュアル感を引き出せる、ダンガリーブルーのシャツを合わせられるか。
ステップ3:ここまでの「爽やか系スタイル」から、都会的な印象の黒のノースリニットなどを合わせて「洗練クール」な方向へ印象チェンジできるか。
手持ちの服がすべて3パターン以上に着回していけるなら、こんなに力強い味方となってくれるワードローブもありません。さらに、1枚でさまざまなテイストに着こなしていけるのはベーシック服ならではの強みですよね。次に服を買うとき、三尋木さん流着回し術を頭に入れてお買いものをしてみてはいかがでしょうか?(後藤香織)
『My Basic Note 「ふつうの服でおしゃれな感じ」のつくり方』
三尋木奈保/著(小学館/1,400円+税)
【あわせて読みたい】
※お洒落敏腕エディター三尋木奈保に学ぶ、冬のベーシックスタイル7つのコツ