カシミア。なんて甘美な響きなのでしょう! 優しい手触り、まばゆいまでの光沢、ふわりと包み込むかのようなぬくもり……。最近では手頃な価格のカシミアニットも流通し、だいぶん親近感を感じる素材になりました。でも、カシミアってそもそも何??? 女性の憧れの的「ファー」と「カシミア」の大特集を組んでいる『Precious』12月号から、さっそく学んでみましょう。
■カシミアの原料は?
寒暖差が激しい高地に生息する「カシミア山羊」のうぶ毛が原料。あの繊細さは「うぶ毛」だからこそなんですね! しかも年に一度の脱毛期にしか採取できないので、とても希少。最近は環境保護のため、飼育頭数や放牧に制限が設けられているため、高品質なカシミアの希少性はますます増しているのだとか。
■どうして薄くて軽くてもウールよりあたたかいの?
カシミア山羊の毛は、羊の毛にくらべ3分の2程度の細さ。羊の毛の断面は楕円形であるのに対し、カシミア山羊の毛の断面は球形。これが毛織物となると生地が空気をより多く含むことになり、”外気を遮断&体温の放熱を防ぐ“という断熱材のような役割を果たすのだそう。なるほど!
■独特のツヤ感はどうして生まれるの?
私たちの髪の毛同様、動物の毛の多くはキューティクル状になっています。シャンプーのCMなどでもよく耳にしますよね。わかりやすくいえば「ウロコ状」。カシミア繊維のキューティクル形状は、動物の毛のなかでも特に凹凸が少なくキレイなのだそう。あのリッチな光沢は、繊細さとなめらかさあってこそなんですね。
■長く美しく着るためには?
高級な服ほど、手入れにはちょっと心構えが必要なもの。カシミアも例外ではありません。極上の手触りとツヤをキープするには……
1. 帰宅したらハンガーなどにかけ、風を通す。
2. ていねいにニット用のブラシをかけ、ホコリを落とす。
3. 毛玉を見つけたら、そっとつまんでカット。
4. クリーニングか自宅での手洗いを。天然原料の専用シャンプーだとなおよし。
カシミアはウールより復元力がある素材。お手入れを怠らなければ、長く愛用できます。
「なくても生きていけるけど、あると人生が楽しくなるもの」。ラグジュアリーの本質を語るとき、こんなふうによく言われます。触れるたびに豊かな気持ちにさせてくれると思えば、お手入れの手間だってうれしい代償といえるもしれませんね。手間をかけたぶんだけ愛着もひとしお。自分だけの1着を育てる気分で、さあ、今年こそカシミアデビューしましょう!(ナスターシャ澄子)
【あわせて読みたい】
※毎日のケアは? 濡れたときは? ファーの豆知識4つ教えます
※流行りのオーガニックコスメ、買う前に○○さえ見れば「本気度」が丸わかり」!